聴くネタバレ映画・ドラマと英語日記

~元MC苅田三貴が見た映画やドラマを私情バンバンはさんでご紹介♪

煩わしいほどの絆

2011-07-02 22:06:41 | 邦画ヒューマン
先に市川 崑作品を見ようと思って
ず~っとDVDにおとして寝かせておいた


ようやく先日本家本元を見たので
満を持して山田 洋次監督作品の鑑賞




おとうと



個人的には基になる作品を踏襲しつつ
明るい、未来のあるラストだったので、こっちの方が好き



けれど市川監督が60年に作っていなければ
この作品が生まれていない事を考えると
本家に1つ足しておかなければなりませんね






早くに旦那を亡くし、女手ひとつで
小春(蒼井 優)を育ててきた
高野 吟子(吉永 小百合)


東京の郊外の商店街で高野薬局を営むものの
大手のドラッグストアーの進出などもあり
売り上げは下がる一方で、なんとか暮らしていく日々…


そんな中、お目出度いニュースが

なんと小春が
エリート医師と結婚するというのです


けれど1つだけ心配な事が…


それは"おとうと"丹野 鉄郎(笑福亭 鶴瓶)の存在



彼は幼い頃から吟子の手を煩わせ、
大人になっても何かと問題を起こすのです


案の定、小春の披露宴では泥酔し、
その後も次から次へと迷惑を掛けてきます


ついに優しかった彼女も
堪忍袋の緒が切れて、縁を切るのですが…



"家族"の形が変わり続けている今、
山田 洋次監督
人々にその意味を問いかける10年振りの現代劇です














お~お、やっぱり本家を見てからで正解
しかも解説も聞いたので尚更


力を入れた所が判ります



1番やっぱりなぁと思ったのは
鉄郎が吟子と喧嘩して出ていく時


嫌~な咳をしていたけど
そこは同じように吐くシーンを入れず
アイスクリームで絨毯に染みを付けた。


山田監督も描いたという事実は
改めて重要なシーンだったという意味ですよね


その他にもフライヤーにものっていたピンクの紐や
鍋焼きうどんなどキーワードとなる要素が出てきているので
紛れもなくオマージュ作品


その上で、″リメイク″と明らかに異なるのは
監督ご自身が今の時代に問いかけているからなのかもしれません。




モデルとなった場所があるのには驚きましたが
鉄郎が最後を迎える事になった″みどりのいえ″


本当にあるんですってね。
身寄りのない見ず知らずの人を看取るなんて、
しかもお金儲けじゃないんだから頭が下がります。


この様な″看取り″や″ターミナルケア″などは
まさに現代ならではの問題。


結婚してから″思ってたのと違った″なんて
あっさり帰ってくるあたりも…




とまあ現代風にアレンジしながらも
根底にあるのは
″家族とは何ぞや″という問いかけですよね。


その関係が希薄になってきている感じに
警鐘を鳴らしているのはそうなんでしょうけど
私が面白いと感じたのは
吟子が亡くなった旦那さんのお母さんと暮らしている所


義理のお母さんだから気を遣っているのかと思いきや
結構言いたいことをズバズバ言ってんの


しかも最後は小春が再婚するんだけど
それを義母、吟子、小春の3人で乾杯してた


時代と共に家族の形も変わっていくのは当たり前。
その上で1つの形、
あ、″みどりのいえ″もそうだから2つの形…


いずれにしろ、このラストは
監督ならではの″提案″をしたのかもしれません

そういう意味でも未来が見えて好きだなぁと思ったのです


最初にご自身の代表作「男はつらいよ」など
小ネタも盛り込んだお茶目さも好きです


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