今日は日本にお住まいの皆様は、連休最終日でしょうか?
そんな楽しいときに、真面目くさったエントリもなんですから、ちょっと面白いものをご紹介。
Twitterで紹介したら、面白がっていたひとが多かったので、ブログでも紹介しようかな、と。
Bill Gates、といえば子供でも知ってる世界一のお金持ちで、マイクロソフトの創業者、
そしてSteve Ballmerは、創業したてのころからビル・ゲイツを経営面・財務面で支えてきた女房役である。
この二人は、世間で思われてるイメージを一蹴するためなのか、何なのか、けっこうお茶目なビデオを色々作製している。
一つ目は1998年ころに作られたビデオで、かつてはマイクロソフト関連の会議などで良く流されていたというもの。
なんかBill Gatesが可愛い・・。
なんていうか、ほのぼのするわけだが、背景を知ってるとかなり爆笑モノである。
- Bill Gates と Steve Ballmerがなりきるのは、90年代終わりにアメリカで流行ったコメディ恋愛映画、Night at the Roxburyの主人公二人。これを見ると、映画のテーマ曲のイントロをまねてるのが分かる。
- 途中に出てくるTestimonyシーンは、1998年、マイクロソフトが反トラスト法で訴えられたときの、サン・マイクロシステムズ創業者Scott McNealyの証言。
- 要は、マイクロソフトが後発で参入したインターネットブラウザで巻き返すために、自社のInternet Explorerを、ウィンドウズと抱き合わせで販売した件について訴えられたもの
- で、その裁定の参考人として、ネットスケープだのサンだの、マイクロソフトの競合と思われる企業の取締役が呼ばれたわけだが、このScott McNerlyの証言で一番有名なフレーズ"I believe in winners and losers and especially the freedom to fail" が取り出され、「えっ誰が負け犬?俺?俺?」みたいに茶化されているというわけ。
- 彼の証言の前後は「I believe in winners and losers and especially the freedom to fail. What we want today is the enforcement of the laws that are already on the books」(私はビジネスでは勝つことも、負けることもあるし、特に、失敗する自由があると信じている。私達が要求したいのは、既に定められている法律(反トラスト法)を執行する、ということだ」というもの。この公聴会全体についてはWashingtonPostの記事が詳しい。
- 最後に車に乗ってるところで、BillがCDを入れてかかってくる「Da Da Da」の歌は、実は自分達のWindows Explorerの最初のCMのオマージュだったりする。二人ともInternet Explorerのことは忘れたいらしい(笑)
あとほのぼのと言えば、これか。
Bill Gatesがハリーポッターのコスプレでしゃべる。
スティーブ・バルマーは、ビル・ゲイツとハーバード大学時代ルームメートであった、という話だが
(しかし、どこかのインタビューで、ルームメートであることは否定していた)
その後、大学を中退してマイクロソフトを起業したビルを尻目に、彼は卒業し、その後スタンフォードのMBAに行っていた。
そこに、ビルが電話をかけてきたのだという。
「何?まだ学生やってるの?もっと面白いことがあるから、ウチにおいでよ」
その電話がきっかけで、スティーブ・バルマーはスタンフォードMBAを退学し、マイクロソフトに入社。
そしてマイクロソフトは1985年にWindows 1.0を発売するのだが、そのときのテレビのCMがこれ。
バルマー大活躍。
その後のバルマーを知ってる人なら驚かないかもしれないが、
「マイクロソフトのCEO」としかとらえてない人から見ると、このハジケ度は驚きでしょう。
MBA行ってもどこ行っても、これくらいしないと、モノは売れないんですよ、と。
そしてモノが売れなければ、いくら起業だのナンだの言っても始まらないわけです。
- でも良く見ると、MBAでちゃんと習うような定石な売り方もしている。最初に$500とか$1,000とか言って相手の期待値を下げてから、実は$99です!えっ安い!と思わせるとか。
- Miami Viceはこれまた1980年代にアメリカで流行ってたテレビドラマのことです
- ネブラスカだけは届かないらしいが、何故なのかは私にも不明・・。
その後、Windows XPが出てから、このCMをぱくったビデオが、バルマー出演で作成されている
しかし、この頃にはスティーブ・バルマーは既に暑苦しいおっさんへと進化を遂げており(失礼)、若干見てると疲れるのだが。
あと私が割りと好きで、何度も見直しているのは、2007年にWSJの企画で行われた、Steve JobsとBill Gatesの対談。
この二人って、実はそんなに仲悪くないんだな、と気づく。
まあ直接の競合じゃないし、若い頃に協業していた関係(Apple IIのソフトを作ってたのがマイクロソフト)
なので、当然なのかもしれないが。
こちらが、短縮バージョン。
Bill GatesとSteve Jobsがお互いをどのように見てるのか、というところだけ取り出して、端的にまとめている。
まあ見所は、
- 最初にBill Gatesが話すときに「最初に言っておくけど、僕はFakesteveじゃないよ」というところ。前に記事でも書いたけど、Fakesteveはこのころ西海岸で大流行
- Apple IIのソフトをマイクロソフトが作るようになった経緯を教えてくれ、と問われて答えるBill Gatesが余りにも話が下手で、Steve Jobsが「いいよ、俺が話すから」と取り上げるところ
- とにかくSteve Jobsのジョークが切れまくりで面白い。「コンピュータっていうのは、愛し合う二人の男達から生まれたんだよ」「僕らはどこに行っても一番若い二人だった。今はどこに行っても一番年寄りだけど。だからここに来るのが楽しみだったんだ。(インタビュアーの二人が年上だから)」とか。
そしてこちらがロングバージョンへのリンク。
http://www.youtube.com/watch?v=_5Z7eal4uXI
全部で12個くらいに分かれてますが、Youtube上から伝っていけると思うので、興味のある方は是非。
ある意味、パーソナルコンピュータの世界を作ってきた二人が、若い頃はどのように考えていて、
どのようにこの世界を作ってきたのか、ということがよく見えてくる、非常に面白いビデオだと思う。
せっかくのお休み最終日ですし、こんなの見て楽しんでみてください。
ビデオ時代の恩恵を受けたアーティストは容姿端麗なビジュアル系アーティストばかりではなく、シンディーローパーやフィルコリンズといったコケティッシュなアーティストが多い。
しかし最大の受恵者はマイケル・ジャクソンだろう。両者の共通項はパフォーマンスです。この現象はイノベーションと大いに関係する。
新技術とコンテンツの関係においておおかたの予想、あるいは計画が失敗する真因はここにあるのではないだろうか。
ビデオ時代の予想。あるいは計画はビデオ→ビジュアルだが結果はビデオ→パフォーマンスにだった。
情報時代は情報→ハードウエアのはずが結果は情報→ソフトウエアになった。つまり単一メーカーの製品が寡占するのではないかと当時騒がれたが結果はマイクロソフトに支配された。
神は人間のあさはかな計画をあざ笑うかのように、その近くに宝物をお隠しになる。それを見つける人は人に愛されるのではなく、神に愛されることを考えているのかな。
http://www.youtube.com/watch?v=v5uw07iEkjU
超豪華メンバーです!
ポスドク改めベンチャー新入社員のHWです。
東京に引っ越してきましたよ。
まず、Lilacさんがそんなにビルゲイツ好きだったとは、軽く驚きをおぼえました。
>でも良く見ると、MBAでちゃんと習うような定石な売り方もしている。最初に$500とか$1,000とか言って相手の期待値を下げてから、実は$99です!えっ安い!と思わせるとか。
昔のテレビショッピングで、「今、桐ダンスを1つ買うと、もう1つ付いてきます。(初めから2つって言えよ)」ってありましたけど、MBAでも習うのですね。
「ジャパネットでパソコンを買うとプリンタもスキャナもデジタルカメラも付いてきます。これでジャパネット価格ほげほげ万円。(えー。)しかも金利はジャパネットが負担。」ってのもMBAで習うセオリー通りってことでしょうか。
でも、おそらく、ジャパネットの高田社長の微妙な訛りが耳にこびり付いてしょうがないってのは、MBAでは教えてくれないでしょう。
それから、海の向こうじゃ、マイクロソフトって結構チープな感じのCMをやってたわけね。なんか妙に感心しました。
なるほどねえ。
@g4gtiさん
ビデオを見るとSunがうつってますよね
@shimooさん
これは面白かったです。マイクロソフトを「退職」することになったBillが、次の職を探そうと頑張ってあらゆる有名人に声をかけるが、どれも才能が無くて、見放されるっていうストーリーですね。
皆の断り方と頑張るBillがそれぞれ面白いです。
@HWさん
まあ、Bill Gatesは嫌いな人が多いので、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないか・・と思ってるわけですが。
逆にSteve Jobsみたいなタイプは苦手なので。
MBAではテレビショッピングのやり方を習うわけではないですが、「顧客の期待値を下げる」ということは習いますね。それの実践例ってことで(笑)
チープなCM:まだ誰もマイクロソフトを知らない頃、法人向けのソフトウェア受託ではなく、初めて消費者に向けてソフトウェアを売り出したころの話ですからね。