My Life After MIT Sloan

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英文を読むのが苦痛な人はまずは単語力を身につけよう

2010-01-15 14:03:21 | 6. 英語論・英語学習

今日は趣向を変えて英語学習について。
何故なら、今日は私が留学を決意して英語の勉強を始めた日だから(笑)。
英語学習の基礎筋力として、単語力は重要って話です。

1. 英文を読むのが苦痛な人は、まずは自分の単語力を疑ってみよう

英語学習に一番役に立つのは、とにかく大量の英語をインプットすることだ。
英字新聞、英語の本などとにかく英文を大量に読む。
Podcast、英語ニュースなどとにかく聞く。
これは正しいのだが、ボキャブラリーが不十分な状態でこれをやるとかなりの苦行である。

英文を読むときは「辞書など調べず、文中から意味を推測しろ」と誰もが言うし、私も今までのエントリでそう書いてきた。
でも、これはある程度単語力がある場合の話である。

もしあなたが今勉強してる英文を読んでいて(例えば試験向けの読解問題集、英字新聞)
一文に一語以上知らない単語が出てくるようであれば、その文章を読むには明らかにボキャブラリ不足だと思う

この頻度で新しい単語に出くわす状態で、「文中から意味を推測する」のは正直難しい。
それなのに頑張って続けてた方、その苦行に耐えられたあなたはすごいです。
まずは単語を勉強すべし。

TOEFLやTOEIC向けに勉強していて、設問で問われる英単語の意味が半分以上分からない、という場合も同様。まずは単語を勉強するのが近道。

2. 英単語は短期間に集中して身につける

で、ボキャブラリを身につけるには、毎日ちまちまやるのは効率悪い。
手早く身につけて、早く「英文読んだだけで単語の意味が推測できる」という状態に持っていく。
「この2ヶ月は単語力のみに集中」てな感じで、短期間に一気に単語力をつけるのが効率的だと思う。

その間は、読解やリスニングの教材などは休めてもいい。
単語力無しで英文を読み続けるのは、基礎筋力のない人がプロとスポーツをやるようなものだ。
筋力をつけてから臨むほうがずっと楽に出来る。
だまされたと思ってやってみてください。

私が留学準備初期にやったのは、「平日は英単語50個、土日は100個」
これを1ヶ月続けて、約2000語近くをカバーしたところ、英文を読むのがとても楽になった。

実はAGOS(元プリンストンレビュー)のGMAT名物センセの中山先生も、同じやり方を推奨していた。
彼の場合は一日100個だったという。

数はご自分で決めればよいが、その数は50個、100個というレベルに設定すべし。
例えば、英語学習に一日3時間以上取れる方なら、100個、というのは妥当。
勉強に取れる時間に応じ、1語あたり1~2分、という計算をする。

3. 英単語=日本語の丸暗記はダメ。目と耳の総合力で。

単語集の選び方は後で書くけど、例文と音声教材がついてるものを選ぶべし。
英単語を日本語に一対一対応する覚え方は忘れやすいし、英文を読むときには使えない。

その英単語を見て、意味が分かる、という状態になるまで、付属の例文を読む。
音声教材を聞いて、意味が分かる、という状態まで、音声を繰り返し聞く。

一単語あたり、1、2分かけて、目と耳を駆使して単語を自分のものにする。

4. 自分を追い込んで、とにかく数をこなす。

で、どうやって一日に50個、100個もやるの?という話であるが、そのように自分を追い込むしかない。
「この1時間で30個覚えるぞ!」みたいに。

私は、コンサルなんて夜中まで働く仕事をしてたし、朝の通勤時間は新聞2誌読むのに使ってたから、
単語を覚えるのは、仕事帰りと夜中に家についてからしかなかった。
「この電車が自分の駅につくまでに20個覚えきろう」とか、
「今日は疲れてるけど、あと30個残ってるから、これを覚えたら寝よう」という感じで自分を追い込んで覚えた。

机に座ってできる人は、一単語に2分、とか時間を設定し、タイマーを掛けて覚え、
タイマーがなったらハイ次、とやるのも効果的だと思う。

5. 翌日はまず前日覚えた単語の復習をする。週末は一週間の復習をする。

こういうやり方では、当然次の日に前日覚えた単語の半分を忘れていたりする。
翌日はまず必ず前日覚えたところを見て、忘れてるものは覚えなおす、というのをやる。
ただし時間を掛ければきりが無いので、「復習は一日20分まで」みたいに、時間制限をすること。

週末など、時間が取れるときには、今まで覚えた部分を見直す。
忘れてるものは、もう一度例文と音声教材を使って頭に入れなおす。
一日50個のペースでやれば、週末には300個ちかくになってるわけで、かなりの量だ。

週末に「これだけ頭に入ったのか~」と見返すのは結構爽快だ。

5. 教材は例文と音声があるものを、自分のレベルに沿って選ぶ

さて、教材ですが、持ってるひとはそれを使えばいいです。
そうじゃない人は、市販のものを買う。本でもソフトウェアでもいいです。

選び方だけど、私のオススメは
・例文とその例文を読んでくれる音声教材がついてるもの
・例文を読んで、分かりやすい、面白いと思う。
・ぱらっと見て、自分の知ってる単語が1、2割であるもの

を選ぶこと。
単語を覚えるのは丸暗記じゃダメで、目と耳の総合力で覚えるのが、読解力・リスニング力向上に役に立つから。
それに、人にもよるけど、ぱっと見て知ってる単語がひとつもない問題集って、萎えませんか?
やっぱ少しは知ってるものも出てくるほうが、続きます。
あんまり難しすぎる単語集って、自分の現在のレベルにも合わないってことだと思うし。

具体的な教材だけど、私が使った教材を本と、ソフトの両方一応書いておきます。
でも、すでに自分に合う教材を持ってるなら新たに買う必要は無いし、自分のレベルにあったものを使うのが常に重要です。

TOEFLテスト完全攻略 英単語(800語収録)
TOEFL向けのとっかかりにはこの単語集はかなりオススメ。
GMAT向けにはこれだけでは不足で、他の単語集を使う必要が出てきますが、最初はこれでいいと思います。
私は約2週間でこの一冊終了。

TOEFLテスト完全攻略 英単語 iBT対応TOEFLテスト完全攻略シリーズ
田中 真紀子/アルク

DUO3.0 (上の教材よりかんたん。大学受験レベル)
大学生・院生の頃、大学受験生を何人も教えましたが、この教材を使って教えてました。
例文が豊富なので、単語の意味・背景を深く知れるのでおすすめです。
教え子のうち二人はちゃんと東大にも受かりましたよー、なんて宣伝したりして・・・

市販のTOEFL用単語集が難しい場合は、まずはこれで基礎力つけるのがいいと思います。

DUO 3.0
鈴木 陽一
アイシーピー

iKnow
オンラインの単語学習教材です。
例文、音声を駆使して、遊び気分で出来るのでお勧め。
間違った単語は、自動的に記録されて、何度も出てきますので、勝手に復習が出来るのもよろし。
クリックするだけで例文を何度も聞けるのが便利です。
GMAT向け、TOEFL向け、などに細かく分かれてるので、自分の目的とレベルにあったものからはじめましょう。
GMATを越えて、FTやWSJを読む人向けの単語集などもあるので、更に学習を続けたいひとも使えます。

・アルク PowerWords Level 1-12
これ今でもまだ売ってるかな?
アルクで出してる、単語学習ソフトウェアで、仕組みはiKnowと全く同じ。
これも、クリックだけで例文を何度も聞いたり、自動的に学習状況を記録してくれるのが便利。
12レベルに分かれてて、1レベル1000語入ってます。
Level 11,12は米国大学院生でも難しいと感じるレベル。

以上。
まとめると、

・英文を読むのが苦痛なら、単語力を疑ってみよう。
・もし一文に一語分からないのが登場するなら、まず単語力をつけることを先決にすべし
・単語力は、短期間に集中して、一日50-100個の単位で覚える
・丸暗記じゃなく、例文と音声教材を駆使して、でも時間かけずに一語2分くらいでどんどん進める
・復習は必ずする。週末は一週間の復習も
・単語集は、1,2割は知ってる単語が入ってるくらいのレベルのもので、例文と音声教材がついてるものを選ぶこと

ってところでしょうか。
単語力をつけると、本当に英文を読むのが楽になって、前より勉強するのが楽しくなると思います。
だまされたと思ってやってみてくださいまし。

追記)日本語に「単語力」などという言葉は本来無く、「語彙力」が正しいと思われます(笑)

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23 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
苦学しても (石川)
2010-01-15 15:28:02
日本語は、こんなに苦学しなくても身につくのだから、英語だって?

とりあえず、動詞の使い方が、英語と日本語では全然違うので、動詞を覚えればいいんじゃないの?? 

というか、日本語が変な人が日本人に多いよね。アウトラインだけで、肝心なところは伝わらない伝えられない人が多い。そういう人は、たぶん英語で読み書き堪能でも伝わっていないだろうなぁ。

それと、解説調でものごと話すのは、日本の優等生だけっていう非常に珍しい現象もあるし。第一、一流の解説者って意味がない。話芸としては成立するけど。

もう一つ、あと五年もしたら、中国人のエリートはとくに、英語を理解しても絶対に中国語以外話さなくなるかもね。どーすんだろ。笑
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Unknown (Willy)
2010-01-15 16:21:32
激しく同意です。単語・熟語ってやっぱり大事ですよね。それに単語・熟語知らないで英語を勉強するってのは、非常に効率が悪い。覚え方も納得。

一気にやった方が良いっていうのは意識したことがありませんでした。そういえば、中国人でGREに備える人は一日100個で3ヶ月やるって話を聞いたことがあるような。僕も語彙が足りない方なので今年もう一回やってみようかと思います。
返信する
Unknown (英検単語テスト)
2010-01-15 18:37:23
http://yasu80.boy.jp/en/
語彙が足りない・・そんなあなたへ。
英検単語テスト。20,000単語以上を網羅した4択英単語テスト。(無料)
中学一年レベルから英検1級以上のレベルまで
ガンガン単語が覚えれます!!
返信する
さらに追記させてください。 (やす)
2010-01-15 18:58:49
まずは語彙を測定できるサイトで測定してみましょう。
Vocabulary Estimator
http://www.prolingua.co.jp/vocab_est_j.html

Word Engine V-Check (1アカウントにつき1度。登録が必要、無料)
http://www.wordengine.jp/vcheck

目安は、
5000で高校卒業・英検二級程度
7500で英検準一級程度
10000~15000で英検一級程度
です。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-01-15 23:45:20
とってもためになるエントリーでした。ありがとうございます!

遠慮せずにぜひアフィリエイトで儲けちゃってください(笑)
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Unknown (FMAction)
2010-01-16 00:44:02
私も英語を覚えたくて色々とやってみたんですが、まったくの指摘どおり単語が分からなくて困っていました。

参考にしたいと思います。
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Unknown (からたち)
2010-01-16 15:20:41
>石川さん
いやいや、その言語を、ネイティブ以外が学びたいと思うかどうかは、ネイティブ経済圏の繁栄以外に、その言語で学べる情報が高度であることが、求められます。

中国語圏の大学で学べる事って、アメリカの大学の水準に較べたら、まだまだ。今後も、追いつくことは果たしてあるのか。原論の自由の保障されていない場所では、それは永久に無理でしょう。

中国語と同じく、スペイン語も国際語で、中国よりは自由が保障されている語圏ですが、それでも英語には及ばず。

あなたや私が生きている間は、経済的な成功のために、英語が有効でしょう。
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Unknown (hakaselab)
2010-01-16 15:39:08
素晴らしい情報ありがとうございます。
PowerWords は iPhone で復刻してるみたいですね。
http://www.alc.co.jp/elearning/app/powerwords/index.html
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お役に立てて嬉しいです (Lilac)
2010-01-16 17:03:29
皆様コメント色々有難うございます。
人によって勉強の仕方は千差万別とは思いますが、「辞書調べないで文中から推測する」で英字新聞を毎日読もうとして大分苦しんだ経験があるので、このエントリを書いてみました。
同じ苦行をやっていた方、役に立てれば幸いです。

>石川さま
確かに動詞をまず覚えるのは効率いいと思いますね。
いつも思うんですが、石川さんってコメントするの、早いですよね。
いつも記事を書いた2時間以内くらいにレスついてるのがすごいです。

>hakaselabさま
なんとiPhoneで復刻でしたか。
それは便利ですね。電車の中とかでできるし。
ご紹介有難うございます!
返信する
Unknown (Unknown)
2010-01-16 19:18:29
”あいう○お”

は推測できても

”○○う○○”

は推測できない
という無残な事実だな!
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