鴨が行く ver.BLOG

鴨と師匠(ベルツノガエル似)と志ん鳥のヲタク全開趣味まみれな日々

最近読んだSF 2015/7/13

2015年07月13日 22時32分10秒 | ゲーム・コミック・SF
いやー、暑くなってきましたねー(^_^;
先日観てきたお芝居がすごく良かったです!が、良過ぎてレビューを書く気力がまだない、ということで、先日読了したSFのレビューをば。

黒い破壊者~宇宙生命SF傑作選/中村融編(創元SF文庫)

いいですねー!読み応え十分、SFならではのエレガントな短編集です。

地球人類以外の宇宙生物・宇宙生命をメインテーマに据えた日本オリジナルの短編集。雑誌掲載後に単行本されなかった幻の作品を敢えて取り上げるとの方針の下、なかなかお目にかかれない珍品が粒ぞろい。
いずれも1960~70年代のかなり古い作品ばかりです。が、21世紀の今読んでも、ほとんど古びていない確固たる世界観と生態系の構築。鴨の個人的な感触ですが、SFの本質とは「変容を描く文学」だと思っています。凡百の地球人類には想像もできないような、異質で、でもその存在を否定することはできないような世界の構築。そうした題材を描き出すキャンバスとして、生態系の構築はうってつけの題材なんですね。

SF者なら知らぬものはいないであろう、ヴァン・ヴォークトが生み出した怪物「ケアル」はまぁ別格としても、鴨的にはジャック・ヴァンスの構築した世界観のさすがの貫禄が印象的。徹底して地球人類の目線で淡々と描写しながらも、異星生物の未来への挑戦を詩情豊かに描き出したこの美しさ、並行して成立するSFサスペンスとしての完成度。華やかさやキャッチーさからは無縁ながらも、渋いカッコ良さに痺れましたね!これだから古いSF読みはやめられませんよ!

他の作品も読んで損はない佳作揃いですので、SF好きな方はぜひチャレンジして欲しいですねー。
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