ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

MS、Yahoo、AOLがIMで提携。NTTに未来はあるのか?

2004年07月17日 | ビジネス
マイクロソフト(MS)とYahoo、AOLが企業向けIMの相互乗り入れで提携、ということですが、このことがどういう意味合いを持つのか、考えてみました。

IM分野で「雪解け」--マイクロソフト、AOL、ヤフーが相互乗り入れへ

MS、ヤフー、AOL提携 インスタントメッセージで (共同通信) - goo ニュース

当たり前のことですが、これまで遠方の人間とのコミュニケーション手段としては、手紙や電話・FAX、(電話のパーソナル化としての携帯電話)というものがあったわけですが、ここに来て

・Eメール
・IM
・IP電話

というインターネットを利用したコミュニケーションツールが出てきました。

このツールに共通していることは、インターネットを利用していることもあり「誰がコストを負担しているかよくわからない」ということです。電話であればNTTの交換機が動き、郵便であれば郵便局員が配達しているということで料金がかかっていることをイメージしやすいのですが、上記ツールだと、コミュニケーションのためにお金を払っているという感覚はありません。

ではお金はかからないのか?

実際には、インターネットとの接続コストにバンドルされたり、システム開発コストがかかったりするわけです。
「電話」という通信インフラであれば「NTT」が一元管理をしており利用度合いに応じて料金を払ったわけですが、「インターネット」という通信インフラの場合、NTTはただの土管であり、ISPやSIベンダーにより多くのお金を払うことになります。

では今後このIMはどう進化するのか?

IMはリアルタイム性が高いコミュニケーションツールですから、当然、文字→音声→動画もIMを通じてやり取りをするということになるでしょう。となると一番影響を受けるのがNTTです。

ただでさえどんどん減っている通話料なのに、大口の企業利用がさらに減るとなるとこれはもう死活問題です。ということもあって、NTTでは「フレッツ・コミュニケーション」や「ワープビジョン」といった映像コミュニケーションサービスを提供し、「フレッツ網」は土管ではなくて、通信インフラなんだということに躍起になっているわけです。

そう考えると、この動きは、MS/NTT、インターネット/通信キャリアの次世代コミュニケーションインフラを巡る戦いと言えるかもしれません。

では、この動きは個人相手にまで広まっていくのか?

これは微妙なところです。企業が相手であれば、MSとしては「Live Communications Server(LCS)」の販売やライセンスフィーで収入を得ることができます。が、個人を相手とした場合、十分なビジネスモデルが描けきれていないのではないでしょうか。

例えばYahooBBがBBphoneで見せたように、ISPであれば囲い込み戦略として位置付けることも可能でしょう。MSNがただのポータルでしかない以上、例えば会員制のIMサービスにするか、広告モデルと連動させるか、といったことになるのですが、コストに見合った収入が得られるかどうか。またあんまりやりすぎると独禁法の問題もあるでしょうし。

個人的にはこれ以上、MSにおいしいところを取られる前に、世界中で相互接続が可能なサービス仕様を整えてほしいですね。それを提供するのが、ISPなのか通信キャリアなのか、また別な事業者になるかは別として。

コメントを投稿