ブラッカイマードラマの常として、最初の何話かはなかなか視聴者とドラマの間に距離感があって踏み越えられない感じのところがある。まぁまぁ面白いけどね止まりで期待感はあるものの、ハマるというとこまではいかないかなーとか思わせておいて。
そしてあるエピソードで、登場人物の古傷にざっくりとナタを打ち込んで見せる。
リリーは今までプロフィールがよくわからない、正直言ってとらえどころのないキャラクターで、感情移入しにくいと思った人も多かったのではないだろうか。それをこのエピソードで隠された素顔を垣間見せてくれた。
被害者に主人公と似た境遇の人を配置して、感情移入して捜査させることで、普段は見せない素の部分の感情の波が人間臭く見えてくることで、初めて見る側も主人公の心の奥にふれることができる。そしてドラマにも深く感情移入することになるのだ。
・・・・そういう手法だとわかってはいるんだけど、でも不覚にも引き込まれ、というかこれは引き込まれずにはいられなかった。あまりの真実に胸が詰まった。
リリーは初め、トーヤに感情移入しながらもロージーには自分の母親を投影して冷淡で、しかしロージーもまた被害者だと知ったあたりからの心理的な変化がすばらしかった。フリーリーを追い詰めた時にはハッタリでいなかった「鏡の向こう」の少女達を、後から実際に呼んで面通しさせていたところなど、リリーの背中の辺りから青白いオーラが燃えているようだった。
(おお、これが炎の月!あなたはジェニー!・・・とか一部にしかわからないことを言ってみる)
これで、はじめてリリーに「触れた」ような、そんな気持ちになった。
社会のひずみや歪みを、トーヤがその背中の壊れやすい羽根に背負って飛び立って、そして羽根はもがれてしまったんだなぁと思うとあまりに痛ましい。怒りのやり場がフリーリーやロージーの父に向かうあてがあるからまだしも、現実でいうと「実はフリーリーも連鎖の被害者でした」みたいなことになりかねなくて。
どこかでその連鎖を断つすべはないものだろうか。
今回、リリーの表情が微妙になった場面がいくつかあった。
ひとつは大家に「あんた達とは違う」と言われたとき。見終わった後、その時にはわからなかったリリーの過去がわかるようになってから考えると、その表情の意味は色々と感慨深い。
もうひとつはカイト検事補のことをスコッティに持ち出されたとき。これはまだ謎解きがされていないが、あの二人には「これから」ではなく、「かつて」何かがあったという仲なのだろうか。
ボスに「なんだぁ?何か色っぽいことでもあるのか~?」と軽くつっこまれて否定していたが。
スコッティは・・・・わかってて無神経に振舞ってるのか、それともほんとに無神経なのかなと思ってたが、あれは7割くらい天然なような気がしてきた。
この重苦しい内容のドラマの中で、「ヴェラで落とす」というヴェラオチが一服の清涼剤。
白人地域を黒人が歩いていたということで、目立っただろうなという例えで「ビキニ着たヴェラ並みに」。
あと前回だったか、「みんなアルファベットをおぼえるようになったから、ヴェラ以外」というのもあった。出演してる時間は短いのに、ヴェラはもうそういうキャラとして定着している。愛すべきオチなのだ。
【 脇俳優チェック 】
◆大家 .... Svetlana Efremova
「ザ・ホワイトハウス3」18話「忍び寄る恐怖」で、トビーに取材パスを取ってほしいと頼みに来たロシア人女性記者ルドミラ・コスで登場していた。取材スタンスが許せんというのでトビーを怒らせたんだったっけ。
「FBI~失踪者を追え2」4話でもロシア人名の役だが、いつ見られるだろうか。
◆市警のラボ職員 .... Chris Fogleman
「この機械を買っておいたのを感謝しろよー」と言って、文字を浮かび上がらせる機械の威力を発揮してくれたラボの兄ちゃん。
「CSI:4」第10話「歪んだ果実」で、銃を買ったのが嬉しかったもんでつい庭で試射してたら、思いがけず人を殺してしまった間抜けな男、ジョニーで登場していた。
◆清掃職員エンジェル .... Christian J. Meoli
「刑事ナッシュ・ブリッジス」で情報屋兼事務員のボズ・ビショップで登場していた。他には「FBI~失踪者を追え2」の第1話に出てくるらしい。早く見たい。
◆シングルマザーのロージー・マイルズ .... Laura Regan
姉も女優でナンシー・レーガン、といっても大統領夫人ではない(当然)。しかし、姉妹の父はカナダのノヴァスコシア州知事という政治家の家の生まれ。
シャマラン監督の「アンブレイカブル」で、回想シーンの中で主人公(ブルース・ウィリス)の妻の若い頃を演じていた。ホラー映画「インプラント」では主演もつとめている。映画はほかに「恋する遺伝子」など。「CSI:マイアミ3」の7話に登場予定。
イラク戦争で捕虜となり、後に救出されたことで有名になったジェシカ・リンチ上等兵の手記が2003年にTV映画化されている(「Saving Jessica Lynch」WOWOWで9月24日放送予定)が、その中でジェシカ本人を演じている。
◆福祉局監察官フリーリー .... Don McManus
映画では「ナショナル・トレジャー」や「ハンニバル」などに出演。
「CSI:マイアミ」18話「ネディアー・キーレの正体」でテレビレポーターエンリケとして登場。麻薬関係の事件でホレイショに取材に来て「弟さんの事件と関係あるのでは~?」という、導火線に火をつけるようなことをした男。
他には「CSI:5」の8話に登場予定。ゲスト出演は「たどりつけばアラスカ」「NYPDブルー」など多数。
そしてあるエピソードで、登場人物の古傷にざっくりとナタを打ち込んで見せる。
リリーは今までプロフィールがよくわからない、正直言ってとらえどころのないキャラクターで、感情移入しにくいと思った人も多かったのではないだろうか。それをこのエピソードで隠された素顔を垣間見せてくれた。
被害者に主人公と似た境遇の人を配置して、感情移入して捜査させることで、普段は見せない素の部分の感情の波が人間臭く見えてくることで、初めて見る側も主人公の心の奥にふれることができる。そしてドラマにも深く感情移入することになるのだ。
・・・・そういう手法だとわかってはいるんだけど、でも不覚にも引き込まれ、というかこれは引き込まれずにはいられなかった。あまりの真実に胸が詰まった。
リリーは初め、トーヤに感情移入しながらもロージーには自分の母親を投影して冷淡で、しかしロージーもまた被害者だと知ったあたりからの心理的な変化がすばらしかった。フリーリーを追い詰めた時にはハッタリでいなかった「鏡の向こう」の少女達を、後から実際に呼んで面通しさせていたところなど、リリーの背中の辺りから青白いオーラが燃えているようだった。
(おお、これが炎の月!あなたはジェニー!・・・とか一部にしかわからないことを言ってみる)
これで、はじめてリリーに「触れた」ような、そんな気持ちになった。
社会のひずみや歪みを、トーヤがその背中の壊れやすい羽根に背負って飛び立って、そして羽根はもがれてしまったんだなぁと思うとあまりに痛ましい。怒りのやり場がフリーリーやロージーの父に向かうあてがあるからまだしも、現実でいうと「実はフリーリーも連鎖の被害者でした」みたいなことになりかねなくて。
どこかでその連鎖を断つすべはないものだろうか。
今回、リリーの表情が微妙になった場面がいくつかあった。
ひとつは大家に「あんた達とは違う」と言われたとき。見終わった後、その時にはわからなかったリリーの過去がわかるようになってから考えると、その表情の意味は色々と感慨深い。
もうひとつはカイト検事補のことをスコッティに持ち出されたとき。これはまだ謎解きがされていないが、あの二人には「これから」ではなく、「かつて」何かがあったという仲なのだろうか。
ボスに「なんだぁ?何か色っぽいことでもあるのか~?」と軽くつっこまれて否定していたが。
スコッティは・・・・わかってて無神経に振舞ってるのか、それともほんとに無神経なのかなと思ってたが、あれは7割くらい天然なような気がしてきた。
この重苦しい内容のドラマの中で、「ヴェラで落とす」というヴェラオチが一服の清涼剤。
白人地域を黒人が歩いていたということで、目立っただろうなという例えで「ビキニ着たヴェラ並みに」。
あと前回だったか、「みんなアルファベットをおぼえるようになったから、ヴェラ以外」というのもあった。出演してる時間は短いのに、ヴェラはもうそういうキャラとして定着している。愛すべきオチなのだ。
【 脇俳優チェック 】
◆大家 .... Svetlana Efremova
「ザ・ホワイトハウス3」18話「忍び寄る恐怖」で、トビーに取材パスを取ってほしいと頼みに来たロシア人女性記者ルドミラ・コスで登場していた。取材スタンスが許せんというのでトビーを怒らせたんだったっけ。
「FBI~失踪者を追え2」4話でもロシア人名の役だが、いつ見られるだろうか。
◆市警のラボ職員 .... Chris Fogleman
「この機械を買っておいたのを感謝しろよー」と言って、文字を浮かび上がらせる機械の威力を発揮してくれたラボの兄ちゃん。
「CSI:4」第10話「歪んだ果実」で、銃を買ったのが嬉しかったもんでつい庭で試射してたら、思いがけず人を殺してしまった間抜けな男、ジョニーで登場していた。
◆清掃職員エンジェル .... Christian J. Meoli
「刑事ナッシュ・ブリッジス」で情報屋兼事務員のボズ・ビショップで登場していた。他には「FBI~失踪者を追え2」の第1話に出てくるらしい。早く見たい。
◆シングルマザーのロージー・マイルズ .... Laura Regan
姉も女優でナンシー・レーガン、といっても大統領夫人ではない(当然)。しかし、姉妹の父はカナダのノヴァスコシア州知事という政治家の家の生まれ。
シャマラン監督の「アンブレイカブル」で、回想シーンの中で主人公(ブルース・ウィリス)の妻の若い頃を演じていた。ホラー映画「インプラント」では主演もつとめている。映画はほかに「恋する遺伝子」など。「CSI:マイアミ3」の7話に登場予定。
イラク戦争で捕虜となり、後に救出されたことで有名になったジェシカ・リンチ上等兵の手記が2003年にTV映画化されている(「Saving Jessica Lynch」WOWOWで9月24日放送予定)が、その中でジェシカ本人を演じている。
◆福祉局監察官フリーリー .... Don McManus
映画では「ナショナル・トレジャー」や「ハンニバル」などに出演。
「CSI:マイアミ」18話「ネディアー・キーレの正体」でテレビレポーターエンリケとして登場。麻薬関係の事件でホレイショに取材に来て「弟さんの事件と関係あるのでは~?」という、導火線に火をつけるようなことをした男。
他には「CSI:5」の8話に登場予定。ゲスト出演は「たどりつけばアラスカ」「NYPDブルー」など多数。
これからリリーの過去話とかも出てくるのかなあ。
昨夜の再放送で見られてるといいのですが。
CSIの話はかなり微妙でしたが、CCのこの回のは必見の回だと思います。
リリーはこの先家族とかでてくるみたいなので、悲惨だった家庭環境が徐々に明らかになってくることでしょう。
ここにきて、リリーに心が惹かれはじめたような。。男性人とのチームワークも板についてきた?(見慣れてきた)ので、楽しみになってきました。
開始当初のノスタルジックな要素は薄れてきていますが、そっちが楽しみ。でも、WOWOWサイトの使用楽曲リストは毎週参考にしています。
やはり主人公の内面が見えてこないと、ドラマは入っていけない感じですかね。
リリーの色んなプロフィールが見えてきて、今までの台詞に色々ヒントをもらったような気がします。
そう、音楽メインで見てたのが、ちゃんとドラマが楽しみで見るようになって来てます。
いいことですよねー。
でも、後までの全曲リストのサイトを見っけたのでそれを元に独自でサントラ作ってみようかななんて・・・
まさにシーズンの中での、有機的なエピソードでしたね。
ジェニー好きですいつの間にか(ほんとは初めから?
子持ちでしたね、余計に響きます。
何年越しかわかりませんがお伝えできてよかったです