引き続き、ルーマニア人の温かさの話題です。以前も記事にしていた「最終バスの親切サービス」~終着駅に到着した最終バス、これがバスの車庫に戻っていくルートでお客さんを乗せてくれるという話。ここでは運賃も支払わないので、正確にはお客さんではないけれど。(以前の記事を先にご覧下さるとわかりやすいです、こちらから。)
この親切サービスにすっかり味を占めたワタクシ、マドモワゼル。このサービスをけっして忘れません。~その後の大雪のクリスマスに、マイダーリンといっしょに友人宅におよばれしてから帰り、最終バスで帰着したのが同じ駅。
ここから我が家に向かうにはバス路線も無く、30分ほど歩くしかないです。凍りついた雪道を歩き始めたマイダーリンに、「このバスが私たちを乗せてくれるって言うから。」と、手招き。バスの運転手さんと交渉し、バスの車庫に戻るルートで乗せてもらうことにしたのです。
「バスは、私達の家の近所で眠るの。バスはそこまで空で行くけど、その途中、乗せてもらえるの。」~ダーリン、このサービスを知らなかったようです。
このような厚かましい(?)お客は、大阪のおばちゃん出身のマドモワゼルだけではありません、バスの戻るルート上に帰る2~3人が、同じようにバスの運転手さんに申し出て、いとも簡単に乗せてもらっています。
そして、「2度あることは3度ある」~日本のことわざは、東欧の国ルーマニアでもまた、真実を言い当てています。
先週、友人の誕生日パーティにおよばれ。気のあう仲間ばかりですっかり話し込み(このときはルーマニア流パーティで見られるダンスは無し)、最終地下鉄もほぼ終わり&バスも終わりかけの時間帯。集まっていたのはラン仲間、日ごろ鍛えている脚にモノを言わせて歩いて帰ろうという人たちばかり。三々五々、めいめいの方向へ。
たまたまパーティ会場のレストランが私の見知ったバス終着駅の近く。そのバス停まで出てみると、一日の任務を終えたところのバスがいっぱい。最終報告をして、これからバス車庫へ戻ろうというところ。
「この先の大通りまで、乗せてもらえますか。」
「どこの通り?」
「○○通り。」
「そこ、通るから、乗せてあげるよ。でも、ちょっと待って、バスを掃除するから。」
交渉成立。このバスの運転手さん、ほうきを取り出し、簡単にバス車内のホコリを外に掃き出しています。
「わたし、掃除しますから。」
「いいよ、待っていて。」
やります、と言ったものの、まさか見知らぬアジア人に箒を譲ってもらえるわけもなし。掃除はものの5分もしないうちに終わり、「じゃあ、帰るよ。」、運転手さんと二人旅。
じきに大通りに入り、運転手さん、最初のバス停で止めてくれました。ここはすでにこのバスのルートではないので、止まる義務もなし。「もうちょっと先です。」~運転手さん、もうひとつ先のバス停で止めてくれました。まさに私の家の最寄り駅。乗客は私のほかになし、バス停で待っている人も乗ってくる人もなし、これはバス車庫に帰るバスだから。
何度もありがとうを言って、日本式の最敬礼のお辞儀をして、バスの運転手さんに感謝の気持ちをあらわします。とくにチップを渡すこともありません、ほかに乗り合わせたルーマニア人も誰も何も払っていません、これは無償のサービス。
時として、携帯電話で話し込みながら運転している運転手さん、サンドイッチなど食べながら運転している運転手さん、さらに運転席に知人を乗せて話しながら運転している運転手さん(注:参照)。以前には、早く家へ帰りたいからといって、最終バスの運行を取りやめて勝手に帰ってしまう運転手さんもいたとか。
いろんな運転手さんがいてちょっとびっくりするけれど、臨機応変のサービスはルーマニアならでは。いい加減なところもあって、それを補って余りあるのが「最終バスの親切サービス」。きっとこれからもまたお世話になると思うけれど、よろしくお願いしま~す♪♪
一番上の写真、行き先番号表示の電光掲示板に「PA」と出している最終バス。「PA」はルーマニア語で「バイバイ!」、このバスの運転手さん、茶目っ気ありますね~。(もちろん普通は、番号表示で走ります)
注:
ブカレストのバスは、運転手に改札の仕事は無く、運賃や切符のやり取りもなくて、運転席と客席が全面ガラスで仕切られています。そのため、通常は運転手と乗客が話をすることはありません。バスに乗り込む前に行き先を聞くときは、運転席側のドアから運転手さんに話しかけます。乗るときはその横の乗車口から。
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もしブカレストでブロックを買う(無理だけど)なら、バスの車庫の近くに住みなさい。
ですね
ありえないことがあるのが、ルーマニアの魅力!!