ルーマニア・ランニングライフ★Romania Running Life★

ダーリンはルーマニア人、マラソンシューズ゛と共に過ごす首都ブカレストでの日々。東欧の神秘ルーマニアを探索中+ラン遠征。

ポドゴリッツァ・マラソン、雑感

2012-10-30 | 海外&ルーマニア・マラソン大会

 
『参加料無料・宿泊無料・シャトルバス無料のマラソン大会』、これはお買い得!(~マラソン大会にお買い得もあったものではありませんが・・・)と出かけていったモンテネグロでのマラソン大会。・・・う~ん、たしかに今年は参加者が少なくて、7位に入賞しました~女性出走ランナーは12名だけ。私のゴールを最後に、女性ランナー達は途中棄権。女性最終ランナーでも7位入賞。お買い得??
 
国際色を出そうと、ケニアやエチオピアランナーを招待。女性も優勝したのはセルビア人ランナー、オリヴェラ選手で、アテネ五輪女子マラソンも走っている実力者。(その後故障が相次ぎ、昨年トリノマラソンで2時間32分で5位入賞したものの、再びの故障で今年のロンドン五輪には出場できず。今年も来月のトリノを走るので、このポドゴリッツァは練習レース、悪天候なので自分をプッシュしないわ~と、スタート前の更衣テントで話をして知りました!) 男女とも優勝賞金は3000ユーロ、続いて2位=2000ユーロ、3位=1000ユーロと、中東欧開催では高額。お買い得??
 
小さな国、モンテネグロで開催、外国人ランナーを集めるため宿泊無料も明記されていますが、用意された宿泊施設は高校の教室にマットレスを並べただけの簡易宿泊所。当然ながら男女別も無く、雑魚寝状態。教室への鍵も無く、荷物を置いて外出も出来ません。この状況を受け入れがたくて、私達のグループを始め、何人かが急遽、ポドゴリッツァ市内でホテルを探す羽目に。何度か参加しているらしい隣国のセルビア人ランナーたちは、この宿泊施設の状況がわかっているのであらかじめ別に宿をとっています。
 
まあ、今年は前日にポドゴリッツァ入りしたときからずっと雨だったので、食料や飲料水を買出しに行くだけが精一杯。ベオグラードから夜行で12時間近くかけて移動してきたこともあって、とにかく身体を休めることができればいいのですが、シャワーも浴びたいし、暖かい部屋でゆっくりしたい私達は、駅近くのホテルを探し当てました。
 
マラソンを走ることだけに関して言えば、ポドゴリッツァのコースはアップダウンもほぼ無く、カーブもほとんど少なく、広い直線道路を一気に進むので、走りやすいコースであることは確か。
 
気象条件は、今年は雷鳴轟く暴風雨でしたが、昨年はかなり暑かった模様。今年のスタート時の気温20℃からして、想像できます。雨でも気温20℃、これで晴れていればポドゴリッツァの10月は何度に気温が上がるのかな。給水所では十分な量の水のボトルがあったけれど、気温上昇して、飲用だけではなく水をかぶるランナーが出てくると、大丈夫かな。昨年が暑かったので、今年は十分すぎるほどの水が用意されたのかな。
 


距離表示は、5キロごと。時計を見ながら走るタイプのランナーにとっては、1キロごとに表示が欲しいけれど。女子6位入賞したリディアは、まったく時計を見ないで走るそうです。「あなたの最初の5キロのペースが良かったので、きっと良いタイムが出ると思ったわ。」と、そのとき背中を見ながら走っていた私がゴール後に伝えると、「何も見ていないのよ。時計は気にしないの。」と。
 
給水は、最初のポイントの5キロ地点以降、2.5キロごとに設けられていて、水不足の心配は無し。ただし、供給されるのは、ペットボトルの水・レモン・ブラウンシュガーのみ。エナジードリンクの類は無し。ほんとうのところを言うと、レモンよりもバナナかオレンジが欲しいところ。
 
でも、私が走っているとき、沿道の一般の子供がマンダリンオレンジを差し出してくれました、しかも皮をむいてくれている==。男子グループと一緒に通過したので、前の男子選手が受け取りました~ワタクシ、マドモワゼル、よっぽど欲しそうな顔をしていたのか、マンダリンオレンジを受け取ったその男子ランナー、ちょうど半分にして私にも分けてくれました♪、ありがたや~、これが唯一の給食。
 
走りながら私が心配になったのは、雷鳴と大雨の中、ずぶ濡れになっても一生懸命ボトルを差し出してくれる子供達。オフィシャルの給水所なので、きちんとボランティアとして集められているはず。でも、雨をしのぐ一切のウェアーを支給されず、給水所はテントも無く、綿100%のマラソンTシャツを着ているだけ。あの雨で、まったくもって濡れているはず。走っているランナーにとっては何とかしのげる気温だったけれど、その場を動かない給水係となると、冷え込みかたも違うはず。「君たち、大丈夫??」と声をかけたほど。もちろん、「All right!」と答えが返ってきたけれど。
 
ゴール後は、授賞式を踏まえた記録発表が覆されるという不手際。これは、記録計測チップを採用していないことが主たる原因。10時スタートのマラソンで、17時に公式記録発表。それまでの間にパスタ・ランチがランナーに振舞われ、待ち時間を過ごすことについては問題が無かったけれど。
 
フィニッシュのあと、体育館でのシャワーも用意されています~私達は宿泊したホテルに戻ったので、体育館のシャワーは利用せず。このシャワーが温水か、または水だけかは、未確認。シャワー設備があるといっても、必ずしも温水が出るとは限らないのがヨーロッパ。この地でシャワーを目にしても、素っ裸になってシャワーブースに飛び込む前に、温水が出るかどうかを確認するのは、当たり前!
 
荷物預かり・男女別の更衣室については、女子の場合、問題なし。何といっても今年のマラソン出走女性ランナーは12名だけ+ハーフマラソンもありますが。テントは男女とも同じ大きさのテントが用意されていたので、男子については手狭感があっても致し方なし。ちなみに、私がゴール後テントで更衣を終えると、ほどなくしてテントを片付け始めました。ちょっと早いんじゃないの~~、女子の制限時間は5時間のはず。・・・いいえ、ワタクシ、マドモワゼルが女性の最終ランナーだったのです!!(記事はこちらから)
 
もうひとつ不手際をあげるなら、前日にベオグラードからの一般市民ランナーを運んできたチャーターバスが到着したとき、まだナンバーカード交付の準備が出来ておらず、さらに主催者手配による宿泊施設に入るにも準備が出来ていなかったこと。このバスは大型観光バス、満席で50名ほどを運んできて、到着予定時刻がわかっているにもかかわらず、私達はただ、待て、の状態。
 
もちろんその間に買出しに行き、お昼ご飯も済ませたけれど、いっさいがっさいの荷物を背負いながら。到着即時にナンバーカード交付が出来て、宿泊施設の確認が出来たならば、もう少し効率的に行動が出来たはず。
 
ポドゴリッツァ・マラソンについて、気づいたことをすべて書きとめたつもり。ルーマニアから4泊5日(うちホテル泊は1泊、車中泊3泊)をかけて参加したモンテネグロでのマラソン。「A fost frumos?」(=良かった?)ときかれても、「Ba da!」(=もちろん!)とは答えられない印象を持ちました。

『参加料無料・宿泊無料・シャトルバス無料のAIMS公認マラソン大会』、web-siteで見つけた外国人ランナー招致のうたい文句を強調して日本語で伝えたのはワタクシ、マドモワゼルですが、いかに無料とはいえ、満足できないものが多々、ありました。距離計測が正確であることだけがAIMSの基準ではないはず。
 
給水所でランナー達にウォーターボトルを出してくれていた子供達、あんなにずぶ濡れになって、大丈夫だったのかしら。一人の子もサボることなく、ずらりと並んで十分な量のボトルを差し出してくれました。子供たちの一生懸命さだけが光ったマラソン大会でした。

もうひとつ、あえて書き残すならば:


ワタクシ、マドモワゼル、この大会での順位成績は、女子総合7位、かつ年代別優勝。web-siteの英語バージョンで確認する限り、7位入賞200ユーロ、年代別優勝40ユーロ+トロフィーとメダル・賞状。

が、授賞のときにいただけたのは、総合順位による賞金のみ(このときは女子総合8位と発表されていたので、賞金100ユーロを受領)。「あなたには読めないだろうけれど。」と前置きして示されたのは、モンテネグロ語で書かれた大会パンフレットの一文~「総合入賞した者は、年代別入賞から除外する」(~と書かれているらしいです)

せっかく用意されているはずのトロフィー、気になって「年代別優勝のトロフィーだけでも、いただけないのですか?」とたずねてみると、「総合入賞と、年代別優勝、どちらかを選ぶことになります。」との答え。総合での入賞のほうが賞金が良かったので、ぐぐぐ・・・と詰まり、総合入賞での賞金をもらったことで、納得しました。

でも、ここでここで引き下がらないのがルーマニア人たち。「ヒロコ、年代別優勝のトロフィーはちゃんと用意されているんだよ。賞金はもらえないにしても、トロフィーだけはもらうべきだよ。」と応援してくれて、「僕が一緒に掛け合ってあげるから。」とほんとうに主催者のところへ付いて行ってくれました。

2度目の交渉でも、「ルールはルール。」と厳しく言われ、それ以上は強硬に要求できませんでした。
ほぼ、あきらめた私に、「ヒロコ、これでほんとうに良いの?あのトロフィーはヒロコのものだよ。日本へ持って帰るんだよ。」と、もう一度、応援してくれて、3度目の交渉に。

主催者の中の一人も、「君がもらうことは、僕も正しいと思う。でも、ビッグ・ボスの判断によるんだ。」と応援してくれて、ビッグ・ボスもついに了承。トロフィーを手渡してもらうことができました。

「私のこの大会での目標は、このトロフィーでした。」、ビッグ・ボスにもお礼がてら伝えたけれど、一緒にここまで来たルーマニア人ラン友たちの後押しが無ければ、持って帰れないものでした。

「最終ランナーで入賞だなんて・・・。」と、恥ずかしく思って強気に出ることが出来なかったけれど、「ヒロコは素晴らしいランナーだよ。僕達の誇り。」と後押ししてくれたルーマニアのラン仲間達に感謝&感謝。こんな仲間に恵まれて過ごしているルーマニア・ランニングライフ。


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4 Comments

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おめでとうございます! (あくび)
2012-11-02 11:31:41
女子でゴール最終とはいえ、大雨の中での立派な完走。おめでとうございます! 横入りの女子の顛末とか(同じようなケースをNYタイムズで読んだことがありますよ)、ずぶ濡れになりながらがんばってくれたお子さん達とか、お気持ちは複雑かと思いますが、入賞は入賞。トロフィーも両方持って帰れて良かったーー♪
あくびさまへ (マドモワゼル・ヒロコ)
2012-11-03 06:49:19
陸路の移動とか、悪天候とか、いろいろあったモンテネグロ遠征。これは、旬のうちに&忘れないうちに書き留めておこう、と、細かく書いたところ、きちんと読んでくださってありがとうございます==。

でも、最後には良い落ちがついたので良かったかな~と。
Unknown (三升)
2012-11-03 13:26:27
いい仲間を持って幸せですね~。押しの強さ、さすがですね。

でも、4泊5日はキツいな(笑)
三升さまへ (マドモワゼル・ヒロコ)
2012-11-04 03:23:56
> でも、4泊5日はキツいな
そうなのです、行き車中2連続泊、さすがにマラソン前日は、ちゃんとしたところに泊まりたくなりますよね~。

帰りもマラソンを橋ってその夕方に夜行バスでした。そこから9時間かけてブカレストへ到着。一緒に行ったうちの一人は、さらに夜行で地方都市へと帰っていきました。

陸続きとはいえ、道路・鉄道事情が整っていないと、とんでもなく時間がかかります。

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