MARU にひかれて ~ ある Violin 弾きの雑感

“まる” は、思い出をたくさん残してくれた駄犬の名です。

これでもか

2013-07-05 00:00:00 | 私の室内楽仲間たち

07/05 私の音楽仲間 (508) ~ 私の室内楽仲間たち (481)



               これでもか


         これまでの 『私の室内楽仲間たち』



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             "Serioso" は "厳粛に" か?
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                  深刻な組み紐
                   これでもか
                演出家 Beethoven
               自然に生まれはしないよ
               解釈より優先する事情
                     味多後
                   引き戻されて
                 4分36秒の中味
                 付点音符の尻尾
                  深刻な問題





 Beethoven弦楽四重奏曲 ヘ短調 Op.95では、いきなり
4人が f で威圧する。 聴く者を驚かせます。

 [譜例(1)]は、その冒頭の5小節。 ViolinⅠのパート譜です。



 演奏例の音源]も、ここから。 Violin は私、T.さん、Viola W.さん
チェロは H.さんです。








 “Serioso” の名で親しまれる、この四重奏曲。 なるほど、
“厳粛めいた” 雰囲気で始まります。 これ以上ないほどに。




 ところでこの[音源]、おかしいですね。

 曲をご存じのかたは、よくお解りでしょう。 上の[譜例(1)]
からいきなり跳んで、下の[譜例(2)]へ。 これ、楽章の終り
の部分です。







 でも初めてお聴きのかたでしたら、私に騙されて
しまうかもしれません。

 「これ、こういう音楽なんです。 ちょっと短いけど。」
…なーんて…。



 それはともかく、相も変わらぬ無茶な編集ですね。 この
短い16分音符のモティーフが、何度も繰り返される。

 くどいほどに。 “これでもか、これでもか”…と。 そんな
箇所を探すと、[譜例(2)]になるのです。



 そう言えば、このモティーフ。 “これでもか、これでもか!”
って聞えませんか?




 もう一つ。 今回の[譜例]をご覧になって、何か
お感じになったことは無いでしょうか?

 細かい音符など、音楽的なことではありません。
パッと見た、外観から。



 今回は “塗り絵” が、まったく無い譜面なのです。
いつもの私のお得意の…。




 これが “中期の Beethoven” なら、まだ私が
塗り絵をする余地もあったでしょう。

 でも今回は、そんな必要がまったくありません。



 単刀直入、単純明快、解説不要。 作曲者も、
そういう音楽を目指しているようです。




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