■製作年:1987年
■監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
■出演:ヴィンセント・スパーノ、ジョアキム・デ・アルメイダ、グレタ・スカッキ、他
映画産業の衰退が言われて久しいです。今年になってからもこの「グッドモーニング・バビロン!」を監督したパオロ&ヴィットリオ・タルヴァーニ兄弟の最新作「塀の中のジュリアス・シーザー」を公開しているミニ・シアターも閉鎖してしまうということでカウントダウンが始まっています。この「グッドモーニング・バビロン!」はそんな元気のない映画界の創成期、つまり映像の時代が幕を開けようとした時代、20世紀初頭の、D・W・グリフィス監督の名作「イントレランス」の製作風景と戦争の悲劇を絡めながら描いています。
映画はタルヴァーニ兄弟の分身?とも見ることができる2人のイタリア人を主人公に据えており、彼らを通して自身の映画愛を存分に語らしているようでした。私は「イントレランス」を見てはいないのですが、主人公の兄弟が8頭の象を作ったとされるバビロニアのシーンは映画史に残るような壮大なセットで撮影されたようです。Wikipediaによるとイベントなどで組まれるやぐらはイントレと呼ばれており、この「イントレランス」に由来するようです。
あくまで私の印象ですが、タヴィアーニ兄弟の映画は作品ごとにそのテイストが違うように見えてなりません。この「グッドモーニング・バビロン!」は私としては同じイタリアの巨匠フェリーニを想起してしょうがなかったです。お国柄によるものなのか、どこか醸し出す映像の雰囲気が似てる部分があるのでしょうか?(そう言えば、フェリーニも映画愛を描いた作品がありました)ただ、タヴィアーニ兄弟は作品ごとに映像のテイストが違っているというのが、私の見解なのですが…。その変幻自在?のタヴィアーニ、この作品は1987年度のキネマ旬報外国語映画のベストワンに選出されています。
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