「このようにはなかい暮らしのまま、年が明け、元旦を迎えた。
今までずっと私のところでは、世間並みに言忌みなどもしないせいで、
こうも幸せが薄いのかと、起きてにじりでるっとすぐに、
「ねえ、皆さん、今年だけでも言忌みなどして、運だめしをしましょうよ」
というのを聞いて、妹が、まだ横になったまま「申し上げます。
天と地を袋に縫いこめて…)と祝歌をとなえるので、
とてもおもしろくなって・・・
※
「言忌み」は不吉なことを言わないようにすること。
ここでは作者の提案に「言祝ぎ」で応じた。
年頭には、
「天地を袋に縫ひて幸ひを入れて持たれば思うことなし」
という祝歌を三回唱えるという。
(ビギナーズ・クラシックス)
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【「天地を袋に縫ひて幸ひを入れて持たれば思うことなし」
という祝歌を三回唱えるという。】
の部分を調べていると、これは『天地の袋』と呼ばれているようで、
辞書には、
「女子が、新年に幸福を多く取り入れるようにと上下を縫い合わせて作る祝いの袋。
春袋 (はるぶくろ) 。天地 (てんち) 袋。」
と載っていました。
画像検索では出てこなかったけれど、どんな袋かしら。
(↑菅原道真ゆかりの地、大宰府天満宮のお守り)
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言忌みかぁ。蜻蛉日記でも読もうかと思った本日は1月2日。
今年の1月1日のブログ初っ端から、
愚痴のような事を書いてしまった・・・。
と気づくのも時すでに遅し。
晴々とした気持ちで新年をすごしたいものですものね。
でも、今からでも遅くないかな。
と、とりあえず天地の袋を3回唱えてみたのでした。
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