鴨が行く ver.BLOG

鴨と師匠(ベルツノガエル似)と志ん鳥のヲタク全開趣味まみれな日々

短編集の愉しみ

2011年06月26日 17時29分15秒 | ゲーム・コミック・SF
久々のSF読書録でも。

人間の手がまだ触れない/ロバート・シェクリイ、稲葉明雄他訳(ハヤカワ文庫SF)


その昔、筒井康隆御大が「和製シェクリイ」と呼ばれていたそうで、それぐらい往時の日本SF界に影響を与えてきた短編の名手です。が、50~60年代にありがちな熱気溢れるバリバリのSFではありません。鴨が一読してのイメージは、限りなく星新一に近いですヽ( ´ー`)ノものに寄っては「SFじゃないだろ、これ」って作品も結構あります。そもそも一つ一つの作品がかなり短いですし、筆致も軽いですし、続けて読むと正直ダレる箇所も無きにしもあらず。良くも悪くも「古い」感じです。

が、そこかしこに間違いなく「SF」の感性がきらりと光るので、気を抜けないんですよねー。
鴨が一番好きなのは、「体形」という即物感極まりないタイトルの作品。何じゃそりゃなタイトルなんですが、侵略目的で地球を訪れた不定形異星人が体験する価値観の変容を描いた、実にSFらしいアイディア・ストーリーです。ラストシーンの瑞々しさ、清々しさが素晴らしい。SF者なら誰もがグッとくるラストじゃないですかね。
この作品に限らず、またSFか否かに関わらず、彼の作品に通底するテーマの一つに「価値観の変容」が挙げられるのではないかと思います。「体形」のように生き様さえ変えてしまうインパクト大の変容から、表題作「人間の手がまだ触れない」のように「これ食えるのか!?」レベルのモノまで(笑)実に多種多様。気軽に読める作品ばかりなので、SF疲れした時に読むと良いかもしれないヽ( ´ー`)ノ

さて、次はバリバリのハードSF行きます!(-_☆
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