かんたんクッキングEX 

信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」2007~2010年連載。
〔食育エトセトラ……料理の言葉を知ろう〕

掻敷(かいしき)

2009-06-24 | かんたんクッキングEX
                      信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2009. 6/4号掲載>


掻敷は「皆敷」とも書き、食器のなかったころ、木の葉に食べ物を盛ったことにはじまります。
神饌(しんせん)に敷く木の葉や紙も掻敷といわれ、植物を使うものは“青掻敷”ともいいます。
現在は敷物や仕切りとして使用され、日本料理ならではの季節感や趣きを添えています。枝や花、実、刺身のツマも含まれますが、たとえ解毒作用のあるものでも基本的には食べることはしません。また、刺身や焼物には掻敷をつけますが、煮物や蒸し物につけることはありません。
正月は松竹梅。鏡もちの裏白も掻敷です。季節を追っていろいろな植物を使いますが、冬の柑橘をくり抜いた器もそのひとつです。

天ぷらの下に敷く天紙も“紙掻敷”で、油を吸う白い和紙(奉書など)を折って使います。祝儀の膳に出す紙掻敷は裏面を上に置いてから左下を右上に折り、仏事は反対に折ります。葉も仏事は裏にします。

青掻敷での注意は、あじさいの葉のように青酸が含まれている若葉を食べないこと。
6月は「カシワの葉」の季節。おにぎりに敷くだけでも嗜好が変わりますね。


【掻敷十二ヶ月】
春…梅、ツバキ、桜、菜の花、タケノコの皮、新芽、桃の枝、ヤマブキ、青竹の器、ユズリハ、ヒバ、シダ、ウルイ、ワサビ、カエデ

夏…カシワの葉、クマザサ、フジの葉、ショウブ、ヤマボウシ、朝顔、夕顔、ホオズキ、ホオバ、ヤマブキ、若柿の葉、青紅葉

秋…紅葉の葉、トチの葉、クワの葉、菊、キキョウ、ススキ、ナデシコ、フジバカマ、柿の葉、ハギ、栗(葉・いが)

冬…松葉、ウラジロ、ナンテンの葉、カンツバキ、サザンカ、ヒイラギ


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