07/22 私の音楽仲間 (518) ~ 私の室内楽仲間たち (491)
王様はお見通し
これまでの 『私の室内楽仲間たち』
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王様はお見通し
バッサリお手打ち
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鍛えられる私
Mozart がプロシャ王ヴィルヘルムⅡ世のために書いた、
3つの弦楽四重奏曲。 その中に、愛らしい変ロ長調の曲
があります。
同じ調で書かれた曲が、“ギリシャの乙女” と呼ばれる
ことも。 こちらは “いかめしい” Beethoven の作品ですが。
この K589 を “愛らしい” と感じてしまう私。 それは調性
のせいばかりではありません。
第Ⅰ楽章は、歌で始まります。 拍子は 3/4。 そこから
醸し出される、Mozart ならではの気品と柔らかさ。
[譜例(1)]は、すでにご覧いただいたもの。 Vn.Ⅰ、Viola に
続き、同じメロディーが、さっそくチェロにも出てきます。
[演奏例の音源]は、冒頭から提示部が終るまで。 Violin の
私、Sa.さん、Viola B.さんが、プロシャ王 H.さんに、かしずいています。
この後は9小節を挟んで、次の[譜例(2)]に続きます。
今度は Vn.Ⅰのパート譜ですが、やはり注目は…。
○で囲んだ Vc. の印が、チェロの活躍する場所です。
「やかましい。 お前は黙っておれ。」
まるで王様に命じられたように、私は何度か沈黙します。
[譜例]の終りでは、“6+1”小節間の “お暇” を頂戴して
しまいました。
その後は、王様のおっしゃったことを、そのまま復唱します。
ははあ、かしこまりましてござりまする。
さて、まもなく演奏も終わろうというときに、突然
誰かの声が! 王様です。
驚いた私は、弾くのを一瞬止めてしまいました。
自分が音でも外したのか? そう思ったからです
が、肝心の内容が聞き取れない…。
困った…。 ご機嫌を損ねてしまったのか…。
「ね? 1小節、早かったでしょ。」
演奏が止まると、王様はもう一度、口を開きました。
今度は、はっきり聞き取れます。
これ、メンバーの一人が、お暇の小節数を、
前回まで間違って数えていたから。
それを的確に指摘した王様。 幸いにも、
今回はお気に召してくださったようです。
よかった…。 誰も、手打ちにならなくて。
[音源サイト ①] [音源サイト ②]