ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

バタフライ・エフェクト:RPGを彷彿させるSF恋愛映画

2008年06月08日 | 映画♪
「カオスな系では、初期条件のわずかな差が時間とともに拡大して、結果に大きな違いをもたらす」というカオス理論をモチーフに…とはいうもののどちらかというとRPG的というかライトノベル的という感じが。個人的にはそこまで…と思うものの、SFとして、青春恋愛映画として評価の高い作品。





【あらすじ】
幼い頃から度々記憶を失っていたエヴァンは、治療のため日記をつけ始める。13歳の頃、エヴァンは幼なじみのケイリーたちと悪戯をして大事故をひき起こすが、その瞬間も彼の記憶は空白だった。やがてエヴァンは引っ越すことになり、虐待傾向のある父と乱暴な兄トミーと暮らすケイリーに、「迎えにくる」と伝え残す。時が経ち、大学生となったエヴァンは、記憶を失うこともなくなっていた。しかし、昔の日記を見つけた時から、エヴァンの意識に変化が起きる…


【レビュー】
人生に「もしあの時…」ということはありえない。とはいえ、きっと誰もが考えたことがあることだろう。しかしもし仮にその時代に戻れたとして、都合よく、ある事象だけを変えるなどということはできないのだろう。主人公のエヴァンは幼少期から時々記憶をなくしている。しかしそれは「忘れたほうがいい」記憶だったのかもしれない。

エヴァンはその過去を取り戻そうとし、必ずしも幸福ではない現在を書き換えようとし、過去に干渉しようとする。うまくいかないからある時点に戻って、その出来事を書き換える。それでもうまくいかなければまた違う時点に戻ってその出来事を書き換えようとする。それはまさにRPGのように。しかし「うまくいくための」初期条件はどこにあったのだろうか。

結果的にエヴァンはケイリーを諦めることで4人の幸せを実現しようとする。それが結局のところ、愛する人のためにも4人のためにも最善だと思ったからだ。

そしてエンディング。雑踏の中で出会う2人。ケイリーは美しくまた凛々しい女性に育っている。2人はそのまますれ違うのか、それとも感じるままに立ち止まるのか-。レンタル版では2種類のエンディングが、セル版にはまた違うエンディングが用意されているらしい。

そしてそこにはその時点でのそれぞれの終着点がある。しかしそれで何が終わり何が続いているのだろう。

物語としてはそれで終わりかもしれないが、これが人生であればエヴァンもケイリーもその後も行き続けることになる。そこにはそこでの悲しみや幸せ、出会いと別れ、生と死が存在するだろう。そのたびに過去への回帰と「やり直し」を続けることができるのか。

凡庸な結論だけを述べるのであれば、結局、人生は与えられた環境の中でどう精一杯生きるのかということに尽きるのだろう。


総合:★★★☆☆
もう10年くらい若いと印象も違ったのかも:★★★★☆
ドラえもんの先見性を感じます:★★★★☆


バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション



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