イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

加太沖釣行

2022年11月03日 | 2022釣り
場所:加太沖
条件:長潮 6:46満潮
潮流:4:07転流 8:04下り2.0ノット最強 11:11転流
釣果:ハマチ3匹 真鯛2匹 カワハギ4匹

今日は安息日にするつもりだったのだが、天気予報を見てみるとすこぶる天気がよい。これはやっぱり釣りに行くべきだろうと急遽出港を決めた。
家を出る1時間前に起きればいいものを、なぜだか午前2時過ぎに目を覚ましてしまったがいまから二度寝するとこんどは寝過ごしてしまいそうなので仕方なく布団から這い出してメールのチェックなどをして時間を過ごす。ちょっと早いかと思ったが港へ向かう。
午前5時半を過ぎればそれなりに明るくなってくるかと思ったがどんどん夜明けが遅くなっていて出港した時は真っ暗で、辺りが明るくなってきたのは住金一文字を越えたぐらいからだった。



雲はなく、空気も澄んでいるので夜明けはきれいだ。このグラデーションを見るだけでも早起きの価値はある。



この無限大の色のバリエーションに古代の人が神を見たといっても不思議ではないように思えてくる。

風はなさそうなのでカワハギも狙いたいと考えているのだが、その前にアジを狙いたい。午前中は下り潮なので田倉崎の近辺では真鯛は厳しいだろうというのと、奥さんからは今度はアジを釣って来いという指示もあったのだ。

下りの潮だとやっぱり帝国軍はこの辺にはいない。どこにいるのかと周りを見渡すとコイヅキに集まっている。やっぱりあそこかと思うのだが、あれだけ帝国軍が集まっていると前回の釣行時のこともあり躊躇する。それにカワハギポイントに移動することを考えると田倉崎の周辺にいるほうがよい。
船を進めながら魚探の反応を見ているとポロポロと反応が出ている。ほかには船がいないが、どこかに腰を据えるとしても仕掛けを仕掛け巻きから引きだしておかなければならないのでとりあえず仕掛けを下してみた。
そしてすぐにアタリ。これは大きい。おそらく青物だ。ドラグは滑り、どんどん道糸が出てゆく。しかし、今日の仕掛けは5号で作っている。また、周囲には船がいないのでゆっくり落ち着いて魚とやり取りができる。
5分以上やりとりをしていただろうか、魚のほうも体力を使い切ったかゆっくり浮かび上がってきた魚はメジロクラスのハマチだ。これをチャンスに一気にタモに入れてボウズを回避。



大物がかかる確率が高い上の方の鉤は一番手大きな鉤にしている。それが功を奏したか、鉤が伸び切る前に取り込むことができたのだ。
実際、魚も相当体力を使ったか、生簀の中でひっくり返ったまま動かない。これはもう、締めるしかないが、魚が大きすぎてクーラーボックスには入らなさそうだ。もったいないが頭を落としてなんとかクーラーボックスに収める。



同じような場所を流していると今度もひったくるようなアタリ。また青物かと思ったら真鯛であった。真鯛は真鯛でうれしいが、今日はアジを釣りたいのだ・・。

しばらくアタリがなく、そうこうしているうちに大和堆ポイントに船が集まりはじめた。僕も今日の候補ポイントとしてここに行こうと思っていたのだが、ここよりもほんのわずか港から遠いのでもっと手前で釣れればいいやと思って朝一ここには入らなかったのだ。
急いで移動して海底の山の頂上の少し北側からスタート。



近くの船ではサゴシを上げている。ここにも魚はいるようだ。期待を込めて海底をまさぐっていると、これは間違いないというアジのアタリ。しかし、喰いつきが悪いか、すぐにバレてしまった。貴重なアタリを逃して落胆していると再びアタリ。これはアジっぽくない引きだ。上がってきたのはまたしても真鯛。
う~ん、今日の僕にとっては真鯛は外道なのだ・・・。

潮流が最強時刻を迎える前にカワハギポイントに移動したいと考えていたので、午前7時過ぎに移動。
今日は潮が緩いので最強時刻くらいに入っておかないと釣りにならないと思っていたが、帝国軍軍港前は海底に大きな溝があるせいかかなりの速さだ。



しかし、底潮はあまり動いていないようで東を向いて右舷に座っている状態では仕掛けが船の下にもぐってしまう。そそてアタリは頻繁にあるのだが、この釣りの極意はどれだけ魚に違和感を与えずに餌を咥え続けさせられるかということだ。しかし、この状態では仕掛けが引かれすぎる。何度もエサを取られ、ようやく左舷から竿を出せばいいのだということに気づいて1匹を釣り上げた。
せっかくカワハギは釣れたものの、噂通り型は小さい。その後も釣れても型が小さいか、やっぱり外道の真鯛の子供だ。僕はこんなに小さいカワハギを釣るためにここにいるのではないと言いたくなってくる。2匹でいいので尺近いのが欲しいのだ。
アタリが多い分、エサの消耗は激しく1時間余りで500円のエサを使い切ってしまった。

その間、魚探には真鯛らしい反応がたくさん出ていたのでここからは高仕掛けに変更。
そして、強烈なアタリが出た。今度も青物だ。高仕掛けのハリスは3.5号。しかもここは帝国軍の牙城。目の前に帝国軍が迫っている。その船は船名の記憶を辿るかぎり前回の釣行で対峙した船のようだ。今日はなぜだかおとなしいがいつ牙をむいてくるかもわからない。あまり時間をかけてやり取りをしている場合ではないので仕掛けを切られるかもしれないが強引に道糸を巻きあげる。幸いにして朝一の魚よりも少し小さい分引きが弱かったか、これも取り込むことができた。



続いて小ぶりのハマチ。2匹の大きなハマチと真鯛が2匹、それに小さいながら3匹目のハマチが加わると僕の小さなクーラーボックスは満タンになってしまう。これ以上釣っても持って帰れなくなると思い、転流前に終了。
潮はまだ流れを保っていたので釣りを続ければもっと釣れたのだと思う。
今日はなかなかよい日であった。安息日を破って正解だった。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「佐藤優の地政学入門 (働く君に伝えたい「本物の教養」)」読了

2022年11月02日 | 2022読書
佐藤優/監修 「佐藤優の地政学入門 (働く君に伝えたい「本物の教養」)」読了

地政学の本をもう一冊読んでみた。というか、この本を最初に読もうと思っていたのだがけっこう予約が多くてやっと順番が回ってきた。

最も知りたかった、紛争や領土問題が起こっているそれぞれの場所で、なぜその問題が起こっているのかということが地域ごとに説明されているのがいいのだ。
ただ、イラスト付きで見開き2ページで説明されているのであまりにも簡単すぎる。まあ、僕でも知っている内容が大半だったのだが、改めてああ、そうだったのかと知らされるものあった。
佐藤優というと、一時、世間を騒がせたひとではあるが、実力のある人はそんな逆境にもめげず何冊もベストセラーを出すというのはすごい。世間の人は何をどの程度知りたがっているのかといことをよく知っているようだ。きっとマーケティングの能力にも優れているのだろう。名は体を表すか・・。

地政学という言葉は、ナチスドイツが他国への侵略の正当性を担保するための論理であったというのは前のブログに書いたが、これはルドルフ・チェーレンの「国家有機体説」という考えが元になっているそうだ。『生命である国家は、生命の維持に必要な(エネルギー資源)を獲得しなければならない。』だから、『国家が、その国力に応じた資源を得るため領土(生存圏)を獲得しようとするのは当然の権利である』という考えとして発展させたのがドイツの元軍人であったカール・ハウスホーファーであったのであるが、まあ、なんとも身勝手な考え方だ。この人の教え子であったのが、後にナチスの副総裁であったルドルフ・ヘスでヒトラーとつながってゆく。
現代の地政学はこういった考え方とはまったく異なる論理で構築されているようである。

新しい時代の地政学は、イギリスの地理学者、ハルフォード・マッキンダーによって拓かれた。世界中の国家をランドパワー国家とシーパワー国家という区分に分けることから始まる。アメリカの軍人、アルフレッド・マハンが提唱する、「世界島」という考えがあって、これは、ユーラシア大陸とアフリカ大陸を合わせた地域を指し、その地域を、「ハートランド」と「沿岸地域」にわけて世界を考えるのだが、それをさらに発展させたのが「ランドパワー国家とシーパワー国家」というものだった。地政学とは、軍人と地理学者が共同で作り上げたもののようで、やはり、政治学や経済学との関連というよりもほぼ安全保障に関係する学問である。
マッキンダーの考えはその意味のとおり、ランドパワー国家は内陸のハートランドに位置する国家、シーパワー国家は海岸線を持つ国家である。ランドパワー国家は陸続きで他国と接しているため、侵略したりされたりという歴史を持つので国土を守るための強力な陸軍を持つ必要に迫られる。一方、シーパワー国家にはそういった歴史が少なく、土地の支配よりも交易によって得た利益を守ろうという傾向が強いという傾向がある。そして、両国家群は、宿命的に対立する性質があり、両社は実際に歴史的に戦争や紛争を繰り返してきた。
そして、その争いの舞台になったのがリムランド(周辺地帯)と言われる地域だ。温暖湿潤で人口と産業を支える国が集中しているので、『リムランドを制するものがユーラシアを制し、ユーラシアを制する者が世界を制する。』と言われているそうだ。そして、そのための重要なキーが「マージナルシー」という沿海地域である。南シナ海、東シナ海、日本海、オホーツク海、ベーリング海である。なるほど、確かにきな臭い海域であるのは確かだ。だから世界はこの地域でしのぎを削りあっているのである。

この本を読んでいると、現在の世界各地の混迷の元凶というのはきっとイギリスとアメリカなのじゃないかと思えてくる。
アメリカについては、オバマ大統領が、「アメリカは世界の警察官」ではないという宣言をしてしまって中東から手を引いたことがテロ組織のチャンスとなってISやタリバンが勢力を拡大し、2014年のロシアのクリミア併合もアメリカの弱腰が原因だと言われているそうだ。まあ、これはほかの国におせっかいを焼いている場合ではないという国内事情もあるのだろうから外野が文句をいうというのも筋違いと言われればそうなのだが、イギリスはもっとひどい。インドとパキスタン、イスラエルとパレスチナなど、現在も係争が続いているのは無責任な植民地政策とその失敗が今も尾を引いているというしかない。
そこで不思議に思うのだが、日本で暮らしているかぎり、イギリスがこういった過去の蛮行に対して非難を浴びているなどという話を聞いたことがない。むしろ、女王が亡くなったといって世界中が哀悼の意を示すし、そもそも、旧の植民地の一部は今でもイギリス連邦の一員として英国王室を崇拝しているのである。
それに対して、日本はどうだろう。中国と韓国だけかもしれないが、戦時中の様々な行為に対していまだに様々な非難を浴びている。
この違いは一体何なのだろうかとこの本を読みながら考えたのだが、これはきっと戦争に勝ったか負けたか、たったそれだけのことではないのだろうかと思い至った。勝ったイギリスは過去にどんなひどいことをしていていても誰も文句は言われない。日本は経済でどれだけ勝ち組になってもやはり戦いでは負けたのだから永遠に“悪”というレッテルを貼られたままになるのだろう。軍隊を持っていないというのも他国からなめられる原因でもあるのだろうが、これも戦争に負けたから軍隊を持てないのだと言えないこともない。

じゃあ、お前は徴兵に喜んで応じるほど愛国心があるのかと言われればそんなかけらもないのであるが、そういうことは別にしてやっぱりちょっと悔しい。

米ソの冷戦というのは遠い昔で、現在はロシアの横暴と中国の傍若無人ぶりというのが世界中の注目になっている。ロシアは脅威だといいながら、経済規模ではアメリカの10分の1もないくらいらしく、結局は核さえ封じ込めることができれば敵ではないようだ。中国は7割程度しかないとはいっても、この30年間ほどでここまでのし上がってきたというのはものすごいことだし、共産主義国はそのリソースを集中しようと思うところにいくらでも集中できるという強みがあるということを考えると、そんなに遠くない時期に世界の覇権を握るのはきっと中国なのだろうなとこういった本を読まなくてもなんとなく想像できてしまう。
「リムランドを制するものが・・・」という考え方の前には、『ハートランドを制するものが世界を制する。』という考え方が主流で、ナチスが利用した地政学が否定されたのちの新しい地政学の最初の主張であったのだが、そのハートランドの一部はまさに中国そのものだ。
様々な地政学の考えが生まれては時勢に合わせて新しい地政学に取り替わっていくのだろうが、結局、一番はじめの考えに収束していくようである。(僕の根拠のない考えなのではあるが・・)
しかし、がん細胞もそうであるが、急激に増殖するものというのはなにかと厄介で問題を引き起こす。世界情勢など僕の生活には全く無関係のはずなのだが、小さな、しかし意外と大きな部分で僕を悩ませている。
それはウイスキー問題だ。ジャパニーズウイスキーというのは最近人気があるらしく、なかなか手に入りにくくなってしまった。僕は「竹鶴」というウイスキーをちびりちびりと飲むのを楽しみにしているのだが、最近はプレミアムがついてしまって定価の倍くらいの値段で取引をされているらしい。これはもう、僕には手が届かないところまで行ってしまったということだ。
いつもとんかつソースを買う問屋さんにこのウイスキーが置いてあるのを見たので、問屋さんなら定価で売ってくれるのかもしれないと思い、聞いてみると、これはプレミアムがついているので売ることはできないというつれない返事が返ってきた。これで僕は一生竹鶴を飲むことができなくなってしまった・・。



これが最後の竹鶴だ・・。

「マッサン」の影響もあるのだろうが、これはきっと中国人がこういうものを日本で買いあさっているからに違いないのだ。
よい言葉遣いではないのだろうが、成金はお金に任せてなんでも自分のものにしようとする。負け犬の遠吠えでしかないのであるが、品のない奴はできるだけ早く退場してくれと強く言いたいのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする