かんたんクッキングEX 

信濃毎日新聞発行「週刊さくだいら」2007~2010年連載。
〔食育エトセトラ……料理の言葉を知ろう〕

もくじ

2010-10-21 | もくじ

      かんたんクッキングEX  はじめに

【2007年】

観音開き …………… 「鶏肉の山賊揚げ」
手酢    …………… 「マグロの手こねずし」
追いがつお ………… 「七夕そうめん」
照り醤油 …………… 「ウナギのかば焼き」
振り塩  ……………  「ニジマスの塩焼き」
裏ごし  ……………  「カボチャプリン」
湯むき  ……………  「トマトソース」
油抜き  ……………  「三角いなりずし」
割り下  ……………  「関東風すき焼き」
さし水  ……………  「黒豆の煮物」
生酢をとる…………… 「水炊き」
菊花切り …………… 「菊花の甘酢漬」
白髪にする ………… 「豚角煮の白髪ねぎ添え」
ディップ  ……………  「ディップ3種」
面取り  ……………  「カボチャのいとこ煮」


【2008年】

三つ肴  …………… 「数の子」「黒豆」「ごまめ」「たたきごぼう」  
淡雪   …………… 「淡雪かん」  
ソフリット …………… 「簡単カレー鍋」  
湯煎   …………… 「かんたんチョコデップ」
マリネ  …………… 「キノコのマリネ」
アク抜き  ……………「変わりタケノコごはん」
寝かす  …………… 「野菜クッキー」
鉄砲あえ  ……………「ウルイとホタルイカの鉄砲あえ」
カラメル  …………… 「サツマイモプリン」
佃煮    …………… 「小女子の佃煮」 
血抜き   …………… 「和風ホタテサラダ」
酒いり   …………… 「鶏レバーのみそ煮」
吸い口   …………… 「ミョウガのお吸い物」
麹をおこす …………… 「黒豆入りおなっとう」
すが入る  …………… 「冷し茶わん蒸し」
切り違い  …………… 「キューリのオードブル」
利久煮    …………… 「シシトウとナスの利久煮」
油通し    …………… 「ゴーヤー麻婆春雨」
袱紗     …………… 「貝の袱紗汁」
筒切り    …………… 「サンマの梅酒煮」
アク抜き(秋の味覚)………「栗入り茶巾しぼり」
しんじょ    …………… 「秋色しんじょ」
ブーケガル二  ………… 「ポトフ」
のっぺい    …………… 「のっぺい汁」
メレンゲ    …………… 「米粉のシフォンケーキ」


【2009年】

松風       …………… 「松風焼き」
きんぴら     …………… 「レンコンのきんぴら」
桂剥き(かつらむき)…………「ダイコンの三色甘酢漬け」
物相       …………… 「春の物相ごはん」
戻す       …………… 「ズイキ(イモガラ)」
霙(みぞれ)   …………… 「みぞれ揚げ」
塩蒸し     ……………  「海鮮せいろ蒸し」 
松花堂      ……………  「松花堂弁当」
醍醐味(だいごみ) ……………「手づくりカッテージチーズ」
鍋肌    …………… 「キムチチャーハン」
骨抜き    …………… 「アジの香り揚げ」
掻敷(かいしき)  …………… 「掻敷十二ヶ月」
シャトー    …………… 「ニンジンのグラッセ」
蛇腹切り    …………… 「キュウリのピリ辛漬け」
薬味     …………… 「薬味の種類と効果」「薬味の機能性」
水菓子     …………… 「天の川涼味」
塩抜き   …………… 「福神漬け」
鴫(しぎ)焼き   …………… 「ナスの変わり鴫焼き」
有馬   …………… 「サンマの有馬煮」
乾煎(からい)り  …………… 「手づくりふりかけ」
つくね  …………… 「ちゃんこなべ」
揚げ煮  …………… 「大豆とじゃこの揚げ煮」
そぎ切り  …………… 「水炊き」
吹き寄せ  …………… 「吹き寄せ豆腐」
治部煮  …………… 「鶏肉と麩(ふ)の治部煮」


【2010年】
浸水       …………… 「七草かゆ」
うま煮      …………… 「寒鯉のうま煮」
ホイップ    …………… 「ガナッシュケーキ」 
しょうゆ洗い …………… 「ホウレンソウの浸しあえ」
つや寒天   …………… 「即席豆かのこ」
茶巾      …………… 「茶巾ずし」
カスタード   …………… 「洋ナシのクラフティ」
土佐煮     …………… 「タケノコの土佐煮」
かやく     …………… 「かやくご飯」
青煮      …………… 「フキの青煮」
千六本     …………… 「千六本サラダ」
水にさらす   …………… 「ポテトチップ」
つま      …………… 「つま」「けん」「敷きづま」「辛味」
奴(やっこ)  …………… 「やたら冷やっこ」
蒲焼き     …………… 「うな卵ぶっかけうどん」
ところてん   …………… 「ところてんサラダ」
半ずり     …………… 「キュウリの冷や汁」
ぬた      …………… 「ワケギと貝のぬた」
茶せん切り  …………… 「揚げナス」
霜降り     …………… 「魚のあら煮」
八方だし    …………… 「うどんすき」
時雨(しぐれ)煮 …………… 「牛肉のしぐれ煮」
   
 

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時雨(しぐれ)煮

2010-10-21 | かんたんクッキングEX
                     信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2010. 10/21号掲載>


ひと雨ごとに秋が深まり、時雨(しぐれ)の季節になりました。
一時的に降ったり止んだりする雨や雪のことを時雨といい、「春時雨」「秋時雨」「雪時雨」など,
それぞれの季節で俳句の季語にもなっています。

江戸時代の中期に、三重県桑名市特産のハマグリの佃煮に「時雨蛤(はまぐり)」と名づけたのが、松尾芭蕉の高弟、各務支考(かがみしこう)とか。
時雨煮は、日本ならではの風情あることばを料理名にしたもので、その後、貝などの魚介や牛肉をショウガなどの風味で軟らかく味付けしたものを指しています。

また、「口の中にさまざまな味わいが通り過ぎること」「調理が短時間で仕上げられていること」も時雨の語源に結び付けられています。

ふと自然の変化を気づかせる時雨。料理名には、自然とともに暮らしてきた日本人の心があらわれています。
これらの言葉を知り、自然の恵みをいただくことへ感謝の想いも改めて見直したいものですね。



【牛肉のしぐれ煮】
①牛肉(200g)を細切りにし、ゴボウ(適宜)をささがきにする。

②鍋で酒(大さじ3)を熱し、①とおろしショウガを入れて少し火を通す。

③②に砂糖(大さじ1)、しょうゆ(大さじ3)、みりん(大さじ1)を加えて水分がなくなるまでいりつける。




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八方だし

2010-10-21 | かんたんクッキングEX
                     信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2010. 10/14号掲載>


あらゆる方向を東西南北で「四方」、さらに南東・南西などの四隅を入れて、ありとあらゆる方向のことを「八方」といいます。
基本のつゆとして知られる「八方だし」は、何にでも使えるだしとしてその名が付けられました。

料理の味付けが上手くできないという初心者でも、このだしがあれば基本の和食はおまかせ。
八方だしの濃さを変えれば、めんつゆ、天つゆ、煮物、丼物などの味のベースになります。

基本の割合は、しょうゆ対みりんが1対1。しょうゆは薄口、濃い口好みで。
上品な味付けには薄口、こってり仕上げたい料理は濃い口やたまりじょうゆを混ぜます。料理によっ
て、砂糖や塩を好みで足します。

みりんとしょうゆを煮立ててアルコールをとばしてから、だし汁を加えるのがポイント。
だしの水分を減らし、濃い味にして保存し、市販のめんつゆ同様に使います。
かつお節などのだしが望ましいですが、長期保存したいときは化学調味料を使います。



 
【うどんすき】
①白菜は細切り、ホウレンソウ、キノコは食べやすく切る。

②ゴボウはささがきで水にさらし、油揚げは熱湯で油を取って食べやすく切る。

③冷凍うどんを湯通ししておく。

④しょうゆ・みりん・だし汁(1対1対8)の割合で、一人250~300ccのだし汁になるように
鍋を用意し、材料を入れて煮込む。 


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霜降り

2010-10-21 | かんたんクッキングEX
                     信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2010. 9/30号掲載>

「霜降り」とは文字通り、白く霜が降ったような状態。
肉では脂肪の入りの霜降り状態を指しますが、調理では、肉や魚に熱湯をかけることで、表面が白くなったことです。

霜降りにする目的は、夏の生食の際の寄生虫や雑菌の死滅させることや、煮魚にする際の生臭み取りのためです。

さらに表現を分けると、熱湯を通すことを「湯引き」「湯霜」、表面を軽く焼くことを「焼き霜」と
もいいます。タイなどの硬い皮の魚の刺身は、皮の面に熱湯をかける「皮霜」を行うと、歯切れが
よくなります。

新米がおいしい季節になると、脂の乗ったブリやサバなどの煮魚が格別の味。
一味おいしく仕上げるコツは、熱湯をかけて冷水で洗い、生臭みをとる下ごしらえにあります。 



【魚のあら煮】
①魚の切り身をザルにのせ、熱湯をかけて冷水で洗い、血合いやうろこを取り除く。

②平鍋に①を入れるとヒタヒタに浸るくらいの水と酒、みりんを沸してから、魚を入れる。(煮崩れを防げる)。

③②にしょうゆ(と砂糖)で濃い目の味をつけ、ダイコン、ゴボウなど好みの野菜と組み合わせて落しぶたをして煮含める。
 
※水・酒・みりん・しょうゆ・(砂糖)の割合は、4対4対1対1(対適宜)     




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茶せん切り

2010-10-21 | かんたんクッキングEX
                     信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2010. 9/23号掲載>

秋ナスの季節。
ナスは体の熱をとる夏野菜ですから、夏は暑気払いの効果があります。
しかし、肉質が緻密になって濃厚になる秋は、「秋ナスは嫁に食わすな」といわれ、おいしさは格別ですが体を冷やさないようにという、食べすぎを注意することわざがあります。

秋は小ナスがおいしく、辛子漬けに使われるものが「小丸ナス」。「ひと口ナス」は茶せん切りにして揚げたり、煮たりするため、「茶せんナス」とも呼ばれます。

この茶せん切りは、ナス独特の切り方でおなじみ。ナスの上下を残して周囲に縦の切れ目を入れて火を通すことで、短時間に火が通り、味がしみます。
茶せんのように立てたり、横にしてねじって器に盛ると、きれいです。 
家庭菜園のナスでも、小さなナスを茶せん切りにすると、おしゃれな一品になりますね。





【揚げナス】
①ナスはガクの部分をぐるりと切り込みを入れて落とし、ヘタだけ残す。

②①を茶せん切りにし、水分を取る。

③新鮮な油を熱し、素揚げにして油を切り、器に盛って大根おろしを添える。

※冷たくしためんつゆに浸して、冷製煮浸しにしても美味。



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ぬた

2010-10-21 | かんたんクッキングEX
                     信濃毎日新聞社「週刊さくだいら」                   
                        <2010. 9/2号掲載>

野菜と魚介などの酢みそあえのことを「ぬた」といい、貝とワケギの組み合わせがおなじみ。
ぬたとは「沼田」のことを指し、みそのあえ衣をどろどろとした田んぼの土に例えて呼ばれたようです。

残暑にぴったりなのは、からし酢みそあえ。
からしの香味成分と酢の爽やかさが食欲増進になり、夏バテ回復に役立つはし休めの一品です。

酢みそに加える和からしは、からし種子の粉を練ったもの。
種子に含まれるシニグリンという成分が酵素の働きでアリルイソチオシアネート(アリルからし油)となり、胃液の分泌を促したり、細菌の増殖を抑制する効果があります。

市販の練りからしが手軽ですが、辛味成分のアリルイソチオシアネートは揮発性の物質で、時間とともに辛味が弱くなります。
本格派はからし粉を使い、しかも希少な国産の福井県産「地がらし」で特上のぬたに腕を振るってみましょう。

練りからしのポイント
湯飲みなどを使ってぬるま湯でからし粉を練り、伏せて置くことで密閉保温すると、5分くらいで辛味が出てくる。
レモン・酢・ワインなどで酸性にすると辛味が長持ち。



【ワケギと貝のぬた】
①ワケギ(青ネギ)をサッと火に通し、冷風で冷まして食べやすく切る。

②アサリは酒蒸しして殻からはずす。(アオヤギ、ホタテ貝柱などでも)

③酢・みそ・砂糖(2対1対1の割合)に練りからし少々(1/6の割合)を加えてあえ衣を作り、
食べる直前に①②をあえる。



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