気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

外国人の子どもの進路保障2009

2009-01-18 12:10:42 | 多文化共生
昨日は外国をルーツとする子ども(外国籍だけでなく、日本国籍のダブルや中国帰国者などを含む)のための「進学ガイダンス主催者交流会」に6年連続で参加してきた。
今回は、栃木から新しい参加者があり、埼玉、千葉、東京、神奈川、浜松の6都県から30人の参加者が集まり、各地の高校進学ガイダンスの開催状況、学習支援などのフォロー体制、高校進学の現状について、各地域からの報告を元に議論を行った。

昨年も書いたが、外国籍の子どもの高校進学率は約50~60%で、言葉の壁や制度の壁や情報の不足などから、高校に行きたくても行けない子どもたちがたくさんいる。
現在、急増している国際結婚や中国帰国者の呼び寄せ、定住傾向が年々増しているデカセギ日系南米人の子どもたちなど、日本で育ち、日本で暮らす外国をルーツとする子どもや若者が増えているが、彼らの「学ぶ機会」は保障されているとは言いがたい状況にある。

私は「高校の外国人特別枠」の分科会に参加した。ここ6年、特別枠は少しずつ増えてはいるのだが、その一方で定員割れを起こしている県もある。ニーズは増えているのに、なぜ志願者が少ないのか? それは実質的な門前払いがあったり、制度がニーズに応えたものになっていないからで、実質的な外国人枠になっていない!という大きな問題がある。

それらの課題とは、
・外国人枠のある学校・人数自体が少ない(静岡県では20人だけ)
・外国人枠のある学校が、地域的に偏りがある(外国人の多い地区にない)
・外国人枠のある学科が国際科ばかりで、理系に進学しにくい(千葉県)
・受験資格が厳しすぎる(来日3年以内の場合、4年以上は受けられない)
・日本国籍を持つ外国人(ダブル、帰化者)への配慮がない
・学校のレベルが高すぎて、学力や日本語が十分でないと受けられない
・実質的に門前払いがある
・選抜方法が適切でない(日本語ができることが大前提?)
・漢字圏と非漢字圏出身者への配慮がない(外国人枠が実質中国人枠?に)
・定員内不合格がある
・入学後のフォローが少ない 特に日本語

都県によって、制度の内容は違うが、ニーズに即した制度にしていくためには、要望書など政策提言をして行政を動かす必要がある。文部科学省へも毎年、移住連が交渉をしているが、担当者は「なぜ外国人の高校進学率のデータをとる必要があるのか?」ということすら理解していないため、さっぱり議論がかみ合わない。
浜松に帰ったら助成金を申請して、全国交流会を再び開催して突破口を作りたいと思った。

さて、これからパレスチナの映画「レインボー」の上映会に参加してきまーす。