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何でも見てやろう/小田 実

2013-11-27 21:35:45 | 本・雑誌
何でも見てやろう/小田 実

バックパッカーの聖書といえばすっかり「深夜特急」ですが、
それ以前は、この「何でも見てやろう」だったということを知り、気になっていた一冊。

本書は大きく分けて、前半がアメリカへの留学期、
後半がアメリカから地球を時計回りに日本まで帰った記録となっています。
時代は1960年代というまだ海外旅行が縁遠いころ。
例えば、人種差別の問題など、この時代にしか書けないものがありました。

またアメリカに留学した後に、ヨーロッパからアジアを回って帰ったということで、
アメリカとヨーロッパの比較、西洋と東洋の比較というところが、感じたままに述べられていました。
さらに日本と西洋の関係について最終部分に書かれた雑感が印象的でした。
開国以来の日本にとって、西洋に対しる時代としては、3つの世代に分けられる。
一代目は、西洋の夢に取り憑かれた世代。
日本のココロはそのままだったので良くも悪くも西洋かぶれであった時代。
二代目は、本物の西洋に触れた世代。
本当の西洋に触れたため、一代目が西洋かぶれという矛盾に気付き悩む時代だった。
そして三代目は、生まれた時から西洋が生活の中にあった世代。
それはつまり「西洋」自体が抱える問題に自分たちも悩まされ始めた時代でもあった。
と同時にアジアを意識せざるおえない時代でもある。
この三段まとめが秀逸でした。

これを読んだ時、同じことがインターネットとリアルの関係についても
言えるということを思い出させました。

つまり、一代目って素晴らしいという魅力に惚れた時代。
二代目は、リアルとネットの間で悩む時代。(僕ら30代はここでしょうか…)
三代目は、生まれた時からネットがあった世代。

海外体験もインターネットも
未知なるものとのコミュニケーションというところでは同じなんでしょう。
この三代に渡る時過程を経て、次の時代ができて行くのだと思います。

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