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黒いオルフェ

2012-04-19 23:00:18 | ★★★★★★★★☆☆
監督 マルセル・カミュ
キャスト ブレノ・メロ、マルベッサ・ドーン、マルセル・カミュ
1959年 ブラジル、フランス、イタリア
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
ギリシャ神話のオルフェウス伝説を基にしたブラジル詩人ヴィニシウス・デ・モラエスの戯曲を、マルセル・カミュ監督がリオ・デ・ジャネイロに舞台を置き換えて描いた魅惑編。リオのカーニバルを翌日に控えた日、田舎から出て来た少女ユーリディス(マルベッ・ドーン)は、市電の運転手オルフェ(ブレノ・メロ)と知り合い、カーニバルを通して深く愛し合うようになる。しかし、オルフェには将来を約束された婚約者がいた…。

【感想】
今までにかなりの数の映画を鑑賞していているにもかかわらず、これだけ強烈な個性を放つ作品はそうそうお目にかかることはできません。

これも全てサンバの熱狂とギリシャ神話という一見すると全く異質な組み合わせによるもの。両者には共通点がないように思えるものの、サンバ自体がアフリカの宗教的民俗舞曲がルーツであるためか見事に融合していました。そうサンバとギリシャ神話の関係は対比ではなく融合なのです。特に気持ちを高揚させるシーンで威力を発揮していたと思います。なぜこんな組み合わせを考え付いたのか、聞いてみたいくらいです。

成り行きのような形で婚約者とごく普通な人生をおくる予定であった主人公オルフェの前にある日、一人の女性ユリディスが現れたことにより、オルフェは本当の愛に目覚める。しかしユリディスという女性は多くの不幸をもたらすのであった。本当の愛が不幸なものであるという理不尽さがギリシャ神話らしい結論になっています。ユリディスと出会わなければこんな不幸な事故に遭遇することもなかったが、それでも彼は一切後悔していないという愛の尊さを描いた作品であることは明らかです。

ギリシャ神話が題材ということでストーリーそのののはチープに感じられる面もあり、実際にも評価が真っ二つに割れる作品だったりします。批判する人の言い分もよくわかります。それでも本作のような強烈な個性を放つ作品は非常にレアで今後もコンスタントに生み出されて欲しいので高く評価しておきます。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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