11時バルセロナ発の夜行バスに乗って、マドリッドに向かう。
マドリッドには朝7時に到着予定。
いつもは夜行バスの中では熟睡モードで、気付いたら着いてた、という感じなのに、今回は疲れてるのにもかかわらず4時間くらいしか眠れなかった。
年だろうか・・・
マドリッドの南バスターミナルに着いたのが朝7時過ぎ。
地下鉄や鉄道の駅に直結していて、とても忙しい駅。
なんか、歩いてる人たちが、バルセロナより都会的だ。
エスカレーターを人を押し分けて登っていく人がたくさんいる。
歩き方もせわしないし、着てる服も何となくセンスがいい。
とりあえず夜に泊まる予定のホテルに電話してみる。
状況をスペイン語で一生懸命伝えると、朝8時過ぎには受け付けを開けるというので、まずはホテルに直行することにした。
シャワーにだけ入らせてもらい、荷物を預けて外に出ると、安心したのか無性におなかがすく。
ホテルの横にあるバルが開店してたので、入ってみる。
サンドイッチを食べる。
美味しい。
トマトと卵とレタスとマヨネーズが挟まっただけのシンプルなサンドイッチなのに、美味しい。
パンが美味しいからだ、と気が付いた。
スペインって、パン美味しいんだよね。
どこで食べてもびっくりするほど美味しいんです。
コーヒーも美味しい。
別にどうってことの無い、普通のエスプレッソマシーンで作るコーヒーなのに。
南の国はいいね!
さて、まずはマドリッドの王宮へ行ってみることにした。
結構な観光名所が、明日はクリスマスイブでお休みなので、今日中に行かなければ・・・というところのひとつ。
地下鉄のOperaという駅を降りて、王立劇場を越えると、王宮が見える。
今日は雨。
スペインについてからほぼ毎日のように雨が降ってる。
地中海性気候だから、夏はからからに乾いて、冬場は結構雨が降るんだよね・・・。
(別に自分が雨女だからとは思わない、科学的なワタシ(笑))
9時に開く、という王宮に到着したのは9時15分くらいだったのだけど、ドイツ人と日本人観光客ばかり。
ザグラダ・ファミリアもそうだったけど、朝早くから観光してるほかの国の人は少ない。
やっぱり世界的に真面目な国民性なのかしら、この2カ国は。
入り口が分からなかったので、その辺にいた警備員のおばさんに聞くと、
「パラパラッツィオ?」
と聞かれて一瞬意味不明で、「は?」とか聞き返してしまった。
ああ、Para Palacio (For palace) 王宮に行くの?と聞かれたのだと分かり、Siと答える。
ここの王宮は、ハプスブルグ家の作った王宮が消失した跡地に、ブルボン家のフィリペ5世が建てたのだそうだ。
約2700室もの部屋があり、それぞれの部屋が驚くほどの装飾に彩られている。
今は人は住んでないようだけど、スペインに関する公式の行事に使われてるそうだ。
例えば最近だと、皇太子の結婚式とか。
建設には30年を費やしたというが、中に入ってみて、なるほど、と思った。
まず現れるのが大階段。
彫刻もすごいけど、天井のフレスコ画がこちら。
絵の周囲の陶器の細工が素晴らしい。
写真禁止だったので、これ以降の写真は無い。
でも、このあと出てくるどの部屋も、この装飾よりもずっと凝りに凝った彫刻と細工。
壁も天井も部屋中が金メッキした陶器の細工に覆われた部屋。
ゴヤやベラスケスのフレスコ画に飾られる部屋。
次から次と、全く違うコンセプトの、鮮やかに豪華に飾られた部屋が現れる。
一体、いくらお金がかかってるんだろうか、と気が遠くなる。
シャンデリアも「こんなに色んなデザインを人間って考え付くものなんだ!」と思うほど、唯ひとつも同じものが無い、部屋ごとに違うデザイン。
また、どの部屋にも時計が置いてあるのだけど、これも部屋のコンセプトにあわせたデザインとなっていたり。
実際に見えるのは20部屋程度なのだけれど、この調子で、2700部屋が存在すると言うから驚きだ。
一体どれだけ富があれば、こんな豪華な王宮が作れるのだろう。
正直、イギリス王室なんかより、ずっと金持ちなんだなー、と思った。
これだけの富を蓄えられるとは・・と素直に感動した。
18世紀に産業革命を向かえて、初めて植民地などを開拓しはじめたイギリスと異なり、スペインは15世紀から植民地を持って繁栄していたのだ。
ハプスブルグ家からブルボン家、と家の交代などはあったけど、豊かな植民地から生まれた財は蓄え続けられたのだろう。
実際、展示されていた美しい装飾品の中には、ハプスブルグ家時代に買い込んだものもたくさん見られた。
同時展示していた19世紀、20世紀の彫刻類も素晴らしい。
こちらは現在の王家であるブルボン家が買い集めたものなのであろう。
外に出ると。
あ、晴れてる!
朝はあんなに雨が降ってたのに、キレイな快晴に。
バスの中で余り眠れなかったので、疲れてるものの、次の観光先、プラド美術館へ。
>宗教改革や清教徒革命の影響もあるかと思います。フランスとかスペインは、カトリックの美意識を持ち、
なるほど、確かにその影響もあるかもしれませんね。
言ってみれば、北ヨーロッパでは、宗教でさえ「政権交代」をしたので、教会にかけるお金はそんなに無いわけですが、代々続いているカトリックは基盤(世界の王族とのつながりなど)があるからお金もあり、豪華な建築が可能になるのかもしれません。