飾釦

飾釦(かざりぼたん)とは意匠を施されたお洒落な釦。生活に飾釦をと、もがきつつも綴るブログです。

乱歩NO.33・・・<五重塔の美女~幽鬼の搭/1981年>

2006-06-22 | 江戸川乱歩
五重塔の美女~幽鬼の搭

放送:1981年テレビ朝日
監督:井上梅次
出演:天知茂、片平なぎさ、五十嵐めぐみ

いつもは天知=明智小五郎の助手として、目立たず控えめな存在として登場していた五十嵐めぐみ=文代さん、今回は彼女が冒頭から事件に巻き込まれます。その現場に居合わせるドキドキ感がうまく演出されています。

残念なのは、原作では上野公園・五重塔で首吊り自殺を図り、まるで風鈴のようにその軒先で揺れていた、という幻想的怪奇なシーンがあるのですがテレビドラマのためか、普通の木に縄を引っ掛けて・・・となっており、あたり前すぎる演出です。
今ならCG処理で可能な展開なのでしょうが、当時としてはお金がかかりすぎるんで
しょうね。間に合わせ感が否めません。

ヒロインはこのドラマでのオリジナルな設定の役を演じた片平なぎさです。2時間ドラマの女王としてイメージの強い彼女ですが、もともとはアイドル歌手なんですね。老け顔というか大人びたイメージがあり、年齢より上に見えてしまう彼女ですが、このドラマを出演した時も22歳、年齢以上の堂々とした演技を魅せてくれます。

さて、物語本編は全体として散漫な印象を受けます。乱歩の原作を読んでから観るとコアとなる精神が描かれてはいるのですが、もう少しやりようがあったのでは?と思わせます。救いは五重塔を背景に立つ天知茂がとても絵になることでした。

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