ハイリーセンシティブな人や子供についてのドキュメンタリー映画『SENSITIVE:Untold Story』の紹介です。
DVDには、日本語字幕もあるようです!
トレーラーもこのサイトで見られます。
(このトレーラー、ああ、子供たちも、水に慣れるのに時間がかかったなあと思い出します。
顔をつけられたのが6歳ぐらいになってからの子もいました。
その後は水泳チームに入るまでになってましたが、「慣れる」のに、ちょっと時間がかかるんですよね)
HSPやHSCというコンセプトを提起した心理学者エレイン・アーロン氏自身が、
ナレーターとして登場するこの映画、
HSPやHSCについて、分かりやすくまとまっています。
科学的な研究の紹介と共に、
親子、研究者、ビジネスマン、作家、アーティストなど、
世界中様々な人々が自らのHSPとしての体験談や思いを語っています。
グラミー賞7度受賞者のアラニス・モリセットも、
「自分がHSPだと理解する前は、
がむしゃらに突っ走っては大きなメルトダウンを起こしと繰り返していた」
と言います。成人してから父親に、子供時代、
「おまえをどうしたらいいか途方にくれていたんだよ」と言われたとも。
アーロン氏は、この映画に寄せ、
「自分がHSPと思う方、子供さんがHSCと思う方へ、知って欲しいこと」として、
こう記しています:
(http://sensitivethemovie.com/hsp/より)
・あなたの特性はノーマルです
15-20%いるわけですから、「障害」とするには多すぎるんです。それでも、周りの大多数には十分理解されていません。
・生まれつきのものです
生物学者は蝿、鳥、魚、犬、猫、馬、霊長類など、100種類以上の生物にこの特性を発見しています(おそらくもっといるでしょう)。行動する前に観察するというこの特性は、種の生存に関わってきたとされています。ハイリーセンシティブな脳は、そうでない人々とは、実際少し違った働き方をします。
・あなたはより容易に圧倒されるでしょう
もしあらゆることに気がつくのなら、強烈で複雑で混乱し目新し過ぎる物事が続くなら、容易に、刺激過多になるでしょう。
・この特性は新しく発見されたわけではありません。しかし、誤解されてきたのです。
新しい状況に入る前に観察するのを好むため、しばしば「シャイ」とされてきました。それでも、シャイというのは、学習されるものであり、生まれつきのものではありません。実際、30%のHSPは「外向的」なのです。それでも、この特性は「内向的」と誤って解釈されてきました。また抑制型、不安感が強い、神経質などとも呼ばれてきました。HSPの中にはこうした振る舞いをする人々もいます、それでもそれは生まれつきのものではなく、HSPの基本となる特性ではないのです。
・文化によって、敏感さは異なって解釈されています
敏感さに価値がおかれない文化では、HSPの人々は、自己肯定感が低くなってしまいます。「そんなに敏感でどうするの」などと言われ、自分自身を普通でないと思ってきたのです。
ーーーーーーー引用終わり
HSPというのは、科学的には、SPS(sensory processing sensitivity感覚処理の過敏)とされ、これまでも研究されてきたわけですが、そのポジティブ面も含めて言及するコンセプトがなかったんですね。そこで「HSP」というコンセプトを考案したのが、アーロン氏。映画の中で、研究者の一人が「HSPについて頼もしいのは、背景に科学的なリサーチが豊富にあることです」としていますが、これからの研究展開も楽しみです。
特に米国社会など、ひるみなく果敢に新しいことに挑戦し、ぱっぱとタスクをこなすといった人柄が理想とされる中で、「自分はおかしい」と思い込み、萎縮し、片隅に追いやられていったハイリーセンシティブな人々。日本でも、こちらほどでないとしても、そうした風潮が以前よりは強まりつつあるのではないでしょうか。そうした中、ハイリーセンシティブな人々が、想像力や創造性、周りが目に留めないことに気づくといった「敏感さ」のポジティブ面を自覚し、自信を持ってそれらの強みを生かしていって欲しい、そんな願いが込められた映画です。
映画の中で、「とにかく、生きていること自体が、圧倒されるものなんです。どこへいっても、人の気持ちやあらゆる思いが嵐のように渦巻き、きつくてつらくて」「でも、今では、それが強みなのだと思える。そう理解できた今が、人生で最高の時」と話す紫色の髪をした大学院生の女の子が印象的でした。
自ら、そして子供のハイリーセンシティブさを理解し、前向きに進むために、おすすめの映画です!
日本は昨日母の日でしたね。今日はこちら日曜日です。
ハッピーマーザーズデイ!