救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ーUnitedー for the Patient and Us ー

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共有注意事項 ワクチン接種で注意すること

2021年05月10日 20時28分11秒 | COVID-19の集中治療

共有事項 新型コロナウイルスのワクチン接種の注意事項

名古屋大学大学院医学系研究科

救急・集中治療医学分野

教授 松田直之

ワクチンの現状の把握

 現在,新型コロナウイルス対策としてワクチン接種が開始されましたが,皆が知っておくべきこと,前向きに報道しなければならないことがあります。個人でも,厳格に注意していただくのですが,ご老人の接種,いくつかの問題発生に注意です。以下の危険が生じないように,周囲で気をつける,未然の対応が大切です。医療事故に,十分に気をつけて対応していくことが大切です。

内容1.ワクチン接種スケジュール(薬機法)が守られない危険性

 ファイザー社のワクチン(コミナティ筋注)は,現在,3週間を目安に2回の摂取となっています。しかし,ご高齢においては,この約束が守られないケースが散見されています。理由は,前回接種の記録をご本人がなくしてしまったこと,2回目の接種で記録書の持参を忘れたこと,ワクチン接種記録システムを守るために対応者がワクチン接種を延期することです。記録書類などを忘れたご老人の2回目の接種が,予定の1日後などの速やかではなく,5週間目になってしまう事例が散見されます。ワクチン薬剤の不適切使用の範疇になります。私たちや市町村は,都道府県や国と連携して,ワクチン接種スケジュールを厳守し,このような高齢者の問題事例を改善することが必要です。

  用法及び用法:日局生理食塩液1.8mLにて希釈し,1回0.3mLを合計2回,通常,3 週間の間隔で筋肉内に接種する。

  接種間隔:1回目の接種から3週間を超えた場合には,できる限り速やかに2回目の接種を実施すること。

内容2.ワクチン混合接種の危険性

 ファイザー社に続いて,モデルナ社のワクチンが特例承認され,2021年5月中旬により接種開始となります。この初期は接種会場を変えて対応することになりますが,後に様々な場所で様々な会社のワクチンが摂取される危険に事前的注意が必要です。さらに,アンジェス社などのDNAワクチンなどを摂取できるようになると,ワクチン2回目などの重複接種に十分に注意しなければなりません。「ファイザー社」の2回めの接種に間違って「モデルナ社」を摂取した場合など,アナフィラキシーや免疫異常などを含めて,どのような事態になるかの短期的かつ長期的な予想が付きません。ファイザー社もモデルナ社も,また海外のワクチンを独自に摂取したなどという多種のワクチンの「混合接種」を回避する必要があります。種類の異なる,製造元の異なるワクチンの混合接種には,要注意です。このような医療事故については,細かな確認を取れない高齢者などの接種で,厳格に注意する必要があります。接種記録表を担当者が重視し,接種記録表や使用するワクチンの種類については2名以上で「目視」だけではなく,「声出し」での確認とし,厳格に対応します。しかし,「接種記録表」を自宅に忘れた等の場合にも,その日の対応として頂き,2回目の接種を遅らせない工夫が必要です。報道でも,アラートすることが大切な内容です。

内容3.ワクチン接種後の活動の危険性

 ワクチンを摂取したことにより,行動を拡大してしまう方がいます。本ウイルスは,ワクチンにより症状出現が抑えられていても,不顕性感染として気道などに存在している可能性があります。個人差があると思いますが。ワクチン接種後に無症状であってもスーパースプレッダーとして,感染播種に関連した可能性なども知られています。こういう事例は,今後,日本でも皆で確認していくことが大切です。ワクチン接種後の行動拡大の是非については,論文や,しっかりと報道で繰り返して討議していくことが期待されます。知識の提供により,自らで深く考えていただく,このシステムが期待されます。

内容4.熱中症

 ワクチン接種後の熱中症に気をつけて下さい。ワクチン接種とは別に,毎年,5月から9月まで,熱中症に注意が必要です。現在,多くの急性期病院が満床状態となっており,これを「医療崩壊」と呼んでいます。心肺停止,意識障害,そして重度熱中症などの受け入れが,これまで以上に断られ始めています。ご自身が熱中症にならないように気をつけるとともに,特にご高齢者の熱中症には,ご家族や周囲の皆さんが気をつけてあげて下さい。本年は,熱中症患者さんを受け入れる病院システムが壊れ,都市部の救命救急センターや国公立大学病院に完備できていません。ここを,病院長や救急科指導医が指導していくことが必要です。

内容5.上腕筋注手技の改善と徹底

 より適切な筋注の手技を開発していく時期にあります。より完成された筋注手技を提供していくことが大切です。注射用シリンジの持ち方は,手技としてとても大切です。テレビを見る限りでは,「針刺し事故」に十分に注意した「適切な注射法」を指導する必要があります。技術を洗練させる方法の教授が大切です。

 

今後も,情報共有とします。

初版:2021年5月10日(内容1,2,3)

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