フラを良く知る方ならご存知のとおり、フラというのは世界でも類を見ない色っぽい踊りです。
ハッキリ言ってなまじのベリーダンスよりよほど色気があります。フラほどじゃないとは言え、人生の半分以上ベリーダンスやってる私が言うんだから間違いありません(笑)。
って、ハワイアンズのフラガール達のような露出度高めの若いお姉ちゃん達を指しているわけではありませんよ。
彼女達に色気を感じる人からはちょっと理解されないであろう部分、もっと「踊りそのもの」そして「踊りと一心同体である曲自体」が持っている色っぽさです。
そもそも曲で歌われている内容がスゴいのばっかりだからね(笑)。
渡辺淳一先生に言わせれば「日本人は本来好色だ」そうですが、もしもこれが本当だとすると(それでも先生ほどではないですよとは一言申し上げておきたいけどw)、フラがこれだけ日本で浸透するにあたり、ハワイアンソングの色っぽさも一役買っているのではないかという気がします。
まあ、日本古来の演歌とかお座敷で歌われる系統の唄にもスゴいのが結構ありますから、これはあながち穿った見方ではないかも知れません。
ただし…というより、それだからこそ、フラというのは基本的に動きにおいては色気を前面に出しません。
「動きにおいて色気を前面に出しているダンス」といえば、バーレスクダンス辺りがそうといえましょう。これはダンスの性格を考えても当然ですね。
あと、ベリーダンスの一部にもバーレスクダンスと同じ役割を果たして来たジャンルがあり、この傾向があるといえます。
ただ、ベリーダンスはいまでは非常に細分化されているため、世間一般の認識に比べて、「色気を前面に押し出すベリーダンス」は案外ごく一部にすぎないんですけどね。
フラにおける色気はもっとこう、明確な形を取らず、ほのかにどこからともなく匂い立つものでなければなりません。
あからさまに表現してしまうと、乙女や淑女に相応しく無い、下品な代物になってしまいます。
逆に言えば、あなたが乙女でも淑女でもない場合は、あからさまに表現しても大丈夫ですよ(笑)。
例えば男性。メン・オブ・ワイマープナのOBの皆さんがメリモ前夜祭で踊られた曲の中には、例によって例のごとくソッチ系の内容の曲も含まれてまして、それを踊っていらっしゃる時のチンキー・マーホエさんときたらもう、今までに見た事も無いほど楽しそうな笑顔で、本当にあからさまに踊っていらっしゃったのですが(笑)、私はそれを下品とは思わず、とても好意的に拝見しました。
また、カレオ・トリニダッドさんのところのカネは、別に歌詞内容がそれほどスゴイ事を言っていない時でも、アミの際などにいちいち若手イケメンダンサーに明らかに女ウケを狙った踊り方をさせています。
このように、カネダンサーがチャーミングにセクシーに踊る事は、ダンサーの年齢を問わず好ましく観客の眼に映る事が多いです。
そりゃ、色気をあからさまに出さない上品な紳士ダンサーも、私の大好きなところではありますけどね。
そしてクプナの女性!!
最もあからさまに色気を…というよりエロを前面に出す資格があるのは、クプナダンサーだと私は思います。
それも、真面目な踊りはすでに充分なキャリアを積み、有り余るほどの技量を持った女性が、敢えて「しでかす」のこそが最高の贅沢、至高のフラなのでございます。
見出し画像のお方こそはそういう意味でネ申とも崇められるべき存在であり、意味ありげな視線ひとつ、スカートのつまみ方ひとつで観客を熱狂させるこのネ申の領域に達するためには、何度も申しますようにそうとうたっぷりと鍛錬を積まねばなりません。
私なんかじゃまだまだとてもムリ。数十年後にこの領域に達する事を夢見て、今はひたすら真面目路線で精進している段階です。
では、私と同じく今はまだネ申クプナの領域にはほど遠い(=世の中の大多数の)ダンサーが曲に相応しい色気をあからさまでなくさり気なく匂わせるためには、果たしてどうすれば良いか。
正しい例を示すためにはどうしても実際にお見せするしかありませんので、それは現実でのレッスンの機会に譲るとして、ここでは例によって例のごとく悪い例から逆説的に検証する事と致しましょう。
何時も言っておりますように、特定の個人または団体をあげつらうものではない事を、改めてここに明言致します。
これから例示するのはあくまでも架空の人物または団体である事をお含みおきくださいね。
色気を出そうとするあまりイタいものになってしまったフラを私はヒワイアンダンスと呼んでおります。
つまり、そういう呼称が必要になるほど、こういう路線に行ってしまっているイタいフラ・ダンサーが多いという事。
では、ヒワイアンダンサーになる事を回避すべく、彼女らの要素をひとつずつ検証して参りましょう。
(1) 過剰な姿勢によって体型をカーヴィーに見せかけようとする。
自分は美しいと思いたい、または完全に思い込んでいるワヒネダンサーにありがちな傾向です。
また、このテの人は「若い=美しい」「痩せている=美しい」という固定観念に囚われている事も大きな特徴です。
そりゃ現代日本に住んでたらこの価値観が刷り込まれていても不思議じゃないよ、不幸な事にね。
でもフラをやるんだったら、この価値観からは解放された方がいい。これに囚われている限り、とうてい魅力的なダンサーにはなれないし、そもそも何が本当の魅力か分らないままフラ・ダンサーとしての生涯を終える事になるでしょう。
もちろん、若くても痩せていても、美しいダンサーはいます。でも決してイコールじゃないよ。
それだけでダンサーを判断してしまうと、そのダンサーの「フラそのもののセンスや技量」がまったく見えなくなってしまうので、この日本らしい美的感覚は一度捨てた方がよろしいでしょう。
閑話休題。
ケース(1)のヒワイアンダンサーさんは、美の基準を若さやスタイルの良さに求めますので、それを自分の踊りにおいても前面に押し出そうとします。
よって、上図のイラストのようなものが多く見られますね。すなわち、踊っている最中の姿勢において、尻や胸を必要以上に出っぱらかすことで、カーヴィーでセクシーな体型を演出しようと奮闘するわけです。
しかし、そうやって一生懸命セクシーにしようとしている姿からは痛々しさしか漂いません。
先程から申し上げているとおり、フラの色気とは内面から匂い立つものですので、体裁ばかりセクシーに取り繕おうとしても、却って本人の色気の無さが露呈されるばかりで痛々しくなるのです。
そもそも、フラにおける美しい姿勢は「リラックスしていながらも真っ直ぐ一本の芯が通っている状態」ですので、尻や胸を突き出せば軸がズレますし、突き出すために要するムダな力が入っている状態も美しくありません。
ちなみに、同じような痛々しいダンサーはベリーダンスの世界にも見られます。
何とかして色っぽくしようとし、踊りの中で一生懸命髪をかきあげてみたりしている姿を見ると、正直見ている方がツライ(笑)。
なんだかねえ、頑張って無理矢理色気を出そうとしているダンサーを見ると、私ゃ化粧して舞台でパフォーマンスするジョンベネちゃんを観た時と同じ痛々しさを感じてしまうんですよ。
彼女の肩を叩いて、そんなに無理しないで、と言いたくなるんだなあ。
教訓。
色気は「カタチ」ではないんです。「ニオイ」なんです。
カタチでしか色気を表現できないのなら、もういっそのこと無理してセクシー路線など狙うのはやめましょう。
(2) 過剰な腰振り。
かの文豪・三島由紀夫氏でさえ『鏡子の家』の文中で「布哇の腰振りダンス」と形容していたくらいですから、フラは腰を振るものだと思い込んでいる人は少なくありません。
しかし、自分がフラをやったのなら、早々にその思い込みは捨てましょう。
フラの腰は「揺らす」のではなく「揺れる」モノ。もっと言うなら、ステップについてくるものでしかありません。
さらに、腰自体を振らないのはもちろんの事、思い通りに動かない腰を、膝やカカトをパコパコする事で誤魔化そうとするなどもってのほかです。
私が言っているのは、やけに日本人が拘泥している「カカトを持ち上げる流派云々」とかそういう話じゃないですよ。どんな流派だろうと、自然にやっていれば何ら問題ないのです。
問題なのは、わざとらしい腰振りや足運びなのですから。
下半身の動作がわざとらしいダンサーは、下半身なだけにヒワイアンダンサーになるおそれが非常に高いです。
そして、尻を振る事にやたらこだわるダンサーは十中八九ヒワイアンダンサーです(笑)。
教訓。
足運びが自然に行えない入門段階においては、腰振りの事などとりあえず考えず、正しい体重移動を行う事と、上半身のムダな動きを抑える事に専念しましょう。
それらの努力が、やがていつか美しくスウェイするヒップをもたらしてくれるはずです。
もちろん、あなたが学んでいるフラがそもそも正しいフラなら、の話ですが。
(3) 服装が可怪しい。
コレ、「可怪しい」にするか「可笑しい」にするかで随分悩みました(笑)。
ヒワイアンダンサーさんはその性質上、露出をやたらに好みます。
1枚目のイラストのように、タヒチアンでもないのにココナッツブラを装着してみたり、ハパハオレフラでもないのにセロファンスカートを着たり、ヘソ出し脚出しの機会を逃さないのはもちろん、一見すると肌の出ていないドレスであっても、必要以上にボディコンシャスだったりします。
まあ、美しいダンサー(日本的な意味で)が着れば一部の男性諸氏の目を悦ばす事が出来るかもしれませんが、悲惨なのは下図のケースです。
脚をできるだけたくさん出したいためか、それとも生地の質および分量をケチっているのか(笑)、充分に脚が開かないほどタイトなスカートに深いスリットが入った代物を着たダンサーがガニ股で踊っている。
もはや悪夢です。
これはいかにドスケベなおっさんでも見せられたくないだろう(笑)。
フラが美しいか否かを決定づける要素として、足運びは結構重要です。
そして、普段パウでしか練習しない人は自分の膝周りの動きがあまり見えず、きょくたんな話自分の脚がどれほど汚い動きをしていようと気づかないという絶望的事態と隣り合わせです。
ましてパウの下にペチコート穿いてるとかもってのほか。そういう人がいきなり舞台でスリットの入ったタイトスカートを穿いて公然猥褻状態が発生したとしても、私は全く驚きません。
そこへもってきて本当に上手な人だと、脚がムダに動く事が無いため、伸縮性の無いタイトなスカートで踊ってもスリットなど入っておらずともスムーズに踊れますし、仮に入っていたとしても、そこから汚い脚がにょっきにょっきと公然猥褻なんて事は決してありません。
そんなわけで、スタジオMではステージ衣装などいろんな服装でレッスンするように、特にパウだけしか着ないという事は絶対にしないようにと、生徒さん達に常日頃からお話ししています。
教室指定のパウがあるとことか…どうしてんだろ…。
舞台で一切スリムなラインのスカートを履かないのかなあ……。
あと服装についてもう1つ。
これは流石になかなか無いだろう、無い事を祈りたいという、衝撃の衣装です。
コ…コレ、某掲示板のディズニーハロウィーン仮装スレでさんざん罵られているミニスカ&エロアレンジのプリンセスコスチュームと同系統の、激安の殿堂発祥のコスチュームじゃないですか
いえ実際に見たのはナースではなく別のコスプレだったんですけれども(教室の特定を避けるため何のコスだったかは言いませぬw)、マジでこういうたぐいのテラテラした素材で露出度の高い超ミニのコスチュームでフラを踊っていて、よりにもよってフラ雑誌にまで載っており、衣装を決めた人物と雑誌に載せた記者双方の品位を激しく疑ったものです。
ちょうどこのナース服で病院の曲(なんだそりゃ)を踊るような感じで、「意味に合わせて衣装を選びましたぁ☆」と雑誌にも書いてあったのですけど、それにしてもねえ……。
こんな格好で人前で踊ったのをフラについて何も知らない人が見たら、フラって昼日中からこんなドン○みたいなコスで踊るわけ?下っ品!!…と誤解してしまうでしょう。
または、ドスケベなおっさんがフラについて困った誤解をし、いかがわしい目的でもって次回以降のイベントに出没してしまうかもしれません(笑)。
そりゃアウアナは何を着たって自由なわけで、曲の意味内容とあわせるためにコスプレじみた格好をしてもいいんですけれども(数年前のメリモでのイカヴェーキウのカネなんて完全なデューク・カハナモクコスプレでしたね、先生方はライフガードでしたしw)やはり「フラ」の看板を背負って人様の前で踊る以上、最低限恥ずかしくない格好をすべきです。
以前言及した練習着みたいな格好に加え、あまりに品のない服装も、同じく厳に慎むべきだと私は思います。
教訓。
若さやスタイルに自信があろうと、無意味な・過度の露出はフラそのものの品位を損ないます。
また、体型や生脚の出る衣装であればあるほど基本は重要ですぞ!
ハッキリ言ってなまじのベリーダンスよりよほど色気があります。フラほどじゃないとは言え、人生の半分以上ベリーダンスやってる私が言うんだから間違いありません(笑)。
って、ハワイアンズのフラガール達のような露出度高めの若いお姉ちゃん達を指しているわけではありませんよ。
彼女達に色気を感じる人からはちょっと理解されないであろう部分、もっと「踊りそのもの」そして「踊りと一心同体である曲自体」が持っている色っぽさです。
そもそも曲で歌われている内容がスゴいのばっかりだからね(笑)。
渡辺淳一先生に言わせれば「日本人は本来好色だ」そうですが、もしもこれが本当だとすると(それでも先生ほどではないですよとは一言申し上げておきたいけどw)、フラがこれだけ日本で浸透するにあたり、ハワイアンソングの色っぽさも一役買っているのではないかという気がします。
まあ、日本古来の演歌とかお座敷で歌われる系統の唄にもスゴいのが結構ありますから、これはあながち穿った見方ではないかも知れません。
ただし…というより、それだからこそ、フラというのは基本的に動きにおいては色気を前面に出しません。
「動きにおいて色気を前面に出しているダンス」といえば、バーレスクダンス辺りがそうといえましょう。これはダンスの性格を考えても当然ですね。
あと、ベリーダンスの一部にもバーレスクダンスと同じ役割を果たして来たジャンルがあり、この傾向があるといえます。
ただ、ベリーダンスはいまでは非常に細分化されているため、世間一般の認識に比べて、「色気を前面に押し出すベリーダンス」は案外ごく一部にすぎないんですけどね。
フラにおける色気はもっとこう、明確な形を取らず、ほのかにどこからともなく匂い立つものでなければなりません。
あからさまに表現してしまうと、乙女や淑女に相応しく無い、下品な代物になってしまいます。
逆に言えば、あなたが乙女でも淑女でもない場合は、あからさまに表現しても大丈夫ですよ(笑)。
例えば男性。メン・オブ・ワイマープナのOBの皆さんがメリモ前夜祭で踊られた曲の中には、例によって例のごとくソッチ系の内容の曲も含まれてまして、それを踊っていらっしゃる時のチンキー・マーホエさんときたらもう、今までに見た事も無いほど楽しそうな笑顔で、本当にあからさまに踊っていらっしゃったのですが(笑)、私はそれを下品とは思わず、とても好意的に拝見しました。
また、カレオ・トリニダッドさんのところのカネは、別に歌詞内容がそれほどスゴイ事を言っていない時でも、アミの際などにいちいち若手イケメンダンサーに明らかに女ウケを狙った踊り方をさせています。
このように、カネダンサーがチャーミングにセクシーに踊る事は、ダンサーの年齢を問わず好ましく観客の眼に映る事が多いです。
そりゃ、色気をあからさまに出さない上品な紳士ダンサーも、私の大好きなところではありますけどね。
そしてクプナの女性!!
最もあからさまに色気を…というよりエロを前面に出す資格があるのは、クプナダンサーだと私は思います。
それも、真面目な踊りはすでに充分なキャリアを積み、有り余るほどの技量を持った女性が、敢えて「しでかす」のこそが最高の贅沢、至高のフラなのでございます。
見出し画像のお方こそはそういう意味でネ申とも崇められるべき存在であり、意味ありげな視線ひとつ、スカートのつまみ方ひとつで観客を熱狂させるこのネ申の領域に達するためには、何度も申しますようにそうとうたっぷりと鍛錬を積まねばなりません。
私なんかじゃまだまだとてもムリ。数十年後にこの領域に達する事を夢見て、今はひたすら真面目路線で精進している段階です。
では、私と同じく今はまだネ申クプナの領域にはほど遠い(=世の中の大多数の)ダンサーが曲に相応しい色気をあからさまでなくさり気なく匂わせるためには、果たしてどうすれば良いか。
正しい例を示すためにはどうしても実際にお見せするしかありませんので、それは現実でのレッスンの機会に譲るとして、ここでは例によって例のごとく悪い例から逆説的に検証する事と致しましょう。
何時も言っておりますように、特定の個人または団体をあげつらうものではない事を、改めてここに明言致します。
これから例示するのはあくまでも架空の人物または団体である事をお含みおきくださいね。
色気を出そうとするあまりイタいものになってしまったフラを私はヒワイアンダンスと呼んでおります。
つまり、そういう呼称が必要になるほど、こういう路線に行ってしまっているイタいフラ・ダンサーが多いという事。
では、ヒワイアンダンサーになる事を回避すべく、彼女らの要素をひとつずつ検証して参りましょう。
(1) 過剰な姿勢によって体型をカーヴィーに見せかけようとする。
自分は美しいと思いたい、または完全に思い込んでいるワヒネダンサーにありがちな傾向です。
また、このテの人は「若い=美しい」「痩せている=美しい」という固定観念に囚われている事も大きな特徴です。
そりゃ現代日本に住んでたらこの価値観が刷り込まれていても不思議じゃないよ、不幸な事にね。
でもフラをやるんだったら、この価値観からは解放された方がいい。これに囚われている限り、とうてい魅力的なダンサーにはなれないし、そもそも何が本当の魅力か分らないままフラ・ダンサーとしての生涯を終える事になるでしょう。
もちろん、若くても痩せていても、美しいダンサーはいます。でも決してイコールじゃないよ。
それだけでダンサーを判断してしまうと、そのダンサーの「フラそのもののセンスや技量」がまったく見えなくなってしまうので、この日本らしい美的感覚は一度捨てた方がよろしいでしょう。
閑話休題。
ケース(1)のヒワイアンダンサーさんは、美の基準を若さやスタイルの良さに求めますので、それを自分の踊りにおいても前面に押し出そうとします。
よって、上図のイラストのようなものが多く見られますね。すなわち、踊っている最中の姿勢において、尻や胸を必要以上に出っぱらかすことで、カーヴィーでセクシーな体型を演出しようと奮闘するわけです。
しかし、そうやって一生懸命セクシーにしようとしている姿からは痛々しさしか漂いません。
先程から申し上げているとおり、フラの色気とは内面から匂い立つものですので、体裁ばかりセクシーに取り繕おうとしても、却って本人の色気の無さが露呈されるばかりで痛々しくなるのです。
そもそも、フラにおける美しい姿勢は「リラックスしていながらも真っ直ぐ一本の芯が通っている状態」ですので、尻や胸を突き出せば軸がズレますし、突き出すために要するムダな力が入っている状態も美しくありません。
ちなみに、同じような痛々しいダンサーはベリーダンスの世界にも見られます。
何とかして色っぽくしようとし、踊りの中で一生懸命髪をかきあげてみたりしている姿を見ると、正直見ている方がツライ(笑)。
なんだかねえ、頑張って無理矢理色気を出そうとしているダンサーを見ると、私ゃ化粧して舞台でパフォーマンスするジョンベネちゃんを観た時と同じ痛々しさを感じてしまうんですよ。
彼女の肩を叩いて、そんなに無理しないで、と言いたくなるんだなあ。
教訓。
色気は「カタチ」ではないんです。「ニオイ」なんです。
カタチでしか色気を表現できないのなら、もういっそのこと無理してセクシー路線など狙うのはやめましょう。
(2) 過剰な腰振り。
かの文豪・三島由紀夫氏でさえ『鏡子の家』の文中で「布哇の腰振りダンス」と形容していたくらいですから、フラは腰を振るものだと思い込んでいる人は少なくありません。
しかし、自分がフラをやったのなら、早々にその思い込みは捨てましょう。
フラの腰は「揺らす」のではなく「揺れる」モノ。もっと言うなら、ステップについてくるものでしかありません。
さらに、腰自体を振らないのはもちろんの事、思い通りに動かない腰を、膝やカカトをパコパコする事で誤魔化そうとするなどもってのほかです。
私が言っているのは、やけに日本人が拘泥している「カカトを持ち上げる流派云々」とかそういう話じゃないですよ。どんな流派だろうと、自然にやっていれば何ら問題ないのです。
問題なのは、わざとらしい腰振りや足運びなのですから。
下半身の動作がわざとらしいダンサーは、下半身なだけにヒワイアンダンサーになるおそれが非常に高いです。
そして、尻を振る事にやたらこだわるダンサーは十中八九ヒワイアンダンサーです(笑)。
教訓。
足運びが自然に行えない入門段階においては、腰振りの事などとりあえず考えず、正しい体重移動を行う事と、上半身のムダな動きを抑える事に専念しましょう。
それらの努力が、やがていつか美しくスウェイするヒップをもたらしてくれるはずです。
もちろん、あなたが学んでいるフラがそもそも正しいフラなら、の話ですが。
(3) 服装が可怪しい。
コレ、「可怪しい」にするか「可笑しい」にするかで随分悩みました(笑)。
ヒワイアンダンサーさんはその性質上、露出をやたらに好みます。
1枚目のイラストのように、タヒチアンでもないのにココナッツブラを装着してみたり、ハパハオレフラでもないのにセロファンスカートを着たり、ヘソ出し脚出しの機会を逃さないのはもちろん、一見すると肌の出ていないドレスであっても、必要以上にボディコンシャスだったりします。
まあ、美しいダンサー(日本的な意味で)が着れば一部の男性諸氏の目を悦ばす事が出来るかもしれませんが、悲惨なのは下図のケースです。
脚をできるだけたくさん出したいためか、それとも生地の質および分量をケチっているのか(笑)、充分に脚が開かないほどタイトなスカートに深いスリットが入った代物を着たダンサーがガニ股で踊っている。
もはや悪夢です。
これはいかにドスケベなおっさんでも見せられたくないだろう(笑)。
フラが美しいか否かを決定づける要素として、足運びは結構重要です。
そして、普段パウでしか練習しない人は自分の膝周りの動きがあまり見えず、きょくたんな話自分の脚がどれほど汚い動きをしていようと気づかないという絶望的事態と隣り合わせです。
ましてパウの下にペチコート穿いてるとかもってのほか。そういう人がいきなり舞台でスリットの入ったタイトスカートを穿いて公然猥褻状態が発生したとしても、私は全く驚きません。
そこへもってきて本当に上手な人だと、脚がムダに動く事が無いため、伸縮性の無いタイトなスカートで踊ってもスリットなど入っておらずともスムーズに踊れますし、仮に入っていたとしても、そこから汚い脚がにょっきにょっきと公然猥褻なんて事は決してありません。
そんなわけで、スタジオMではステージ衣装などいろんな服装でレッスンするように、特にパウだけしか着ないという事は絶対にしないようにと、生徒さん達に常日頃からお話ししています。
教室指定のパウがあるとことか…どうしてんだろ…。
舞台で一切スリムなラインのスカートを履かないのかなあ……。
あと服装についてもう1つ。
これは流石になかなか無いだろう、無い事を祈りたいという、衝撃の衣装です。
コ…コレ、某掲示板のディズニーハロウィーン仮装スレでさんざん罵られているミニスカ&エロアレンジのプリンセスコスチュームと同系統の、激安の殿堂発祥のコスチュームじゃないですか
いえ実際に見たのはナースではなく別のコスプレだったんですけれども(教室の特定を避けるため何のコスだったかは言いませぬw)、マジでこういうたぐいのテラテラした素材で露出度の高い超ミニのコスチュームでフラを踊っていて、よりにもよってフラ雑誌にまで載っており、衣装を決めた人物と雑誌に載せた記者双方の品位を激しく疑ったものです。
ちょうどこのナース服で病院の曲(なんだそりゃ)を踊るような感じで、「意味に合わせて衣装を選びましたぁ☆」と雑誌にも書いてあったのですけど、それにしてもねえ……。
こんな格好で人前で踊ったのをフラについて何も知らない人が見たら、フラって昼日中からこんなドン○みたいなコスで踊るわけ?下っ品!!…と誤解してしまうでしょう。
または、ドスケベなおっさんがフラについて困った誤解をし、いかがわしい目的でもって次回以降のイベントに出没してしまうかもしれません(笑)。
そりゃアウアナは何を着たって自由なわけで、曲の意味内容とあわせるためにコスプレじみた格好をしてもいいんですけれども(数年前のメリモでのイカヴェーキウのカネなんて完全なデューク・カハナモクコスプレでしたね、先生方はライフガードでしたしw)やはり「フラ」の看板を背負って人様の前で踊る以上、最低限恥ずかしくない格好をすべきです。
以前言及した練習着みたいな格好に加え、あまりに品のない服装も、同じく厳に慎むべきだと私は思います。
教訓。
若さやスタイルに自信があろうと、無意味な・過度の露出はフラそのものの品位を損ないます。
また、体型や生脚の出る衣装であればあるほど基本は重要ですぞ!