救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

HP「救急一直線〜Happy保存の法則〜」は,2002年に開始され,現在はブログとして継続されています。

お知らせ 世界敗血症デー2024 KYOTO

2024年07月01日 23時15分30秒 | お知らせ 講演会・セミナー

世界敗血症デー2024 KYOTO

 

Global Sepsis Alliance 理事

WSD Kyoto 2024 プロデューサー

松田直之

専門領域:救急診療,集中治療,麻酔科学,感染症学,薬理学

予告編  World Sepsis Day 2024. 09. 08  Kyoto

2024年4月より,「5疾病6事業」が厚生労働省の第8次医療計画として開始されました。これまでの2024年3月までも,第7次医療計画として,適切に管理するべき「5疾病」,つまり 1)がん,2)脳卒中,3)急性心筋梗塞,4)糖尿病,5)精神疾患,この診断と治療を充実させていくことが目標とされていました。一方,医療事業としては,私の専門領域である「救急医療」は極めて重要な役割を担っています。1)救急医療,2)災害医療,3)へき地診療(tele-medicineの応用の可能性),4)周産期医療,5)小児医療(小児救急医療を含む)が,2024年3月までの第7次医療計画における5事業でしたが,これらに加えて,6)新興感染症等の感染拡大時における医療が6事業目に加わりました。2030年に向けた,より充実した人材育成,仕組み形成,そして管理指針が「救急医療」に期待されます。

 救急外来には,多くの感染症患者さんが救急車で搬入されてきます。この特徴は,1)緊急性回避,2)分散搬送です。緊急性回避は,死に直結する緊急事態ではない状態にして改善させてしまうことです。分散搬送は,緊急性のある複数の患者さんを救命救急センターに分散して搬送し,一箇所に抱え込ませないようにする仕組みです。このような救急搬送の中には,がんの急性増悪として感染症が関与している場合もあります。また,がんの脳転移や出血もあります。一方,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のように,糖尿病は感染症に罹患した後に,敗血症として重篤化しやすく,臓器障害を進行させてしまうことに注意が必要な疾患です。5疾病として挙げられた1)がん,2)脳卒中,3)急性心筋梗塞,4)糖尿病,5)精神疾患,そして,4つの事業である災害医療,へき地医療,周産期医療,小児医療の全てにおいて,「救急医療」と「感染管理事業」は深い根底から関与します。「acute on chronic」と私たちは呼んでいますが,急に悪くなる「急変」,「慢性的疾患の急性増悪」にも丁寧に対応するのが「救急医療」であり,この学問が「救急医学」です。ここに,感染症,出血,脳卒中や心不全などが複合的要因として関与してきます。何かある時に,これまでの状態のセカンドアタックとして,これまでの病気を修飾した形で,「新たな病態の表現型」が作られていきます。

 敗血症,これは感染症における「臓器障害の進展」という致命的かつ重篤な表現型です。「敗血症(Sepsis:セプシス)」は,微生物の繁殖過程での感染症として,心機能,血管機能,腎機能,脳などのすべての臓器の機能が低下していく病的状態(病態)です。現在,多くの医師が,敗血症の治療に当たるようになりました。私たちは,「敗血症」という言葉を用いて,本邦では「5疾病6事業」をより良く成功させようとしています。一方,Global Sepsis Alliance(GSA)は,世界の感染症および敗血症の専門家により結成され,発展途上国を含めて,世界各国で「敗血症」という病名の認知度を高め,感染症による「防ぐことのできる死亡」や「急変」を防ごうとしています。GSAは2012年より,9月13日を世界敗血症デー(world sepsis day:WSD)と定め,既に私も12年にわたり,この説明と活動を展開して参りました。本年も,2024年9月13日の世界敗血症デー(World Sepsis Day:WSD)が開催されます。本年も,世界敗血症デーに向けて,各国の活動が広く期待されています。

 Global Sepsis Alliance(GSA)は,世界敗血症デー 9/13の日本での活動として,「世界敗血症デー2024 KYOTO」を企画しました。京都駅は,1日に35万人の通行があります。この京都駅を用いた「世界敗血症デー2024 KYOTO」を9月8日(日)に,京都駅室町小路広場で開催します。皆さんのご参集を,心よりお待ち申し上げます。

 

内容

1.世界敗血症デー2024 KYOTO

 2024年9月8日(日) 15:00-20:00  

 

 1)敗血症講演 ショートレクチャー 10コース YouYube配信

 2)オペラ 北里柴三郎物語「ドンネルの夢」簡易版 18:30-19:30(予定)

 

2.CBCラジオ きくラジオ

 感染症スペシャル「北里柴三郎と感染症」 

 1)コッホの4原則:北里柴三郎先生とコッホ先生の功績

 2)嫌気性培養:破傷風と救急医療

 3)ペストに関するエピソード

 4)人食いバクテリアの診断と治療

 5)夏風邪に気をつけよう

3.その他:企画中


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執筆紹介 麻酔科学と救急医学 ー場の成長と発展のためにー 救急医療 人道の道 JAPAN and the World

2024年06月06日 00時06分18秒 |  ひまわり日記

救急医療,麻酔科学,集中治療医学,感染症学,そして医療全般のプロフェッショナルにおいて,患者さんの利益が高くなるように最善の医療を提供するための工夫は多様である。医の最善を工夫する際に,その立ち位置が変わると視野も変わる。正の方向,あるいは未来方向からとらえる視点と視野,一方で,負の方向,あるいは過去から現在をとらえる視点と視野がある。また,良いものを与えようとする工夫の一方で,悪いものを与えないように工夫しようとする姿勢もある。こうした姿勢が,私たちの潜在意識の中で癖となってしまっているとき,私たちは自由な拡大性や包容性をなくし,討議する機会を失い,恐れや憎しみが蔓延する。

 自身が絶えず成長するためには,常に自身の癖を理性的に自省し,自身をその癖から開放しようとする「心」が大切である。プロフェッショナルとしては,未来方向から現在をかえりみて,最高の利益を現在に与えられるようにプログラムする「成功予測のプロ」,過去方向から現在をみて,不利益を過去の結果から未然に防ぐようにプログラムする「失敗予測のプロ」,このどちらの考えも取り込めるとよい。そのような中,時にプロフェッショナルは,提供した最善の工夫により社会の中で弾圧されることがある。

 この企画は,皆さんが仕事の過程で傷つけられたり,悩んだりしたときの自省について考えるためのものである。私たちがプロフェッショナルとして必要と感じるものは,社会にも必要なことである。抵抗にあってもあきらめずに伝え続けることは,プロフェッショナルに,そして私たち皆の「生きる基本」となる。発信する私たちは,一方で反応する私たちでもあり,生じた事象に対する洞察や思索を繰り返し,アサーティブ・コミュニケーションを通して自身や社会を成長させる努力が大切なのである。

 夢をあきらめない,その夢は自分の夢ではなく,「みな/everything」,そして「社会の夢」である。そして,我々は成長する。「成長は包容と許容と拡大である」,このような人道の「オペラ Opera」が日本で誕生し,世界初演として企画された。

Global Sepsis Alliance  Naoyuki Matsuda MD, PhD


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救急・集中治療 人食いバクテリアの診断と治療

2024年01月04日 21時39分44秒 | 講義録・講演記録4

劇症型溶血性レンサ球菌感染症からの敗血症

人喰バクテリア(人食いバクテリア)の診断と治療

 

名古屋大学医学系研究科 救急・集中治療医学分野 教授

Global Sepsis Alliance(世界敗血症連盟) 理事

松田直之

 

 はじめに 

劇症型溶血性レンサ球菌(連鎖球菌)感染症(Streptococcal Toxic Shock Syndrome:STSS),また毒素性ショック様症候群(Toxic Shock Like Syndrome:TSLS)は,本邦では2015年に年間415例,2019年には年間894例に増加,しかしコロナパンデミックでは年間622例まで減少しましたが,コロナ禍の後に再び増加してきています(統計データ参照:NIID全数把握)。此の治療に関しても,日本の皆が協力していく必要があります。劇症型溶血性レンサ球菌は,菌体成分(Mタンパク質,Tタンパク質,またDNA/RNAなどの細胞含有分子)による炎症性反応(内毒素反応)だけではなく,外に分泌される分子(外毒素)による炎症と細胞死の反応(外毒素反応)により,急激に炎症,組織壊死,そして,私が専門とする「ショック」や「ARDS」,「多臓器不全」になります。65歳以上の発症リスクが高いですが,20歳から50歳代の働き盛りの成人,また小児にも発症します。その急激な筋肉などの細胞死,そして壊死の進行から,「人喰バクテリア(killer bug,flesh-eating bacteria)」などとも呼ばれています。発症してから3日以内に敗血症性ショックとして死に至る可能性の高い病態ですので,早く発見し,必要に応じて集中治療に持ち込む工夫が必要となります。一般の敗血症(sepsis:セプシス)と異なるのは,筋肉が急激に壊死するため,壊死した筋肉から放出される分子によるdamage-associated molecular patterns(DAMPs)反応が2次性侵害刺激として強い生体侵襲となることです。

 

 劇症型溶血性レンサ球菌感染症の定義 

定義:β溶血を示すレンサ球菌を原因として突発的に発症して急激に進行する敗血症性ショックを,劇症型溶血性連鎖球菌感染症と定義します。

※ 解説:β溶血とは:連鎖球菌属などは,ヒツジなどの血液を含む血液寒天培地において培養すると,赤血球を分解する溶血性によりα溶血,β溶血,非溶血(γ溶血)の3つに分類できます。α溶血は,不完全溶血として菌のまわりに緑色帯(メトヘモグロビン)を作る溶血パターンです。α溶血性のレンサ球菌は,このため,緑色連鎖球菌とも呼ばれています。一方で,β溶血は,菌株の周囲の血液を完全に溶血させて赤血球を分解してしまうパターンです。血液寒天培地における菌株の周囲の赤色が薄くなり,透明となります。溶血性連鎖球菌感染症では,β溶血などとして,赤血球が破壊されやすくなることにも注意します。

症状:初発症状は咽頭痛,発熱,消化管症状(食欲不振,吐き気,嘔吐,下痢),全身倦怠感,低血圧などの敗血症症状,筋痛などですが,明らかな前駆症状がない場合もあります。後発症状は,軟部組織病変,循環不全,呼吸不全,血液凝固異常(DIC),肝腎症状などの多臓器不全です。日常生活を営む状態から24時間以内に多臓器不全が完結する速い進行です。A群レンサ球菌などによる軟部組織炎,壊死性筋膜炎,上気道炎・肺炎,産褥熱は,現在でも致命的となる疾患です。

参考引用:WEB:厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-05-06.html

※ 解説:Lancefield分類

 溶血性連鎖球菌の分類に,細胞壁の糖鎖の抗原性によるLancefield分類があります。この分類のA群(Streptococcus pyogenes),B群(Streptococcus agalactiae),C/G群(Streptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis)がβ溶血作用を持ちます。

 

 人喰バクテリアで理解しておくこと 

1.流行する可能性がある:災害後,集団免疫機能低下時など

 ※ 震災が起きた後には,直前の感染症情報を確認することが大切です。例えば,日本では12月に溶血性溶連鎖球菌感染症が流行していたことに1月などに注意することとなります。

2.ヒトにおける原因微生物:A群溶血性連鎖球菌(group A streptococcus:GAS),B群溶血性連鎖球菌(group B streptococcus:GBS),C群/G群溶血性連鎖球菌  S. dysgalactiae subsp. equisimilis SDSE

 ※ Streptococcus dysgalactiae は,ヒトではC群またはG群抗原をもつS. dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSD)動物ではC群またはL群抗原のあるS. dysgalactiae subsp. dysgalactiae(SDSD) の2つの亜種に分けられます。(参考: 国立感染症研究所 IASR

3.感染症法:5類感染症(1週間以内での保健所への届出義務あり):届出表

 ※ 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)は,1998年10月2日に制定され,1999年4月1日から施行され,その後2003年10月16日に改正され,2003年11月5日から改正後の感染症法が施行されています。この過程で,A群溶血性連鎖球菌咽頭炎が2003年までは第4類として管理されていました。その後,2003年11月5日以降は,新分類として第5類で管理されるようになりました。感染症法は,その後も2007年4月,2008年5月,2021年5月に改正されています。

4.罹患リスク:糖尿病,免疫抑制剤使用中,免疫低下状態

 ※ 集団ワクチン:コロナウイルスやインフルエンザウイルスに対する集団ワクチン後に,溶血性連鎖球菌咽頭炎などに対する免疫が低下する可能性については評価が継続されています。劇症型溶血性連鎖球菌感染症は,一般的に致死的病態ですので,留意と注意が必要です。

5.エピソード:怪我(擦過創,挫創など),鍼治療,針刺し,メス(海外での美容形成など),上気道炎症状など

 ※ 鍼治療:鍼の清潔管理には,厳格に注意されてください。

 ※ 上気道炎症状(喉の痛みと咳):上気道炎のある方は,マスクを着用することをお勧めします。環境への飛沫に注意が必要です。

 ※ 溶連菌感染症:溶血性レンサ球菌による感染症(咽頭炎,猩紅熱など)では,傷口などからのレンサ球菌の侵入に注意します。

6.特徴:受傷部の筋肉痛

7.遺伝子を破壊する酵素産生株に注意

 

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 参考:震災などの自然災害と感染症

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 ◯ 空気感染(□ 結核,□ 麻しん(はしか))

 ◯ 致死的皮膚感染(□ 破傷風菌,□ 人喰いバクテリア,□ セレウス菌

 ◯ 肺炎(□ 肺炎球菌,□ インフルエンザウイルス,□ コロナウイルス)

 ◯ 消化器症状(□ ノロウイルス,□ ウエルシュ菌(Clostridium perfringens),□ エロモナス ハイドロフィラ(Aeromonas hydrophila

 ◯ 全身が変:発熱,悪寒,頭痛,筋肉痛,消化器症状,黄疸(白目が黄色)(□ レプトスピラ Leptospira interrogansなど)

 ※ 留意事項:避難所でねずみを見かけたら報告してもらうこと(レプトスピラ予防)

 

 診断のポイント 

1.感染症所見:▢ 筋肉痛,▢ 発熱,▢ 頻脈,▢ 消化器症状

2.皮膚の特徴:発赤・水疱形成・表皮剥脱

3.敗血症所見:▢ 呼吸数増加,▢ 意識がいつもよりパッとしない,▢ 収縮期血圧低下(※ このうち,2つ以上を満たす:qSOFAスコア)

 参考書籍 

 書籍紹介

 敗血症-感染症と臓器障害への対応 

救急・集中治療アドバンス
専門編集:松田直之(Global Sepsis Alliance
 
 
 
 重症感染症のすべて 
救急・集中治療
特別編集:松田直之(Global Sepsis Alliance
 

 治療のポイント 

1.培養検体採取(直ちに):血液培養検体2セット,創部

2.抗菌薬:例:1)ペニシリン系抗菌薬(タゾバクタム/ピペラシリン 6時間毎 4.5 g 1日4回 静脈内投与),2)クリンダマイシン 1,200 mg 12時間毎 1日2回 静脈内投与。ペニシリン系抗菌薬を中心とした投与設計。

※ 抗菌薬:2剤併用療法としています。

※ クリンダマイシン耐性が生じている可能性(約30%)(ermB遺伝子などの発現)に注意します。

※ 薬剤感受性検査の結果を確認し,適正化します。

3.敗血症の治療(参考:中山書店 敗血症-感染症と臓器障害への対応)

▢ ショック対策

▢ 急性腎障害対策:横紋筋融解症(CK上昇)の管理を含む

※ 留意:フロセミドは横紋筋融解における急性腎障害を増悪させる可能性があります。

▢ 発熱管理:異常炎症および熱中症類似状態への対応

▢ 疼痛管理:適切な鎮痛と鎮静:交感神経緊張の適正緩和

▢ 電解質管理:低ナトリウム血症の進行に注意

▢ 血糖コントロール:耐糖能異常が生じやすいことに注意

▢ 播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation:DIC)の対策

 重症患者における炎症と凝固・線溶系反応 
救急・集中治療アドバンス
専門編集:松田直之(Global Sepsis Alliance

※ 主治医および病棟医長などとして,2010年までに5例の劇症型溶血性連鎖球菌感染症の診断と治療を担当しました。2003年の日本救急医学会雑誌に掲載していただいた症例報告(難治性ショック,急性腎障害,播種性血管内凝固)なども参考とされてください。

症例報告:久保田信彦,松田直之,近井佳奈子,他. 症型A群β溶連菌感染症の救命にMRIと術中迅速病理 診断を用いた1症例. 日救急医会誌 2004;15:563- 568.

本症例報告の現在の修正事項

 血液浄化法の方法の変更:1)持続血液濾過透析(CHDF)→ 持続血液濾過(CHF),2)膜の変更:セルロース トリアセテー ト膜 → PMMA膜

 抗菌薬の使用方法:クリンダマイシン 1,200 mg 12時間毎 1日2回 静脈内投与:1日量の2分割投与

 免疫グロブリン投与:効能/効果:重症感染症における抗生物質との併用 静注用免疫グロブリン 5 g DIV (ヴェノグロビンIHなど)

 カテコラミンの選択:第1選択 ノルアドレナリン 0.05 〜 0.25 μg/kg/分

 早期経腸栄養:持続経腸栄養法

4.スーパー抗原および外毒素への対応:抗原PCR検査・スーパー抗原対策

 Streptococcal pyrogenic extoxin(Spe -A,-B,-C,-F,-G,-H,-J)

 Streptococcal mitogenic exotoxin Z (SMEZ)

 Streptococcal superantigen(SSA)

 DNase:MF2,MF3

 

参考文献

S. pyogenes M1 UK lineage UK株に注意

Zhi X, Li HK, Li H, et al. Emerging Invasive Group A Streptococcus M1UK Lineage Detected by Allele-Specific PCR, England, 2020. Emerg Infect Dis. 2023;29:1007-1010. 北アメリカとオーストラリアで猛威となっています。

Davies MR, Keller N, Brouwer S, et al. Detection of Streptococcus pyogenes M1UK in Australia and characterization of the mutation driving enhanced expression of superantigen SpeA. Nat Commun. 2023;14:1051. オーストラリアや北米で流行の傾向がある人食いバクテリア,溶血性連鎖球菌のM1UK 株は,ヒトの中でSpeA スーパー抗原を増加させて,筋肉などに壊死(細胞死)を誘導します。このUK株が通常の溶血性連鎖球菌とことなるのは,トランスファーメッセンジャー RNA(ssrA)の 5’末端に変異があることです。M1UK株では,ssrA ターミネーターが読み込まれず,SpeA スーパー抗原の発現が高まる可能性があります。

Spe-Aは黄色ブドウ球菌腸管毒素と高い相同性がある/黄色ブドウ球菌と連鎖球菌の連動性

 Schlievert P, Kilgore S, Leung D. Agr Regulation of Streptococcal Pyrogenic Exotoxin A in Staphylococcus aureus. MicroPubl Biol. 10.17912, 2023.

Spe-Aによる単球刺激/CD4陽性T細胞のアポトーシス誘導/CD4陽性Foxp3陽性Tregの誘導

 Giesbrecht K, Förmer S, Sähr A, et al. Streptococcal Pyrogenic Exotoxin A-Stimulated Monocytes Mediate Regulatory T-Cell Accumulation through PD-L1 and Kynurenine. Int J Mol Sci. 20:3933, 2019.

Spe-Bによるパイロトーシス/制御性ネクローシス

 Deng W, Bai Y, Deng F, et al. Streptococcal pyrogenic exotoxin B cleaves GSDMA and triggers pyroptosis. Nature. 602:496-502, 2022.

Spe-Cについての理解を深める

 Rasooly R, Do P, Hernlem B. T-cell receptor Vβ8 for detection of biologically active streptococcal pyrogenic exotoxin type C. J Dairy Sci. 106:6723-6730, 2023.

SMEZの炎症性サイトカイン誘導について

 Unnikrishnan M, Altmann DM, Proft T, et al. The bacterial superantigen streptococcal mitogenic exotoxin Z is the major immunoactive agent of Streptococcus pyogenes. J Immunol. 169:2561-259, 2002.

SSAの同定

 Reda KB, Kapur V, Mollick JA, et al. Molecular characterization and phylogenetic distribution of the streptococcal superantigen gene (ssa) from Streptococcus pyogenes. Infect Immun. 62:1867-1874, 1994.

DNase:MF2,MF3

 Hasegawa T, Torii K, Hashikawa S, Iinuma Y, Ohta M. Cloning and characterization of two novel DNases from Streptococcus pyogenes. Arch Microbiol. 177:451-456, 2002.

 

 おわりに 

劇症型溶血性レンサ球菌感染症に限らず,感染症が重篤化し,血圧が低下し,ショックとなり,命を落としてしまう状態として「敗血症:sepsis」に対する早期発見と早期治療が必要です。その上で,劇症型溶血性レンサ球菌感染症が急激に恐ろしい敗血症となるのは,DNAを障害するDNA分解酵素(DNase)などのスーパー毒素・スーパー抗原を産生するからです。「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」は,四肢などの筋肉痛で始まり,突然,敗血症や敗血症性ショックに移行しやすいことに注意します。もちろん,げが,鍼治療などでは,普段から破傷風菌や「人食いバクテリア」に気をつけて頂きます。擦れ傷でも,「劇症型溶血性連鎖球菌感染症」に気をつけて頂きます。傷,そして筋肉痛,そこに皮膚の「腫脹:はれ」,「水疱形成」,「表皮剥脱」では,溶血性連鎖球菌感染症に留意して対応しています。UK株が,本邦にも入ってきているようであり,救命救急センターでも「劇症型溶血性レンサ球菌感染症:人食いバクテリア」に注意して対応している状況にあります。

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 紹介 敗血症の診断/治療の流れ 

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敗血症/敗血症性ショックの診断治療バンドル 簡略版 2023 (オリジナル)

2013年2月 初版,2023年1月 改定第2版

 

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 紹介 人食いバクテリアの診断と治療の流れ 

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謹賀新年 2024年

2024年01月01日 00時00分00秒 | お知らせ 講演会・セミナー
松田直之
Naoyuki Matsuda MD, PhD
 
名古屋大学医学系研究科
救急・集中治療医学分野 教授
Global Sepsis Alliance    理事
日本心臓血管麻酔学会  理事
日本集中治療医学会   理事
 
 
 
新年あけましておめでとうございます。
本年,辰年,どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
本年も救急医療,そして集中治療の発展を支えさせて頂き,
皆さまの健康を祈念する1年とさせていただきます。
 
私の専門としている救急医学および集中治療医学の領域におきましては,
より一層に,日本国内,そして世界における発展として
急性期医療の礎,そして発展をつくることが期待されます。
私も,診療・教育・研究・国際連携として,本年も尽力させて頂きます。
 
広くクリエイティブに,叶える努力としてポジティブに,
行政連携を含めて,未来や危機管理に強い日本の1年を形成して参ります。
 
本年も,御指導,どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 
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セミナー・講演会のお知らせ
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▢ 1月28日(日)13:00〜 感染管理セミナー(日本集中治療医学会)(WEB開催)
テーマ:人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia:VAP)の対策
 
▢ 3月16日(土)第440回 ICD講習会「集中治療領域における黄色ブドウ球菌の検査・予防・治療」
講演:⻩⾊ブドウ球菌菌⾎症の治療〜アップデート〜
 

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【WEBセミナー】Global Sepsis Allianceからのお知らせ

2023年11月24日 07時56分41秒 | お知らせ 講演会・セミナー

Lessons From the COVID-19 Pandemic

Global Sepsis Alliance

Naoyuki Matsuda MD, PhD

 

ベルリン時間 2023年11月27日 16時〜19時30分

(日本時間11月28日(火)0時~3時30分)

Global Sepsis Alliance(GSA)によるウエブ講演会が行われます。

医療従事者に限らず,皆さんがご視聴できます(無料)(登録)。

新興感染症に対する世界的対策の講演会となります。

深夜帯となりますが,ご視聴を検討されて下さい。

 (クリック:参加登録)



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World Sepsis Day 2023 世界敗血症デー by Global Sepsis Alliance

2023年09月01日 07時33分53秒 | その他のお知らせ

  世界敗血症DAY2023のお知らせ  

Global Sepsis Alliance

Asia Pacific Sepsis Alliance

名古屋大学医学系研究科 救急・集中治療医学分野

松田直之

 

「敗血症(Sepsis)」の認知は,日本においても,世界においても高まってきました。

現在,敗血症は,「感染症により臓器機能不全が進む状態」と定義されています。

がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病,精神疾患・・・

さまざまな病気に対して感染症は,「2次性侵害刺激」として脳や腎臓を含めてさまざまな臓器の機能を障害をします。

敗血症を早く発見し,重症化しないようにするとともに,救急医療や集中治療を介して「早期回復」を目標とします。

世界敗血症デー(World Sepsis Day)は,9月13日(水)です。

皆さん,敗血症の理解を深める1ヶ月とされてください。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

  2023年9月の活動  

1.日本医事新報

敗血症におけるGlobal Sepsis Allianceの動向を記事としてまとめさせて頂きました。

ご一読ください。

 

2. 感染症関連の編集と執筆

総合医学社「重症感染症のすべて ー研修医からの質問302ー」を編集させて頂きました。

ご一読ください。

 

3.CBCラジオ きくラジオ 健康生活 9月11日(月)〜15日(金)

敗血症特集「敗血症とはなんですか?」 松田直之 12:45〜12:55

 

内容

9月11日(月) 敗血症とは何でしょうか?
9月12日(火) 厚生労働省5疾病6事業と敗血症の関係
9月13日(水) 世界敗血症デー(World Sepsis Day:WSD)について
9月14日(木) 敗血症とリハビリテーションとの関係
9月15日(金) 敗血症の早期発見のために私たちにできること:敗血症の早期発見と早期治療
 
 
4.The Berlin Declaration on Sepsis – An Urgent Call for the Enforcement of the WHA Resolution 70.7 and Reinvigorated Global Action on Sepsis (2023年9月12日:敗血症:ベルリン宣言
 
概要:

1.2017 年の 世界保健総会(WHA70.7)で議決された「敗血症に関する緊急かつ全面的な支援」として,国連加盟国に,以下を実行する指令を宣言する。

 a. 地域社会や医療現場における国の保健システム強化に,敗血症の予防・診断・治療を含める。

 b.  標準的かつ最適なケアを開発し,実施し,健康上の緊急事態における敗血症の診断と管理のための医療対策を強化する。

 c.  感染症による敗血症への進行のリスクに対して,各国民の認識を高める。

 d.  すべての医療専門家を対象に,感染の予防と制御,患者の安全性,敗血症の予防・緊急治療としての認識、およびツールを使用して患者,親族,その他の関係者とのコミュニケーションを図る重要性に関するトレーニングを開発する。 国民の意識を高めるために,「敗血症:Sepsis」という用語を使用する。

 e.  新しい抗菌薬や代替薬,迅速診断検査,ワクチン,その他の重要な技術・介入・治療に対する研究を含み,生涯にわたる敗血症の診断と治療の革新的な手段を目的とした研究を推進する。

2. WHO事務局長に対して,敗血症(WHA70.7決議)の以下の条項の本格的な実施を監督するように要請する。

 a. 敗血症の予防と管理に関するガイドラインを含む 「WHOの敗血症ガイダンス」を開発する。

 b.  必要に応じて,敗血症の発生率,死亡率,および敗血症による長期合併症を減少させるために基準を定義し,必要なガイドライン,インフラ,検査能力,戦略,およびツールを確立するように加盟国を支援する。

 c.  国連システム内の他の組織,パートナー,国際機関,およびその他の関連する利害関係者と協力して、特に開発として敗血症に対する高品質で安全で効果的かつ手頃な価格の治療法,および予防接種を含む感染症の予防と管理へのアクセスを強化する。 関連する既存のイニシアチブを考慮する。

3. 世界の保健における主要な関係者に「敗血症認知」を呼びかける。

 国連加盟国,国連機関(UNDP,UNFPA,UNICEF,UN Women,WHO,世界銀行),二国間および多国間開発機関,主要な官民パートナーシップ(PPP),世界各国の慈善財団を含み,「敗血症認知」の呼びかけを行い,ビジネス部門,学術界,専門家団体,市民社会は,次のことを目的とする。

 a. 敗血症の重大な負担に関する最も重要な証拠にもかかわらず,ハイレベルのフォーラム(世界保健総会,国連総会,世界保健サミット,ダボス経済フォーラム,G7,G20)を含み,世界保健体制における「敗血症の適切な位置付け」を緊急に認知してもらうことを優先する。 敗血症と,HIV,マラリア,結核,およびその他の優先感染症による敗血症での死者数への寄与や敗血症対策基金については,世界的に政治的および財政的投資は不均衡に低いことの理解を広める。

 b. IPC,UHC,AMR,PPPRの総合的な政策の中で,世界的および国家的な敗血症戦略と行動計画の策定を緊急に優先し,政策擁護と敗血症に関連する活動の相乗効果を確保する。

 c. WHA70.7敗血症決議の施行に関して,定期的(年1回または半年)の監視および報告のメカニズムを確立し,敗血症に関するデータを収集し監視するシステムを強化する。

 d. 第78回WHA総会に提出する敗血症に関する第2次WHA決議を開始し,より具体的かつ測定可能な目標を掲げ,世界保健機関 WHOに対して敗血症のリーダーシップを取ることを優先するように求め,敗血症に対する政策と行動における相乗効果を求める。UHC,AMR,PPPR,および世界敗血症デーを 14 回目の公式 WHO 世界保健デーとして認定する方針とする。

 e. 国内予算配分,国際開発援助,世界的なPPP,民間セクター,革新的資金プラットフォームのポートフォリオを強化する医療システムに「敗血症」を統合させ,あらゆるレベルで敗血症に対する持続可能な資金増加を確保する。

 f. 各国の保健当局の指導の下,各国の敗血症戦略,行動計画,患者中心の臨床経路の設計と実施のための国主導の調整メカニズムの確立を優先する。 

 g. 実証済みおよび新たな証拠,知識,イノベーションの生成・統合・普及のために,敗血症に関する世界的な学術ネットワークを確立する。

4. 敗血症に関する内容を,G7 と G20 のリーダーに呼びかける。

 2022年のG7保健大臣ベルリン・コミュニケを例として,敗血症の検出,診断,治療を強化する取り組みを強化し,敗血症への対応と抗菌薬管理およびIPCの相乗効果を図る。参考文献:G7 Health Ministers’ Communiqué 20 May 2022, Berlin

   

 

※ その他 世界敗血症デー(World Sepsis Day)に関連する情報を,2023年9月にUPさせていただきました。


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お知らせ 第4回 世界 敗血症 会議  4th World Sepsis Congress (WEB)

2023年02月28日 06時55分21秒 | その他のお知らせ

 

敗血症(感染症における臓器機能不全の進行)という病気に対して,日本や世界の認知が,とても高まってきました。

そして,早く発見し,早く治すことで,すべての病気と同じように,普通の自身を取り戻せます。

Global Sepsis Alliance(世界敗血症連盟)により企画された

4回 世界敗血症会議(クリック)(the 4th World Sepsis Congress)が,

本年 2023年4月25日および4月26日に WEB開催されます。

誰でも参加できます。登録(REGISTER)も 無料です。

REGISTERATIONして頂き,一部でも,ご視聴ください。

さまざまな国々の皆さんのお話,英語の勉強にもなると思います。

どうぞよろしくお願いします。

Global Sepsis Allianceは,皆さんに敗血症を知って頂き,臓器機能障害を残さない健康を提案します。

 

Global Sepsis Alliance 理事/名古屋大学医学系研究科 救急・集中治療医学分野

Naoyuki Matsuda MD, PhD  2023/02/28/ 松田直之


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謹賀新年

2023年01月03日 09時26分53秒 | その他のお知らせ
令和5年 2023/01/01(金) 
謹賀新年 新年のご挨拶
 
 
救急・集中治療医学 
松田直之
 
新年あけましておめでとうございます。
本年は,ウサギ年となります。
 
皆さまの益々の発展を支えさせて頂き,
皆さまの御発展を祈念する1年とさせていただきます。
 
私の専門としている救急医学と集中治療医学の領域におきましても,
適切な「提案」と「改善」をさせて頂き,
より一層の日本や世界の急性期医療の礎,そして発展となりますよう,
診療・教育・研究として,本年も尽力させて頂きます。
 
クリエイティブに,楽しく,明るく,
未来や危機管理に強い1年を歩ませて頂きます。
 
本年も,どうぞよろしくお願い申し上げます。

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出版お知らせ 敗血症 中山書店

2023年01月01日 06時00分00秒 | その他のお知らせ

出版のお知らせ 

敗血症〜感染症と臓器障害への対応〜

Global Sepsis Alliance

名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野

松田直之

 

救急・集中治療アドバンス〜少し先を抑えた展開〜として,敗血症(Sepsis)が発刊されました。感染症学,集中治療医学,免疫学などをご専門とされる71名の著者をお迎えし,これからの「敗血症の病態と治療」を考える基盤となる書籍が完成しました。教科書は,エビデンスとしてのある程度の方向性のもとに記載されますので,最先端よりやや遅くなる傾向があります。その上で,アドバンスとつけております。診療や病態を考える上でのホットな内容について,トピックスなどとして,今後に期待される内容を盛り込ませていただいています。

この10年で,「敗血症」という病名の認知が高まりました。書籍「敗血症〜感染症と臓器障害への対応〜」,皆さまのお手元にある1冊としてお役立て下さい。


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2022年(令和4年)10月4日 医師届出票「集中治療科」追加について

2022年10月08日 06時47分45秒 | 救急医療

診療科名としての「集中治療科のお知らせ

 "Intensive Care Department/Critical Care Department" as a clinical department name

 

日本集中治療医学会 

名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野

松田直之

Naoyuki Matsuda MD, PhD

 

 医師届出票(医師法施行規則第2号書式)において,「従事する診療科名等」の欄に「集中治療科」が追加されることが,2022年10月4日付けで厚生労働省より発出されました。

2022年10月4日付の「医師法施行規則等の一部を改正する省令の公布等について(通知)」

(内容の一部抜粋)
2.改正の概要
(1)医師法施行規則の一部改正について
○ 新型コロナウイルス感染症拡大下において,集中治療に従事する医師の重要性が認識される中,地域における集中治療提供体制を適切に把握するため,「従事する診療科名等」の欄について、「集中治療科」を追加する。

(私のコメント)
 集中治療室(Intensive Care Unit:ICU)の運営と管理は,高度急性期病院また急性期病院において不可欠となっています。また,今後,欧州の高度急性期病院のようにICUの病床数が増加することにより,集中治療医や集中治療関連職種の専門性を育成することが不可欠となります。集中治療医学も,急性期管理医学として専門性の高い高度な学術として発展し,更に発展すると予想されます。

 救急科,麻酔科,多くの専門診療科の皆さんが,後に高度急性期病院で集中治療専門医として勤務される場合,「集中治療科」を運用されることになることでしょう。本邦における「集中治療科」の益々の発展に向けて,日本集中治療医学会,集中治療専門医の皆で尽力させていただきます。


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お知らせ 世界敗血症 DAY 2022 多臓器機能不全の病態像

2022年09月08日 06時30分13秒 | お知らせ 講演会・セミナー

敗血症(Sespsis)とは何でしょうか??

世界敗血症DAY2022のお知らせ

World Sepsis Day 2022

 

Global Sepsis Alliance/ Japanese Sepsis Alliance 

名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野

松田直之

Naoyuki Matsuda MD, PhD

 YouTube配信

敗血症は,感染症罹患後に進行する「全身性炎症」と「多臓器障害」の病態です。

さまざまな病気に感染症が併発します。

臓器障害が進行しないように,「敗血症(Sepsis)」という用語を共有する9月です。

この敗血症の「早期発見」と「早期治療」を警鐘しています。

敗血症に対する認知の向上,本年も,どうぞよろしくお願いします。

Global Sepsis Allianceによる世界イベント,YouTubeでもご覧いただけます。ご視聴ください。

 ※ 本年も,「クリーンハンドBOBO」キャンペーンを開催します。

 ※ 世界敗血症デーWSDでは,クリーンハンドキャンペーンを進化させ,本ブログを含めて「Clean Hands BOBOキャンペーン」としています。

 ※ Global Sepsis Alliance(GSA)は,敗血症に対応する2030年までの6つの到達目標を掲げています。

2022年 世界敗血症デー 敗血症関連活動の紹介

 
9月03日(土)13:00〜 日本集中治療医学会敗血症セミナー(WEB)
 
9月12日(月)〜16日(金)12:30 〜CBC radio「きくラジオ」世界敗血症デー「敗血症を知ろう!!」
 
9月16日(金)世界イベントWEB開催「MAKING SEPSIS A NATIONAL AND GLOBAL HEALTH PRIORITY 10 YEARS

 

敗血症(Sepsis)について知りましょう(YouTube)

   1.  市民講座 敗血症ってなんですか?? 松田直之

   2.  市民講座 敗血症では意識が悪くなります 松田直之

   3.  市民講座 敗血症で呼吸は早くなります 松田直之

   4.  市民講座 敗血症で血圧が低下します 松田直之

   5.  市民講座 敗血症で脈が早くなる?? 松田直之

   6.  民講座 敗血症で出血が起きます 松田直之

   7.  市民講座 敗血症で腎臓の機能が低下します 松田直之

   8.  市民講座 敗血症管理における救急外来でのモニタリング 松田直之

   9. 市民講座 世界における敗血症の救命活動〜Global Sepsis Alliance〜 松田直之

 10. 市民講座 敗血症における集中治療室の役割 松田直之

(※ 第30回日本医学会総会 2019年4月1日〜4月9日 敗血症 講演より一部転載)


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救急医療 手指衛生レベルを高めるための工夫 〜直接観察法〜

2022年09月01日 08時11分19秒 | 救急医療

手指衛生レベルを高めるための実践的工夫

~手指衛生:「直接観察法」の活用の薦め~

 

名古屋大学医学系研究科 

救急・集中治療医学分野

松田直之

 

はじめに

 救急初療室(Emergency Room:ER)や集中治療室(Intensive Care Unit:ICU)における診療では,「感染防御策」が,感染症による2nd アタックや院内感染防御としてとても大切です。通常の診療時から,適切に手指衛生を意識して活動する習慣を大切にしています。救急科専門医,集中治療専門医,そしてスタッフの皆さんには,手指衛生の適切な指導を行うようにします。ERやICUでは,普段から適切に手指衛生を行なう教育が必要です。

 手指衛生におけるキィ・ワードとしては,まず,世界保健機関(World Health Organization:WHO)の「5 moments:5つの瞬間」があります。この「5 moments:5つの瞬間」を知識として知るだけではなく,実施できる環境を目標とすることが期待されます。

 「5 moments:5つの瞬間」では,手指衛生ができているかの評価者として「直接観察法」を体得し,ERやICU内で定期的に「直接観察法」を実施し,評価者となることをお薦めします。心肺蘇生,外傷診療,心筋梗塞診療,敗血症診療,さまざまな救急・集中治療診療と同様に,手指衛生のタイミングと実技を観察し,評価してあげ,ポジティブかつ適切にフィードバックされて下さい。

 

WHOの提唱する手指衛生の5 moments(5つの瞬間)

 WHOは,2005 年にグローバル患者安全チャレンジ(Global Patient Safety Challenge)を開始し,その一貫として2009 年に「手指衛生の 5 つの瞬間」を導入しています。2009 年に5月に,「SAVE LIVES ーClean Your Hands」を公表しました。

 手指衛生は,適切な方法で行う「医療技術」です。つまり,テクニックです。まず,擦式アルコール手指消毒の適切な方法として,① 手のひら,② 指間,③ 手背,④ 母指,そして手掌はタコを含めてなど,アルコール手指消毒は感染防御のための重要な「医療技術」でした。⑤ 手首を私は含めていますが,WHO自体は手首は重視していないようです。その一方で,擦式アルコール手指消毒を行う瞬間の教育,手指消毒のタイミングに対する「確認&いいね&フィードバック教育」が,とても大切と考えられています。WHOの提唱する手指衛生の5 moments(5つの瞬間),ここをしっかりできているかどうかを,救急初療,集中治療管理の中でも確認し,評価し,より良くなるためのポジティブフィードバックとして参りましょう。 

 手指衛生の5 moments(5つの瞬間)は,私たちが「患者ゾーン」と呼ぶ,1)患者さん,2)患者さんのベッド・テーブル・周辺・物品,3)カーテン,4)移動場所において実施されます。お手洗いやリハビリ等で移動するスペースも患者ゾーンとなります。ERやICUにおいて,医療従事者の皆が「患者ゾーン」を理解していることが大切です。ICUの個室以外ではベッド入り口に70 cm幅ブルーラインを設置する工夫を私は以前に提案しました。また,床の色調替えなどは施設内での工夫となります。患者ゾーンの把握と区分けという意味として,「ゾーニング」の理解も大切となります。

※ 5 momentsは「にまえ・さんご(2つの前・3つの後)」(と私は覚えています)

 □ 1の瞬間:患者さんに接する「前」

 □ 2の瞬間:清潔/無菌操作の「前」

 □ 3の瞬間:体液暴露リスクの「後」

 □ 4の瞬間:患者さんに触れた「後」

 □ 5の瞬間:患者さんの周囲環境に触れた「後」

 

手指衛生の5 moments(5つの瞬間)の診療教育

 実際の診療において定期的に,手指衛生の5 moments(5つの瞬間)ができているかどうかを観察し,評価してあげる「直接観察」,「直接評価」を実施できるとよいです。「直接観察」のチェックシートの例(図1/図2),「直接観察」の時系列記載用チェックシートの例(図3)などをご参照下さい。ERやICUのベッドサイドにおいて,このような「評価シート」を用いて接触感染予防の適正診療をクロスモニタリングします。手指衛生のタイミングの遵守のために,重要な教育になります。

 ERやICUでは,1人の評価者は,理想は2名の診療者の評価までとしますが,最大で3名の診療者の評価までとします。評価表(図2など)の□(四角)にチェックを入れ,手指衛生の未実施においては手袋を着用したままでの診療であれば◯(丸)にチェックします。

 1~5までの瞬間の評価において,1&4,1&2&5などのように,2重,3重,4重の複数のチェックとなる場合があります。その上で,4&5の重複評価はありません。4&5については患者さんに触れる際には患者さんに先に触れたことを優先し,そこで約束事として患者さんに接触した後の「4の瞬間」のみの評価とします。

 評価者の役割は,評価される診療者が,5 moments(5つの瞬間)を意識しているかどうかを評価することと,ポジティブにフィードバックすること,次の診療にプラスに生かされることを目標とします。

 

ERおよびICUにおける手指衛生のタイミングの5本ノック

□ 患者さんに接する直前に手指消毒をする。

□ 患者診療で体液暴露リスクがある場合は手袋を着用する。

□ 患者さんに触れた直後に手指消毒をする。

□ カーテンを閉めた後に手指消毒をする。

※ カーテンは周囲環境に含まれます。一生懸命仕事をしている時に,「カーテンをジャーとしめる」ことを慎みましょう。カーテンは丁寧にゆっくりと閉め,その後に「5の瞬間」として,手指消毒することに注意しましょう。加速度を付けてカーテンを閉めることは,患者さん,ご家族,他の医療従事者に不快な印象を与える場合がありますので,すべて「所作」に注意して診療する訓練をしましょう。一方で,カーテンを閉める前に手指衛生をし,患者さんの診療に当たるのは不適切です。5 moments(5つの瞬間)の規則では,カーテンを閉めた後に手指消毒をすることになります。

※ 患者周囲環境に触れる前の手指衛生は不要です。

□ 2名を連続で診療する場合は,1人目の患者さんへの接触前後で手指衛生し,2人目の患者さんの診察前にカーテンを触れたなどの環境接触の危険があれば手指衛生します。

 

おわりに

 ERは院外からの多剤耐性菌や新興感染症を持ち込むリスクのある部門です。そして,ICUは院内外の重症患者さんの診療部門として,院内外の薬剤耐性菌が持ち込まれ,また医療従事者を介して院内へ播種させる可能性のある部門です。この感染予防策として,手指衛生の徹底がとても大切です。WHOは,手指衛生の多角的戦略として,「5 compornants:5つの要素」と「 5 morments:5つの瞬間」を掲げています。本稿では,「 5 morments:5つの瞬間」を充実させるためのERとICUにおける工夫について解説しました。病原微生物の伝播阻止として,「5 compornants:5つの要素」という医療技術の安定を考えましょう。

※ 日本環境感染学会と日本集中治療医学会はWHOの指導下で,このような指導者養成コースをTrain the Trainers in Hand Gygiene(TTTコース)として開催しています。TTTコース,ご参加につきましても,ご検討下さい。

  図(参照) 

図1.手指衛生 直接観察 評価フォーム(ER/ICU)

 

図2.手指衛生 直接観察 評価フォーム(記入例)

 

図3.手指衛生 直接観察 連続評価フォーム


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お知らせ 日本集中治療医学会 第6回東海北陸支部 学術集会 全国そして世界への集中治療の発信

2022年06月01日 08時00分28秒 | お知らせ 講演会・セミナー

 クリック

お知らせ 日本集中治療医学会 第6回東海・北陸支部学術集会

 

テーマ : 集中治療の連携と前進

会 長 : 松田直之(名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野)

開催期間: (現地開催)2022年6月11日(土)  および(オン・ディマンド)2022年6月11日(土)〜7月10日(日

開催場所: 名古屋大学医学部(〒466-8550 名古屋市昭和区鶴舞町65)

詳細:

日程:2022年6月11日(土)

会場:名古屋大学医学部 & WEB オン・ディマンド

会長:松田 直之(名古屋大学大学院医学系研究科 救急・集中治療医学分野)

テーマ:集中治療の連携と前進

ホームページ: https://www.jsicm.org/meeting/tokai-hokuriku/2022/index.html

* 参加申込受付期間: 2022年5月11日(水)~7月10日(日)24:00

* 申込はこちら➡ https://www.jsicm.org/meeting/tokai-hokuriku/2022/application_info.htm

内容:

特別講演(5内容)、教育講演(34内容)、すべて収録動画のオン・ディマンド配信となります。支部学術集会の企画として、集中治療の学術と管理として多くの情報が盛り込まれました。ホームページをご確認ください。

シンポジウムは現地開催ののち収録動画をオン・ディマンド配信とします。

一般演題は、演者に収録動画を提出して頂き、座長2名の取りまとめとして、指定コメンテータや一般質問をチャット形式の掲示板でのオン・ディマンド配信となります。今後の一般演題を重視するため、また地域からの一般演題発表の重要性として、ご参考とされてください。

東海・北陸地区はもとより、全国より、皆さまのご参加をお待ち申し上げます。

 

そして、翌6月12日(日)〜7月10日には完全WEB方式(リアルタイムライブ配信+オン・ディマンド配信)として

集中治療セミナー「敗血症性多臓器不全の病態と集中治療」を併催します。

各エキスパートによる、集中治療における急性期全身管理ビジョンの共有となります。

併せてご参加いただきますよう、ご案内申し上げます。

 

連絡先・問い合わせ先:

 

運営事務局:〒104-0052 東京都中央区月島1-8-1-915

株式会社クレッシー

TEL:03-6231-0307/FAX:03-5546-0486

E-mail:registration2022@jsicmth.jp


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救急外来 小児感染症 感染症の登校基準

2022年04月01日 18時35分55秒 | 救急医療

救急外来 小児感染症 感染症の登校基準

救急科指導医・専門医/集中治療科 専門医

松田直之

 

【はじめに】感染症の登校基準として,救急外来での参考とします。

 

【病名】

□ インフルエンザウイルス

  □ 潜伏期間 :1-4日

  □ 登校基準:発熱後5日経過,そして解熱後2日経過

    例)◯ 発熱後3日後に解熱し,さらに2日経った場合:発熱後5日ですが,解熱後2日が経過ししているので6日目に通学した。

 

□ 百日咳

  □ 潜伏期間 :7-10日

  □ 登校基準:特有の咳が消失するまで,または抗菌薬の5日間投与の終了日まで

  □ 知識:遅延生咳嗽:グラム陰性細菌である百日咳菌(Bordetella pertussis)の感染により主に小児あるいは学童に発生します。上気道感染症状が出現した後に,長い吸気性笛声(whoop)や痙攣性咳嗽(痙咳)を特徴とします。診断は,上咽頭液細菌培養検査,ポリメラーゼ連鎖反応検査(PCR検査)です。治療は,マクロライド系抗菌薬です。咳として,理解しておく用語は,急性咳嗽と遅延性咳嗽です。一般に,発症後3 週間以内までを「急性咳嗽」,3 週間以上 8 週間以内を「遷延性咳嗽」,8 週間以 上を「慢性咳嗽」と定義しています。百日咳は,遅延生咳嗽の代表的な疾患です。慢性咳嗽で注意が必要なものは,1)薬剤:ACE阻害薬,2)逆流性食道炎,3)副鼻腔炎気管支症候群,4)呼吸器疾患既往歴,5)結核です。

 

□ 麻疹ウイルス

  □ 潜伏期間 :8-12日

  □ 登校基準:発疹に伴う発熱が解熱して3日後

  例)◯ 夜に解熱して次の朝から3日が経過したので4日後に通学した:◯

 

□ 風疹(rubella:ルベラ)

  □ 潜伏期間 :16-18日

  □ 登校基準:発疹が消失するまで

  例)◯ 発疹が消失した次の朝に微熱があったが通学した:◯

    ※ 微熱があり,体調が悪いようであれば,クリニックを受診するなど,通学せずに様子を見ることをおすすめします。1)リンパ節腫脹,2)肝機能,3)脱水症,4)電解質異常などに注意します。

 

□ 水痘(水ぼうそう)水痘帯状疱疹ウイルス

  □ 潜伏期間 :14-16日

  □ 登校基準:すべての水疱が痂皮化するまで

  例1)水疱が潰れて皮が向けたので通学した:✗

  例2)水疱がすべてカサブタになったので通学した:◯

  □ 知識:水痘は,水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:バリセロ・ゾスター ウイルス)による伝染性疾患です。空気感染もするので,注意が必要です。治療には,抗ウイルス薬(アシクロビル,バラシクロビル,ファムシクロビルなど)を使用します。

 

□ 流行性耳下腺炎(おたふく)ムンプスウイルス

  □ 潜伏期間 :16-18日

  □ 登校基準:頸部腫脹の出現後5日が経過し,体調が回復している場合

  例)頸部腫脹があるが5日が経過して学校に行きたい:◯

    ※ 微熱や体調不良がある場合は,通学せずに様子を見ることをお勧めします。1)肝機能,2)脱水症,3)電解質異常などに注意します。

  □ 知識:ムンプスウイルスは,パラミクソウイルス科のウイルスです。4歳が最も多く,続いて5歳と3歳です。

 

□ RSウイルス(respiratory syncytial virus)

  □ 潜伏期間 :4-6日

  □ 登校基準:症状が軽減した場合

  例)微熱があるけれども症状が軽減したので学校に行きたい:◯

    ※ 体調不良が残っている場合は,通学せずに様子を見ることをおすすめします。1)肝機能,2)脱水症,3)電解質異常などに注意します。

  □ 知識:Respiratory syncytial virus(RSV)は年齢に関係なく,生涯にわたって発熱や咳などを起こします。典型パターンは,4~6日間の潜伏期間の後に,発熱、鼻汁などの上気道症状が3日間ほど続くことです。注意しないといけないケースは乳幼児であり,声門下に浮腫や気管支炎をおこし,呼吸困難,低酸素血症となり,未然の救命対応が必要となることです。お母さんからの移行抗体が存在するはずなのですが,生後数週から数カ月の期間にもっとも重症な症状となる可能性があります。

 

□ 咽頭結膜熱(プール熱)(アデノウイルス)

  □ 潜伏期間 :2-14日

  □ 登校基準:発熱と結膜炎の症状が消失して2日経過した場合

  例)発熱と目の症状がなくなり3日が経過したので登校したい:◯

    ※ 体調不良が残っている場合は,通学せずに様子を見ることをおすすめします。1)肝機能,2)脱水症,3)電解質異常などに注意します。

 

□ ヘルパンギーナ(コクサッキーウイルスA群)

  □ 潜伏期間 :3-6日

  □ 登校基準:全身状態が安定した場合

  例)発熱がなくなり,体調も良いので登校したい:◯

  □ 知識:ヘルパンギーナは,夏風邪の代表です。発熱に加えて,口腔粘膜に水疱性の発疹が出現します。3~6 日の潜伏期を経て,突然に発熱と咽頭痛が出現し,咽頭粘膜が発赤します。口腔内の観察が重要であり,軟口蓋から口蓋弓にかけての直径1~2 mmから,5 mm程度の紅暈(こううん)に囲まれた小水疱が観察できます。小水疱の周りを取り囲むような充血所見(紅暈)が水疱の周りに観察できます。

 

□ 流行性角結膜炎(アデノウイルス D/E)

  □ 潜伏期間 :2-14日

  □ 登校基準:目の症状を眼科に評価してもらった後

   例1)目の腫れがひいたので通学した:✗

   例2)眼症状が消失した後に眼科を受診して通学許可をもらった:◯

  □ 知識:流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)は,主にD種およびE種のアデノウイルスによる眼症状が出現する疾患です。手で目をこすったりなどの接触感染として,眼瞼浮腫,眼瞼腫脹,流涙が発症します。感染力が強いので,片眼にとどまらずに,両眼に感染し,視界がなくなることにも注意が必要です。


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お知らせ 集中治療セミナー 主催:日本集中治療医学会 第6回東海北陸支部学術集会 

2022年02月16日 07時07分00秒 | お知らせ 講演会・セミナー

集中治療セミナー「敗血症性多臓器不全の病態と集中治療」のご案内

受講申込受付期間:2022年5月11日(水)~7月10日(日)

会期

2022年6月12日(日)〜7月10日(日)

開催方式

ウェブ配信(リアルタイムライブ配信 + オンデマンド配信(6月15日(水)~7月10日(日)24:00)

受講費

会員:5,000円/非会員:6,000円
※ ハンドアウト(PDF)を含む

主な対象

日本集中治療医学会会員(正会員/准会員)、医療従事者、医療関係者、研究者

開催目的

集中治療において、臓器障害を進行させず、臓器不全として臓器の器質化を防ぐ全身管理が期待されます。そのような中で、重症管理以前の段階で既に臓器障害を持ち、臓器障害が進展してしまう場合もあります。本セミナーは、日本集中治療医学会第6回東海・北陸支部学施術集会(2022年6月11日(土)/名古屋大学医学部)に併催するセミナーとして、敗血症管理を題材として、集中治療のノウハウを整理することを目的とします。集中治療における前向き臨床研究が積極的に行われることにより、集中治療の診療の質が整えられてきています。その蓄積をもとに、さらにこれから期待される集中治療に関与する病態生理、そして集中治療管理をリフレッシュするものとします。具体的には、模擬症例などの提示も行い、1)敗血症を題材とした集中治療における全身管理:鎮静・鎮痛・せん妄の管理の意義およびPICS(集中治療後症候群)の管理、2)敗血症を題材とした呼吸管理、3)敗血症を題材とした循環管理、4)敗血症を題材とした腎機能管理、5)敗血症を題材とした播種性血管内凝固の管理―これら5つの内容を整理することで、集中治療に関する理解をリフレッシュします。

プログラム

「敗血症性多臓器不全の病態と集中治療」

総合司会:松田 直之(日本集中治療医学会第6回東海・北陸支部学術集会会長)

9:50~9:55
開会の挨拶
松田 直之(日本集中治療医学会第6回東海・北陸支部学術集会会長)
9:55~10:55
「鎮痛・鎮静・せん妄の管理」
松田 直之(名古屋大学大学院医学系研究科救急・集中治療医学分野)
11:00~12:00
「敗血症に伴う急性呼吸不全への対応」
中根 正樹(山形大学医学部救急医学講座)
13:00~14:00
「ショックの病態から考える集中治療の循環管理」
垣花 泰之(鹿児島大学救急・集中治療医学)
14:05~15:05
「敗血症から考えるAKIの集中治療」
土井 研人(東京大学大学院医学系研究科救急科学分野)
15:10~16:10
「播種性血管内凝固の管理」
山川 一馬(大阪医科薬科大学救急医学教室)
16:10~16:15
閉会の挨拶
松田 直之(日本集中治療医学会第6回東海・北陸支部学術集会会長)
16:15~16:30
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