早川書房
2011年7月 初版発行
2011年11月 再版発行
433頁
18世紀ロンドン
外科医ダニエル・バートンの解剖教室
墓あばきから買った屍体の解剖最中に犯罪捜査犯人逮捕係り・通称ボウ・ストリート・ランナーズが来訪
誰かが通報したのか?
埋葬された屍体を「盗む」ことは犯罪なのだ
途中では止められないというダニエルを抑え込み大急ぎで暖炉に屍体を隠す弟子たち
ボウ・ストリート・ランナーズを帰らせ、再び解剖を始めようとした彼らが発見したのはあるはずのない屍体
四肢を切断された少年と顔を潰された男性だった
捜査に乗り出す盲目の治安判事ジョン・フィールディングと助手のアン=シャーリー・モア、ダニエル先生の5人の弟子たちがロンドンの街で起こる連続殺人事件に挑む
田舎から出てきた詩人志望の少年ネイサン・カレンと弟子のうちの二人・ターナーとハートとの友情に加え、ネイサンに関わる新聞社社長、仲買人など胡散臭い大人を登場させて進んでいく物語は、周到に張り巡らされた伏線に拍手を送りたくなる本格推理小説に仕上がっています
そして、そこには人間の優しさ、温かさ、哀しさなども描かれており、ただの推理小説では終わらないところが皆川さんです
タイトルは勿論のこと、登場人物のキャラクターや会話、街の描写、イギリスらしいユーモアも随所に散りばめられており、ロンドン在住の作家が書いたものを日本語に訳した作品のようでした
お見事!
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