My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

会社は本当に株主のものか?という疑問に答える本

2010-01-07 06:10:09 | 7. その他ビジネス・社会

藤末議員と言う方の「最近の余りにも株主を重視しすぎた風潮」という言葉が、経済の専門家をはじめとする人たちの批判を浴びてる様子。

株主至上主義って?−経済学101
公開会社法が日本を滅ぼす−池田信夫blog part2

議員の表現の枝葉末節が批判されてるようだが、これはちょっと残念。
専門家を称する人は、「専門的にはこれが正しいんです。あなたは間違ってます」と言うのではなく、彼の感覚的な表現の、根本の問題意識に答えようとしてくれれば良いのに、と思った。

そもそも、彼の言う「最近の余りにも株主を重視しすぎた風潮」、そしてそれを問題だ、と思う感覚自体は、至極まっとうじゃないのか。
(問題は「会社公開法」はそれ必ずしもその解にならない、ということだと思うが)

まず「最近の余りにも株主を重視しすぎた風潮」というところだが、ここでは比較対象は、他の欧米諸国と比べてるんではなく、「日本の昔に比べて」ってことを言ってるのだと思う。
(流石に、アングロサクソンに比べて、日本企業が株主を重視してると言える人はいない)

歴史を見てみる。
例えば、1970〜80年代には、日本では優良大手企業でさえ利益率5%以下が普通だったのが、現在の企業経営ではROEと利益率が神様みたいに崇められてる。
これは「株主を重視しすぎる風潮」と言わずしてどう説明するか。

当時の日本企業は「効率が悪かった」のだろうか?
極端な議論かもしれないが、良いものを安く売ることで消費者に還元していた、とはいえないか。
多少コストが高くなっても、簡単に従業員をクビにせず、たくさん雇っていたのは、従業員に還元していた、とはいえないか。
米国の「優良企業」のように30%も営業利益を取るかわりに、5%以下に抑えて、消費者や従業員のためにはなっていたのではないか。

そもそも企業の利益率が高くて、一体誰が喜ぶかをよく考えると、利益から法人税を取れる自治体以外は、そこから配当を得られる、もしくは株価向上が見込める株主だけじゃないのか?
(多少関係するのは、格付けによる社債など資金調達の容易さだけだが、メインバンクからの負債中心の当時の日本型企業にはほとんど関係なかった)
ROEが高くて誰が喜ぶのか?株主だけじゃないのか?

「株主価値の最大化」が現在、世界標準で、企業が当然目指すべき姿、とされてるのは確かだ。
日本企業はそれに向けて、株主価値の最大化を実現する方向にシフトしている。

もちろん日本の経営の「株主意識率」がアングロサクソンに比べまだまだ低いのは認めるが、以前に比べ極端に意識しなくてはならなくなったのは、、まず事実ではないか。

その結果、多くの企業の経営者が株価や株式総額を気にする余り、市場に説明できないような長期的な投資が出来ない、と悩んでる。
利益率のみ考慮する余り、大量のリストラをしなくてはならなくなったことを悩んでいる。
株主が専門家でも技術の目利きでもなく、多くが短期的な利益を享受することを目的とした投資家である場合、特に悩みは深い。

「日本の企業って、昔はもっと従業員やお客様を大事にしてたんじゃないのかなぁ・・・
 それなのに、今は企業が短期的に利益を上げることだけ考えろって言われてる気がする。 
 それって得するの、株主だけだよね・・ これって本当に正しい方向なんだろうか?」

「株主価値経営が当然だっていうけど、本当に株主だけなのかなあ?
 企業って従業員も取引先もお客様も大事だし、ひいては社会的な使命をもってるんじゃないのかなあ」

こういうぼやきが、今の世の中で、実際に企業経営に誠実に携わっている人の、率直な感想じゃないかと思う。
別に経済学や経営学の知識で武装しなくても。
多分、漠然と株主主権が問題、と思ってるのは藤末議員だけじゃない。

で、こういう直感的な疑問「会社は誰のものなの?」に、まさにドンピシャ答えてくれる本があるので、ご紹介したい。
(漸く本題・・)

会社はこれからどうなるのか (平凡社ライブラリー い 32-1)
岩井 克人
平凡社

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MITで経済学博士号を取ったあと、東大経済学部で教鞭をとっている岩井克人先生の本。

岩井先生は、日本型の従業員を大切にする「会社」が、アメリカ型の株主主権論とは相容れない存在であることを、各国の資本主義の歴史と企業史を紐解きながら説明する。
日本企業は「株式会社」であっても、歴史的には株主のための会社では全く無かったのだ。
ところが、90年代に入ってから、アメリカ型の株主主権論を受け入れざるを得ない形になっている。

それから、別に「株式会社」は法的にも株主のモノでも何でもなく、「社会の公器」であることをわかりやすい法理論で解説する。

1980年代、日本企業が絶頂だったころは、学会でもアメリカ型の「株主主権」論が正しいのか、日本型の「会社共同体」が理想の会社の形態なのか、大論争があったという。
現在の学会では、絶対のように見られているアメリカ型の株主主権論(これは藤本議員の言う「株主至上主義」に対応していると言っても良い)が当たり前になったのは、実は90年代に入ってからのこと。
それすら、現在の米国では疑問視され始めている。

資本主義の歴史を紐解いた最後には、21世紀のポスト産業資本主義に最も適切な会社形態は、
少なくとも株主のものではなく、従来型の日本型経営と会社システムを改良した、より従業員を大切にするタイプのものではないか、と説いている。

簡単に書くと、ポスト産業資本主義で最も大切になるのは、新しい知識や情報を常に生み出せる人的資産である。
その人的資産を採用し、育て、つなぎとめ続けられる企業が、長期的に成長することが可能だ。
そのために必要なのは、株主の方を見た経営ではなく、従業員に目を向け、従業員が離れにくい文化と制度を有する経営。
それは、株主主権では実現できない、という話だ。

こういうことが、歴史的事例に補足されながら、次々と明らかにされていくのがとてもキモチの良い本だ。
「会社は誰のものであるべきなの?」「本当に株主のものなの?」という疑問を持ってるならオススメ。

「会社は誰のものか?」というのは自明な問いでもなんでもない。
「株主のものだ!」などと思考停止せず、かといって、かつての日本型経営を偲ぶ懐古主義にも陥らず、
岩井先生の本のように、これからの経済に適した企業経営のあり方は、誰を主体としたものか?と考えることで、日本企業の今後のあり方が見えてくるんじゃないか、と思っている。

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28 Comments

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違います (石川)
2010-01-07 13:14:11
株式会社は、すべてウォール街のものです。なぜなら、株主に所有期間の規定がなく、結局は、信用の流動性に対する影響力がある発言者のものだからです。そもそも、アレが一番怪しいんです。NYダウのことです。そもそも信用全体を現していないのに、これに左右されるのが可笑しい。結局、国際的金融の信用というのは、一部の人間の心理からの影響を強く受けていて、これが不公平のもとです。それと、本来、政治というのは金融と戦うことが正義です。政治が金融に支配されている以上、経済学者は、単に金融にとっての腰巾着にしかすぎません。その上、経済学者が弱者の味方をしたという話を聞いたことがありません。彼らの利益は金融から得ているだけの卑怯者です。地球上で、金融を敵にして勝てたものだけが真の英雄で、あとは裏切り者です。過激に笑。
Unknown (とおりすがり)
2010-01-07 13:24:56
Lilacさん、この↑のようなわけの分からないコメントにいちいちレス付ける必要ないですよ。時間の無駄です。
Unknown (masa)
2010-01-07 13:33:38
はじめてコメントします。masaです。
私もLilacさんの意見に賛成です。

私の意見ですが、欧米では、株主至上主義と長期的な戦略を練ることのバランスがとれていると思います。
しかし、日本は、そのバランス感覚があまりにもなさ過ぎるように感じます。
理念などを吸収せずに、欧米などの戦略テクニックだけを利用するせいで、欧米スタイルになれないんだと思います。欧米スタイルが必ずしも良いとは限りませんが。
アジアでは、欧米スタイルは文化的に馴染みにくいと思います。(韓国などは除きますが)
もっと歴史を勉強されたほうが良いのでは (haruomi)
2010-01-07 14:33:10
「従来型の日本型経営」なるものは、古くても明治時代から「藩」のモデルを継承した財閥系企業や、戦後非常に恵まれた経済環境でだけ通用していたきわめて短期間にしか通用しなかった畸形的な経営と認識するべきです。

私は80年代からサラリーマンをやってきており「日本型経営」の会社も外資系企業も見てきていますが、そも「従来型の日本型経営」なるものが、社員や消費者にとってよりよいものであったとは思っていません。
消費者への価格メリットはもちろん、消費者サービスも当時より現在の方法がずっと洗練され、改善されているように思います。コールセンターが各県に分散していたような時代のほうがサービスが良かったと本気で思っているのでしょうか。もしそうだとしたら、「その時代を知らなかっただけ」なのではないですか?
大体、銀行の株価が全部500円だった護送船団の時代に戻れるわけがありませんし、この種の世迷いごとを言っているのは企業活動の実態を知らない人に多いような気がするんですよね。

>アジアでは、欧米スタイルは文化的に馴染みにくい

実態を見ている立場から言わせてもらえば、中国人もインド人もかなり資本主義的だと思います。
この言い方自体が上から目線で、危機感の薄さを表している気がするんですよね。
将来を考えると欧米型しかないようにも… (松本孝行)
2010-01-07 15:31:25
 正直、昔の日本と比べれば、株主重視には傾いていると思います。が、それも裏を返せば、株主冷遇主義だったわけで、それが本当によかったのか?と言われると疑問でしょう。それに、女性の社会進出が難しかったことなどの前提条件が違い、将来的にも昔の日本と同じような封建主義的な方向へは進まないと思うので、「じゃあ将来はどうして行く方がいいのか?」と言われると、欧米的な部分をより取り入れて行く方がいいように私は思います。

 しかしこういう視点で考えるのも面白いですね。ただ単に株主至上主義かどうかだけで考えるよりも深い議論ができて良いです。
同感です (nori)
2010-01-07 16:39:22
株主至上主義は労働者を幸せにしないですね.金を持つものと持たざるものの二極化がどんどん進んで行くでしょう.かつての高度経済成長時代の日本はもうちょっと穏やかな資本主義で「みんなが中流でもみんなが幸せになりましょう」という風潮だったわけですから.

この手の議論は論理的に正しいとかどうこうより感覚の問題だと思います.一人勝ちを推奨するのかみんなの幸せを優先するのか.
進化システムでは利他的行動を許容しませんが,やはり人間たるもの利他的に動くことがあっても良いじゃないですか.
Unknown (oo)
2010-01-07 16:49:06
どの道、おっしゃるような会社がこれからの時代に求められてるのなら、結局会社はそういう方向に変化していくのではないでしょうか?
まずはアメリカあたりからでしょうが・・
「従業員を大切にする」ということ (kazemachiroman)
2010-01-07 17:09:39
「簡単に書くと、ポスト産業資本主義で最も大切になるのは、新しい知識や情報を常に生み出せる人的資産である。
その人的資産を採用し、育て、つなぎとめ続けられる企業が、長期的に成長することが可能だ。
そのために必要なのは、株主の方を見た経営ではなく、従業員に目を向け、従業員が離れにくい文化と制度を有する経営」

まさに仰るとおりだと思います。
一方、組織・人事コンサルタントの立場から申し上げますと、「新しい知識や情報を常に生み出せる人的資産」に適切に報いようという姿勢に関しては、米国を中心とする欧米企業の方がよく考えられていると思います。
金銭的報酬、非金銭的報酬、福利厚生や柔軟な労働環境など"Total Reward"という概念は、欧米企業のほうが(はるかに)進んでいるといえるでしょう。

また、人材開発やサクセッションプランなどの育成プログラムも寄り専門的に行われていると思います。

すなわち、「従業員を大切にする」という方法論が、「人材の質に応じてメリハリをつける」というもの「概ねすべての人材を底上げする」という違いがあるだけで、欧米企業が決して「従業員を大切にしていない」というわけではないと考えます。

データの見方にもよると思いますが、労働分配率についても米国と日本でそれほど大きな違いがあるとは思えません。
日本総研「先進国における労働分配率の動向」
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/2525.pdf
※労働分配率の変動が大きいのは、業績の変動に対する人件費の連動性が低いためと思われます。
解雇されなかったというだけでは (元会社員)
2010-01-07 17:25:39
昔の日本の会社員が幸せだった、というのは幻想でしょう。当時は当時で問題が多数山積していた。多くの人は「我慢」して働いていたというのが実情です。

昔の日本の会社こそ、もっと従業員にリターンすべきだったはずです。
起業家のインセンティブは何? (かくせい)
2010-01-07 17:31:18
会社はだれのものか?
自明でしょう。起業家は、どういうインセンティブで起業するのでしょうか。起業家のインセンティブに対する考察が全く抜けてるよね。

起業家が苦労して起こした会社が従業員のものだと言われるなら、誰がリスクとってビジネスを始めるの。それぐらいのこと考えられないのかね、スローンに行っていて。

これからの会社は、従業員の人的資産がモノをいう時代?今までだってそうですよ。そして、従業員の力は手段。目的は、顧客の創造。従業員の給与は利益からの配分ではないですよね。だから、人的能力にふさわしい市場価値を払わないと来てくれないですよ。利益が出たら、自分と同じようにリスクを取ってくれている株主に配分するのは当然でしょう。

出来上がった企業を想定して話をしているが、重要なのは起業するところではないのかな。

日本のように、起業する人がいなくなっていることが衰微の一番の兆候ですよ。古い、賞味期限が来ているような企業ばかりの日本が、サステイナブルなはずがない。

しかも藤末とか言うノータリンが喚くように、企業を日本から追い出すことが労働者の為だと思い込んでいる。試験の偏差値等糞の役にも立たない適例ですね。
Unknown (>起業家のインセンティブは何?)
2010-01-07 18:05:08
起業家どころか、雇われ経営者でさえ、新規事業のために人を雇うのをやめるでしょう。すでにノンワーキングリッチたちに悩んでいる経営者たちが、未来のノンワーキングリッチを雇うインセンティブは一ミリもない。
Unknown (タバサ)
2010-01-07 19:09:35
一見バランスがとれているようで、事態を悪化させるだけの提言だね。日本の経営者が日本的経営をすてたのは、別に株主資本主義を重んじたからではなく、年金問題や財政問題と同じ理由だ。それが成熟経済の中で、維持不可能だということを悟っただけ。当然、リストラに励んだのも、若年層の侵入を阻んだのも、正社員クラブを守るためのもの。当たり前だが、縮小する市場と、際限なく肥大化する従業員の要求のなかで、利益率5%を維持するなんて神業だよ。
Unknown (Unknown)
2010-01-07 20:51:27
>この手の議論は論理的に正しいとかどうこうより感覚の問題だと思います.

こういう方は論理的正しさ無しに法律を作って規制することを肯定されているのでしょうか。
恐るべき「感覚」ですね
株主至上主義 (freedom)
2010-01-07 22:10:19
従業員1,000人以上の株式を公開している大企業についての議論ですね。株式会社一般と混ざって論じられている部分もあってどうかなと思います。一般的には日本の株式会社の大多数は経営者イコール株主だから整理が必要ですね。
それに株式会社論といっても個々の会社で全く違いますから一概に総論として論じるのは難しいですね。個々の事例で議論をしないとね。

>例えば、1970〜80年代には、日本では優良大手企業でさえ利益率5%以下が普通だったのが、現在の企業経営ではROE と利益率が神様みたいに崇められてる。
崇めている経営者っているのかな?上場企業ならROEは大切にせざるを得ないでしょうが崇めているのではないでしょう。経団連の会長社でさえ資本の50%以上が外資になっているほどグローバル化しているのだから利益の配分方法もグローバル化しただけでしょう。この当時日本ではオーナー経営の中小企業が高度経済成長で成長して優良大企業になっているところも多かったのでその延長で他社の動向も見ながら利益率は5%以下に調整してあったのでしょう。

>米国の「優良企業」のように30%も営業利益を取るかわりに、5%以下に抑えて、消費者や従業員のためにはなっていたのではないか。
現在でも20%〜25%がグローバルの中で40%の法人税を避けるために5%以下に調整しているのでしょう。本心は赤字にしたいところでしょうが、配当と上場を維持するために5%以下という微妙な数字で、会計上のテクニックの問題でしょう。だからといって消費者と従業員をないがしろにしているとは言えないでしょう。今どきそんな会社は直ぐに評判を落としてとんでもないことになるのではないですか。

>多くの企業の経営者が株価や株式総額を気にする余り、市場に説明できないような長期的な投資が出来ない、と悩んでる。
そういう会社は公開しなければよいだけなので、現実に有名会社でも公開をやめる会社もでてきていますよね。公開と非公開のいいとこ取りをするのは無理な話ですよ。

私はオーナー経営でもない限り「株価至上主義」はあるにしても「株主至上主義」はないように思いますね。糸山氏がどれほどひどい目に会ってきたかブログで経営者批判を続けておられたでしょう(現在は閉鎖されましたが)。日本では5%以上の大株主相手でも話を聞くことすらしない実情があるわけですよ。大株主をないがしろにしたA社は株価が半減したし、話だけは聞いたが何もしなかったB社は7,000億円の債務超過で風前の灯火ですよね。最近の新しい会社は株主を大切にするところも増えてきていますが旧来の会社の経営者にももっと株主を大切にしてほしいところですね。

記事よりも長いコメントもどうかと思いますので(少し反省)、少しは絞ってみました。

P.S.石川氏はネット系の人物のようで過激な書き方をされていますが、私の考えとは全く違ったものですが、論としては面白いと思いますね。私はむしろLilacさんの返信を見てみたいですね。とおりすがりさんも気になるのであれば自分の論を書いてみられたらよいのに。
Unknown (大手町)
2010-01-07 23:04:34
「立場によって意見が変わる」というのを見事に表しているトピックだと思います。現状はどうなのか、どうあって欲しいのか(願望)、どうあるべきなのかを分けて考えないと話が混沌に陥りそうです。株主は「株式会社は株主のもの」、経営者は「会社を仕切ってるのは俺たちだ」、従業員は「会社リソースを使ってる俺たち無しでは会社は存在しない」と考えてます。だからと言って、これらの考えが正しいわけでも、今後の目指すべき方向とも限らないです。

池田氏が仰っておられるように、どうあって欲しいのかを実現するためのツールとして、上場企業と非上場企業を分けて考える方法があります。MBO後でファンドが最大株主という状況もあったりしますが、非上場では有力株主=経営者が多いはずです。そこでは経営者=株主なので、経営者が「我が社は、株主・取引先・従業員・社会のステークホルダーの皆様のために存在します」と言っても何も問題はありません。経営者=株主なので。とはいっても、この考えは、会社が株主"だけ"のものであるか、株主を含むステークホルダーのものであるかなので、会社は株主のものであるという考えからの連鎖を断ち切れていないのですが、これは株主"至上主義"の人も納得する方法でしょう。

会社は誰のものか、というのは日本の経営者側から巧妙にしかけられた議論だと私は思っています。これまでの日本での経営は、たとえ上場企業でも、株主をほぼ無視しても問題が無い環境で経営が行われてきました。株主持合い慣行もそれを助けてきました。しかし日本にもM&Aの流れやらが押し寄せてくるなど、経営者への株主からのプレッシャーが高まってきています。その中で、押し寄せる株主至上主義へのあがきとしてかつての「日本的経営」の素晴らしさがうたわれ、株主至上主義に抵抗を感じるように「従業員や消費者も会社の一員」というのが強調されているのだというのが私の認識です。従業員にとって素晴らしかったのは、かつての高度経済成長やバブルであり、日本的経営が従業員にとり素晴らしい時代であったとは私は思いませんが、なにより当時の環境は戻ってきませんので、高度経済成長のような特殊要因に支えられていた日本的経営が日本にとっても普遍的ではないはずです。
もちろん、人をないがしろにする企業では、会社に不可欠な構成要素の従業員があつまらないので、株主至上主義に基づく欧米企業でも、株主に還元する原資が集まらず"良い"経営ができないはずです。本音はどうだかわかりませんが、企業に依存せず転職がありふれている欧米企業では、目的がハイアリングコストを抑えるためであったとしても「いかに従業員が大事か」を常々言い、報酬と成長機会をツールとして使っています。欧米企業の最終目標が株主への還元であり、そのために従業員はツールであったとしても、どちらのスタイルが従業員にとり幸せなのかを考えるべきです。またその際に、海外では、日本企業は欧米企業と比べて雇用主としての人気がなぜ無いのかを考えるべきです。
なので「会社はステークホルダー全体のもの」と言う主張を従業員がしているのを見ると、不思議な感じがします。従業員が支持すべき考えは、従業員への労働分配率を上昇させ、率のみでなく総額も上昇させる考えのはずです。なので、行き過ぎた株主至上主義、という考えをとることで、企業の成長力を削ぐ可能性がある公開会社法の成立につながると考えるのであれば、所得上昇の低迷を恐れて従業員であっても株主至上主義に賛成しても良い気がします。
結局、何が正しい、というものがないトピックでは、「自分はどの立場にあって、その立場での主張は社会全体とどう調和するのか」、といういつもの話に戻ります。


ずーっと前からこのブログを見てきましたが、渡辺千賀さんとつながり、今度は池田氏からも投稿が入り、ネット界の大物ともコネクションがどんどん広がっていくのが見ていて楽しいです。池田氏の場合は、LilacさんのバックグラウンドをMITとしか知らないので、そこでの指摘の深さにギャップがある気がします。ではでは長文失礼しました〜
Unknown (ほるほる)
2010-01-07 23:23:05
>それすら、現在の米国では疑問視され始めている。

疑問視しているのはリベラルの方々だけ。
株主をはじめとする投資家達を優遇する政策が行われていたレーガン政権やブッシュ政権の時にはアメリカの全ての階層の所得が上昇しています。

反対に、投資家達を規制するような政策を行ったカーター政権やクリントン政権のときには、アメリカ経済は不況に突入しています。

日本でも、企業に雇用確保などの負担を求めるようになった結果、高度成長期が終了してしまいました。

いまどきは余裕のある人は誰でも株式投資をして株主になっています。
株主と雇用者を区別して語っても何も生まれないと思います。
はじめまして (見物人)
2010-01-08 01:23:26
池田ブログのリンクから来ました。
「会社法105条に定める意味で会社は株主だけのものだ」とあっさり断じてしまうのはどうなんかなぁ、と思う者です。Lilacさんの記事楽しく読ませていただきました。
ご紹介されている岩井克人さんとも対談している原丈人さん(ベンチャーキャピタリスト、財務省参与)の「会社は株主のものか?」というテーマの対談が面白かったです。
2008年に「日刊イトイ新聞」で糸井重里さんと対談している記事ですが、もしご存じなかったら読んでみてください。
http://www.1101.com/hara/second/2008-09-16.html
はじめまして (yoshidkj)
2010-01-08 01:24:39
おそらく日本の会社法をじっくり勉強したことがないのだろうと思います。そして、自分で起業したり、株主とつきあったことがないのでしょう、あなたは。

あなたも学者なら「株主なら社員の教育を許さない」という命題を反証してください。

中国やヴェトナムの労働者とほとんど同じ仕事をしている日本人が彼らよりも高待遇で暮らせるのは株主が犠牲になってるか、経営陣とグルになって(持ち合い)マゾヒズムに陥っているかのどちらかでしょう。
NRI の論文です、ご参考まで (BetterWorldPilot)
2010-01-08 01:46:03
経営陣、Board Memberと企業戦略を練るStaffは中長期の成長をManageする為に 人材育成、先行投資、CSR等とのバランスをとり 如何に、株主に納得してもらうか勉強し 企業戦略を練る必要があるということです。 

Please see page 16 item 2).
特にPage17の Sectin Vの前の12行。

”XXは、必ずしも株主至上主義ではない。 むしろ、図7に示したアメリカ企業の多くは、中長期的な視点を保持し、株主以外のStakeHolderにも配慮しながら 短期の利益を確保している。”

http://www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2006/pdf/cs20061003.pdf


公益資本主義:
http://blog.livedoor.jp/timekiller_my/archives/cat_10011819.html
 リストラしか経営手法の無い経営陣や差別化の創出を出来ない会社、短期で業績向上を期待されている雇われCEOが 株主至上主義につながったということでしょうか?

この辺は Leadership, Competitive Strategy, Business Ethics, CSR等のクラスで
沢山Case Studyを読まされます。

 日本の政治家も 様々な利害関係者の言い分に振り回されず 専門家の意見を参考にする必要がありましょうか?  複雑な世の中、可也専門的に研究、理解している人の解説なくして 政策は語れないと思いますがいかがでしょうか?

 供給過多の現在、競争力のある会社が無くなった現在の日本で、働く社員に於いては 転職可能なSkillを身につけ 市場価値を上げる必要があります。
 世界標準の学歴社会への再構築 学位を武器に転職可能に  大森不二雄 教授
http://www.shidaikyo.or.jp/riihe/research/arcadia/0328.html

アメリカの大学院で社会人向けの「ロースクール」、「ビジネススクール」、「会計スクール」など専門職大学院が機能しているのは、全米の基礎自治体レベルで腕を競う、競争的なジョブマーケット(雇用の場)があるからです。
http://blog.study.jp/yguhanawa/2009/08/post_69.html
Unknown (道すがら)
2010-01-08 06:46:22
会社のガバナンスに関する議論として、どういう統治形態が企業の生産性向上に寄与しうるか(あるいは社会厚生の向上に貢献するのか)という話であれば「会社は誰のものか」という議論は興味深いのですが。

どうにも現在の議論はそうした内実に関わる議論とはかけ離れたところにある既得権益を巡る単なる政治的な言説の応酬にしか見えません。

「会社は誰のものか」という問いかけは、「あるべき会社の姿とは誰が定義するのか」「誰が主導権を取るべきなのか」という議論と表裏なので仕方ないところではありますが、岩井先生の議論の趣旨を踏まえて、もう少し第三者的な視点での検証に(マスコミなどの)フォーカスが当てられると良いんですけど。
遅くなりました!コメント有難うございます (Lilac)
2010-01-08 18:36:16
お待たせしました。
昨日午前中から、ネット環境に無かったので、どうなってるかなーと不安だったのですが、なるほどと思える良いコメントが全体的に多くて安心しました。
ブログ上で良い議論が出来るのが、こういう記事を書いてる目的なので、大変ありがたいです。
これも読者の皆様のおかげですね。感謝してます。

中には他のコメントにコメントしてるものもあるようですし、全てにはお答えしませんが、ご了承ください。

もっと勉強せよ、というご指摘。
全くその通り。もっと勉強しなくてはなりません。
私は経済学はMBAに来て始めた初学者だし、法律なんか勉強したこともない。
学びながら思うところをつづって、皆様のコメントから刺激を受けながら、更に学んでいきたいです。

経験が少ないのじゃないか、というご指摘。
全くその通りです。
起業の経験などありません(今のところするつもりもないです。そこには興味ないし。)
日本を代表する大企業の経営者の方と直接お仕事させていただいた経験も運良くございますが、そんなのたった2,3社なわけです。
その他、日本企業、米国企業、ヨーロッパの企業と色々見てきましたが、偏ってるし。
社会人経験も皆様の多くよりは恐らく短いし。
しかしながら、そういう人が書くブログがあってもいいんじゃないかと。
このブログは、居酒屋談義の気軽さで、でも多少専門性をもたせつつ、なるほど!と思える議論が出来るようなところにしていきたいです。

情報を色々下さった方、有難うございます。
是非どれも読ませていただいて勉強しますね。

池田センセにTBしたのは、一応引用したから礼儀のつもりで、まさか記事でお答えしていただけるとは思わなかったのですが、こっちは匿名なのに(匿名お嫌いでしたよね)ちゃんと取り上げていただけたのはありがたかったです。
ちなみに米国でMBOが進んでるのは、エンロン以降「株式公開にはカネがかかる」という理由の方が大きいと思いますけどね。

池田氏のお立場は「株式主権は所与のものとして、嫌なら規定の枠組みで出来ることをやっていけばよいのでは?選択の自由はあるのだから」というプラグマチックなお考えなのでしょう。
それに対して岩井先生は、経済学と法律論を駆使して、株式会社の枠組みの考え方自体を変えようとしている。
個人的に後者の方が面白い、と思うのは、時代によってニーズは変わるので、今のままだと公開株式会社なんて要らなくなってしまうかもしれないから。
これについては思うところがあるので、週末時間が取れれば記事にします。
(あ、でも週末はIKEAの家具たちが届くので、組立作業の間にダンナの目を盗んで、という感じですが(笑))

なお、私自身の記事は、藤末氏発言に「インスパイア」されて書いただけで、彼の発言を擁護するものでも、ましてや会社公開法を擁護するものでもありません。
てか、会社公開法、まだ全容よくわかんないし。

池田センセのリンクから来た方、はてなから来た方、そのたのみなさま、私の言葉足らずでは岩井先生の本は十分に紹介し切れてないと思いますが、
新しい考え方を提示する面白い本なので、かなりオススメです。

>石川さま
>株式会社は、すべてウォール街のものです

はは、これは面白いですね。
実際、金融危機のために世界中の株価が下がり、一部の経営者は辞めさせられ、ベンチャーキャピタルは投資回収が出来ずに一部破綻し、おとといの記事じゃないですが、経済というからだの全ての部分で機能不全を起こさせてますからね。

>Haruomiさま

「従来の日本型経営」の定義を書くべきでしたね。
個人的にはこれに戻すべきとは全く思ってません。
日本型経営の良いところを残すべきと思います。
すなわち従業員を長期的にとどめておく仕組み、従業員を企業のTacitな文化・知識を身につけさせ育てる仕組み、そのため中間管理層がより多くの決定権を持ち(その能力があり)、遊撃兵のように問題解決が出来る組織。
そういうことができていたのは、一部の成功していた企業だけでしょ?といわれれはその通りとは思いますが。

コールセンター、消費者へのサービスの向上云々は、米国型の株式会社でも同じように、以前に比べて圧倒的に向上しています。
これらは、株主の存在云々というよりも、技術やビジネスも出るが洗練されてきたからのことでしょう。

>freedomさま
>従業員1,000人以上の株式を公開している大企業についての議論ですね。

全くその通りですね。
てか、私が念頭においてたのは従業員1万人以上だって話もあります。(ヒドイ話です(笑))
総論は難しいです。法律を作り直す方はそれをやらなくてはならないから大変ですね。

>そういう会社は公開しなければよいだけなので、
ここが肝なんですが、従業員10万人以上の日本の大企業の経営者がそう思っても、「公開しない」という手は余りない。
そうすると我慢してコストを掛けて、無知な株主と戦っていかなくてはならないのか、という問題になりますね。
そのコストは莫大な金額になっています。
これは仕方がないのか?
こういう企業が、長期的な投資その他を、市場に説明しても分かってもらえず苦労してきたのをまじかに見てきたものですから、思い入れは深いです。
「株価重視経営」と言う表現は正しいと思います。

いっそかなりの賭けですが「株主無視経営」すればという話もありますが、IBMのガースナーだけでしたね、そんなことをして成功したのは(笑)
あるいはトヨタさんもそうかな?株価が企業の本当の価値よりずっと低い、と言われ続けて久しいですね。

>大手町さま
それはおっしゃるとおりですね。
逆に、どういう主張をしているかでどの立場にいるかということがすぐに分かってしまいますね。
私は日本の大企業の経営者側立場に近いですが、一方で立場を離れて「株主価値向上主義」にから昔から疑問を持っていた、というのもあります。
それが岩井先生の「社会の公器」という考え方に非常に引かれるところです。

>会社は誰のものか、というのは日本の経営者側から巧妙にしかけられた議論だと私は思っています

岩井先生のお立場は違いますが、多くの議論はそうかもしれません。
もしくは従業員サイド(労組含む)から仕掛けられた議論でもあるでしょう。
「昔の従業員はそんな幸せじゃなかった」という反論する人も多いでしょうが、これはFreedomさんの指摘するように個々の事例によって違います。
仕掛けている人たちは、昔は規制に守られ、株式持合いに守られてきた人たちです。

これは>道すがらさんがご指摘してるのと同じと思います。

ちと長くなったのでこの辺で一度きります。
同期会に遅刻するので・・
「仕組み」ではなくせいぜい「文化」 (haruomi)
2010-01-08 19:27:42
>従業員を長期的にとどめておく仕組み、
>従業員を企業のTacitな文化・知識を身につけさせ育てる仕組み、

「仕組み」と言えるような高級なものではなく、「藩」や「丁稚奉公」から残留した「習慣」、せいぜい良い表現をしても「業務文化」ぐらいにするべきと思いますが、すでに言い尽くされている感がありますね。
かつての日本企業で支配的だった終身雇用は従業員のポータブルなスキル育成を阻み、能力を「社内の人脈」という非常に狭いものに集中させ社員を転職・再チャレンジできないロックイン状態にするというものです。
終身雇用は高度経済成長でしか経済的にすら成り立たないというのは非正規労働者という「新たな奴隷階級」を生み出している醜悪な現状を見ても明らかですが、成長期にしても利益を追求する機能集団と共同体の同一化が従業員をHappyにしたかというと、多いに疑問です。

知識管理の主体としての日本企業の特質についてはすでに野中郁次郎氏の研究などで言い尽くされていますが、日本企業が意図せずに暗黙知醸成の「場」を作ってきたのは事実です。しかし暗黙知だけに頼っては知識が容易に陳腐化するため、欧米的発想による形式知化と暗黙知醸成をスパイラル的に繰り返す企業が最も強いとされています。
(さらに先があり、池田氏がしばしば指摘しているようにこの知識管理のモデルでは、現在市場で成功しているイノベーションの多くは説明できません。)

>そのため中間管理層がより多くの決定権を持ち(その能力があり)、遊撃兵のように問題解決が出来る組織。

これも中心が虚ろで実質的にボトムアップで物事が進むという日本の「業務文化」です。
日本企業はこの文化ゆえに現場の細かな観察による「カイゼン」に優れていますが、一方でトップダウンによる大幅な改革がなかなか進まず、ビジネススピードの増した90年代以後欧米企業にやられっぱなしなのはまさにこのためです。
例えばERPの導入が「現場に使ってもらうため」カスタマイズの嵐になり外国人に不思議がられるのはこのためです。
と、いうか (haruomi)
2010-01-08 20:02:36
まあ、ほとんどの経営者は「1万人以上の企業だけを念頭において」なんてうっかり書いてしまうコンサルの言うことなんて耳を貸さないだろうけど、はっきり言って日本の現状は企業ですらもっと利益を重視して効率を上げなくては生き残ることすらできないと、現実が見えている人たちはわかっていると思いますよ。周回遅れなんですよ。
経済活動の辺境にいる庶民とマスコミの認識はさらに遅れてます。政治はそこからさらに遅れています。

そんな中で「周回遅れのトップランナー」よろしく、別の道があるかのようなことを言って惑わすのは、レッドオーシャンの中で生き残ろうと思って必死にやっている人たちには迷惑この上ない話だと思うんですけど。
もう一点 (haruomi)
2010-01-08 20:53:59
>コールセンター、消費者へのサービスの向上云々は......株主の存在云々というよりも、技術やビジネスも出るが洗練されてきたからのこと

違いますね。これも90年代に米系資本に買収された金融機関から真っ先に始まった事で、アメリカの影響と競争がなかりせば「伝統的日本企業」が自発的に適用する事は決してなかったでしょう。
各県におかれた「お客様窓口」社員が職を失い、「きめ細かなサービスができなくなる」それが「現場の意見」であり、「株主以外のステークホルダーの意思」だったからです。
イノベーティブな組織文化を維持する (freedom)
2010-01-08 23:28:57
大手町さんの書き込みを見て池田氏のサイトに行ってきましたが、Lilacさんが自分から政治サイトに参入されていたのですね。ちょっと驚きました。そのおかげでこのサイトがネット系の参入で一時的に伸びた以来のアクセスでランキングバナーをクリックした人も過去最高のようですね。先週ご不在でmittyさんと遊んでいたときは毎日クリックする人として換算すると7人しかクリックしていないと嘆きの書き込みをしようと思っていましたが、1日で200人を超えるクリックがあったみたいで定着してもらえたらいいですね。

前のコメントのこともあり気軽に思いついたことをコメントしていましたが、池田氏等と同じようなありきたりのことを書いていて不用意だったなと思って反省しました。やはりこのサイトにはよく考えた上でコメントしないとね。
大手町さんも指摘の深さにギャップがあると書いておられましたが、Lilacさんは過去記事「イノベーティブな組織文化を維持する」のコメント欄で「どうやってイノベーティブな文化を創れば良いのかを求め続けられており、その解を見つけたいと思っている。その状況で、MBOが解です、とは言えないと思っているので、出来れば公開企業でありながら、どうやって成長と企業文化の維持を両立させていくかを模索して行きたいと思ってるんですよね。」と書いておられて、そういう信条で書いておられることがここでわかればもう少し違った回答もされたのかなと少し残念でした(わかっていても池田氏は同じかも)。
池田氏はLilacさんにだけではなく、ばっさり切り捨てるタイプの方のようで、相手がどのように考えていてそれでどうなのかの分析がないので面白くなく、内容的にも惹き付けられるものはなく、教科書を読んでいる感じですね。SBIやお金になるところではもっと面白いことをやっておられるのかも知れませんが。
公開企業でのあり方については私もじっくり考えたいと思います。

岩井先生のお話はウォール街の前線で毎日毎秒戦っている人から見れば「おとぎ話」のように思えるでしょうね。グローバルの現在、先ずは一部にでもアメリカで受け入れられないと制度に反映するのは賛同者が多くても日本でも難しいところでしょうね。形から入って理念を変えるという方法も考えられますがそれには岩井先生に小沢氏のような強力な政治力が必要ですね。小沢氏の日本改造計画はその“企業からの自由”の論旨はグローバル化で日本型経営からの脱却ですからどうでしょうね。

藤末議員の現状認識についてはほとんど賛同するところですが、それでの部分がなぜ公開会社法なの?と思いますね。ブログをずっと追って見てると、民主党というよりまるで小泉氏が破壊する前の自民党の議員のようなことをおっしゃっていて、なぜ民主党にいるんだろうと思いました。2006年会社法ができたばかりでまたルール変えるの?と思います。基本ルールを猫の目のように変えて良いことなんてありませんよ民主党さん。どっちみち手続きが変わるだけで実質の中身は変わらないでしょう。監査役に労働者を入れようなんて資本家と労働者の19世紀末の発想でお笑いですね(今やMrs.Watanabeも資本家ですよ)。労働貴族が入るだけでしょう。結果的に入る人間は変わらないということです。本当に変わったときにはどうなるかは、グダニスクで労働貴族ではなく本当の労働者だったワレサ氏が入ったとき、資本主義が押し寄せ、それまで守られていた造船所そのものがなくなったという歴史的事実がありますね。

国の経済を見るときお向かいの国のように大企業中心のところであれば、これらの議論もその意味は大きいですが、日本では資本金3億円以上や従業員1,000人以上の企業で働いている人なんて5%位だし、経営者での比率はもっと少ないでしょう。だからこういう議論を見てると日本全体のことと錯覚しがちだけれども大多数の人にとっては関係のないことで間接的な影響はあっても国とういことでみれば一部の話でしかないかもしれません。
Unknown (cerisier)
2010-01-09 02:33:42
こんばんは。来年から国内のMBAに進学する大学生です。匿名ですみません。

毎回、楽しみに読んでます!あと、1日200を超えるクリックおめでとうございます。このブログを読んでいると、自分も頑張ろうと思えます。こちらこそ感謝の気持ちでいっぱいです。

コメントをしている皆さんのように、良い議論に参加できるほどの知識と経験がないのが残念です。読んでいて勉強になりました。
私が一番腹立ったのは日経新聞の記事でしたが (Lilac)
2010-01-10 21:23:37
みなさま。
全てにコメントを書くのはかなり困難と判断したので、もう一本記事を書いてみました。
まあ、何の結論が出てるわけでもないですが。

>Freedomさま

とはいえ、一応こちらにもコメント。

>2006年会社法ができたばかりでまたルール変えるの?と思います。

これは多くの方が思ってることでしょう。
というか、ルールを変えるなら、それなりの理由が欲しい、というところだと思います。
それなのに、どう変えるのか、どうして変えるのか、というところが十分に明らかにされていないのがまずは一番の問題だと思います。

5日の日経の記事に「経済界も反発」などという見出しが書かれていましたが、よく読むと、「内容が良く分からないという反発がある」と書いてありました。
反発云々前に、まずは内容を知りたいというのは当たり前のことで、あたかも経済界が反対しているかのような見出しをつけてしまう日経新聞が相変わらずで、とても腹が立ちましたけれど。

>岩井先生のお話はウォール街の前線で毎日毎秒戦っている人から見れば「おとぎ話」のように思えるでしょうね。

学者の役割とは、後で本当に必要になったときの定式化をするものだと思うので、これでいいんでしょう。
Unknown (Unknown)
2010-10-28 09:57:55
会社は、会社法が存在するから、会社として存在できます。
会社法に書いてあることが会社のすべてです。
個人の意見は一切関係ありません。
「会社は誰のものか」という議論と「会社は誰のものであるべきか」という議論は、分けて考えなければいけません。

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