なんとなく

日常の思うところを綴っております

最近読んだ本について

2017-03-16 | 日記
三寒四温とはよく言ったものです。
こういった日々の休みの日は炬燵の中で猫のようにまるくなっているか、動画もそろそろ飽きてきた頃だし、本でも読むかとなったりしております。

先日はじめて須賀敦子さんの本を読みました。
おススメされなければ自ら手をのばすことはなかったと思われるこの本は、勧めてくださった方に時代も境遇もよく似ておられました。

小さな文庫本でしたからすぐに読了できるだろうと安易な気持ちで読み始めたものの物事の捉え方も文の書き方もこれまで読んできた本とまるで違っていました。
なんとなく説得されてしまうような論理的な文章ではなくて、ひたすら具体的な事象を取り上げながら直接的な感情表現はほとんどなく、この事象の取り上げ方の中で私の心を読み取ってくださいねといった趣には時間を取られました。

随分長い期間関わりをもってきた方ではありましたが、私はこの人のことを何にも知らなかったんだなと思い知らされました。
遅すぎはしましたが、手遅れにならなくてよかったと、ひとまず安堵すると同時に残された与えられた時間をその方のために使いたいと思わずにはいられないような気持になりました。