N社の経営幹部セミナーにおいて参加者から大企業と中小企業の社員個人の資質の違いを質問された。当社の社員の資質は低いと言いたいのであろうか。
答えられる具体的なデータはないが、感覚的には大企業が勝ると思われる。しかし、これは結果であり、元々は各人の資質に違いはないという私の考えである。結果的に差がついてしまうのは、本人より上司の責任と言いたい。
常識的な読み、書き、そろばんができれば、スタートはみな同じ。違いがでてくるのは、その後、新しいことに挑戦しP(計画)、D(実行)、C(チェック)、A(アクション)を回しながら学習をしているかにかかっている。趣味にしろ何かに秀でている人は、PDCAを回しレベルを上げている。
大企業と中小企業の社員に資質の違いがでてくるのは、このPDCAを回す機会があるかないかにかかっていると思う。決して、本人の能力に違いがあるわけではない。人を預かる上司(管理者)は、部下にPDCAの機会を与え、それを習慣にするよう心して部下育成をしなければならない。
ムゲン経営研究所 中小企業診断士 中小製造業の経営革新 田中 義二
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