心は翼につけて

福島県いわき市から発信の「心は翼につけて」。懐かしい映画は心と翼が逆ですね。Mac、玉突き、エクシーガ等々。

今、そこにはないけど、あるかもしれない危機

2017-05-20 23:27:07 | あの頃
 ハリソンフォード主演のclear and present danger、今そこにある危機を観たのはずいぶん昔。懐かしくなるほどだ。内容は詳しく覚えていない。

 友人から先ほど聞いた話である。今、子どもへの声かけは慎重にしなければならず、良かれと思ってやった事が裏目に出る事もあると思う。難しい世の中だ。さて、その友人Aは日課のジョギングをしていたそうだ…。

 昨日は全部、走りきれなかった私は今日に限っては、いつものショートコースをゆっくりでもいいから、走りきる予定だった。あくまで予定だが。中盤に差し掛かったところで、前から走ってくる小さな影を見つけた。歳は4歳、5歳くらいだろうか、女の子だ。小走りで橋に向かっている。珍しいな、お母さんはどこにいるんだろうと思いながら、橋の上ですれ違った。19時は過ぎていたはずだ。すでに正面から来る車があると表情はさらに暗くて読めない。それでもすれ違った。泣いているように見える。小さいながら一生懸命走ってる。すれ違ってしばらくして、振り返った。イヤホンを外してみると泣き声も聞こえて来る。泣きながら走っているのは間違えなかった。走ってきた方向に親御さんらしい姿は見えなかった。だってそっちから走ってきたし、結構暗いし車も多い時間帯だ。なんだってんだと呟いて、女の子を追いかける。このご時世だし、まずいかなと思っていた。女の子、走るの速い速い。なかなか追いつけず、橋の中間くらいまで追いかける事になった。声をかける。夜の7時だし、ジョギングのおっさんに声をかけられても怖いだろう。でも「お母さん、いないの。だからおじいちゃん家に行くの。」と言った。知らない人と話してはいけませんと言われてるんだろうな、親御さん、しっかり教えているなと感心させられる。通りの反対側からも大丈夫ですかと声がかかる。それには答えず、名前を聞いたり、連絡先を聞いたりしたが、名前は名字を言っただけ。そりゃあ、知らないおっさんに教えられないよなと自分でも納得。とりあえず、おじいちゃん家に一緒に行こうと言って、走るのを止めさせ歩いて行くように促した。一緒に行く事にした。

 先日、ネットで知らない人とは話していけないと教えている家族に、ペットを使って子どもを連れ去る動画を観させてもらった。それを思い出していたのはあのくらい、話せれば女の子をもっとリラックスさせてあげられるんだけど…、とつまらない後悔をしていた。

 「は〜い、子犬は好きかい?」、「この子犬の名前、何ていうか知ってる?」、「惜しい、この子の名前は????って言うんだよ」、「もっと子犬がいるから見に来る?」と言って、子どもを連れ去る。手を繋いで連れ去っていた。

 しばらく歩いていたろうか。女の子は夜の7時に、私とすれ違うまでを仮定すると2kmくらいは歩いている。そしておじいちゃん家はXXXの近くだよ、と教えてくれた。まだまだあるけど、致し方ない。一緒に行こう。しばらく歩いているとおじいちゃんと言っていた場所がわからなくなっているようだった。夜だし、風景も違っているのだろう。私の心情としては「どのタイミングで警察に電話しようか、それともそこまで大ごとにしなくても良いのか、困った」という感じ。それでもその子に聞いてみるともうすぐと言う。よし、行けるとこまで行ってみよう。しばらく歩くと女の子がその家って教えてくれる。一軒家だ。近くまで行くと「ママの車、無いぃ」と泣いてしまった。とりあえず、そのおじいちゃん家は明かりがついている。行ってみるしかない。

 女の子を促して家に入ってもらう。施錠されているようだ。夜だし、当たり前か。遠くから見て、家の人が出てきたら帰ろうと思っていたが、そうもいかないようだ。私も玄関まで行ってみる。チャイムはどのみち、届かないようだ。私がチャイムを押す。犬の鳴き声が聞こえた。しばらくして、年配の女性がどうぞと言っているのが聞こえた。施錠されているのに、開くわけがない。施錠に気づき、開錠してくれて玄関が開いた。

 正直それまで、ウチの孫に何さらしてんじゃあ〜っ等などを言われたらどうしようと思っていた。笑顔で扉を開けてくれたおばあちゃん、孫の顔を見て驚きの表情を浮かべる。女の子もママいないのぉ〜っとおばあちゃんに抱きついて泣き始めた。大騒ぎになりそうだったので、そちらのご夫婦に事情を説明し、退席した。

 オイラの友人も放っておけなかったのだろう。友人はこの行為が正解だったのか、やはり心配していた。心配ならやらなきゃ良いのに…と思ったが、確かに交通量は多いし、裏に入ると暗いし、裏でも交通量は少ないわけじゃない。先方がお礼を言ったので正解なんではないと言ってあげた。

 まあ、今ではその女の子もお母さんと一緒に夢の中だろうなと期待したい。