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山素由湖の巻

2006-05-31 02:04:37 | Weblog
本日は場当たりでした。
今までの経験上、場当たりというものは大抵予定より押すものだという
認識がありました。
今回タイムテーブル的には、場当たりは今日一日と明日の午前中を
予定しておりました。
しかし何と、今日一日で全てのメニューをこなしてしまったのです。

勿論役者達の集中力もさる事ながら、スタッフさんの対応の迅速さによる所が
大きいですね。
舞監の筒井を始め、音響の小笠原さん、照明の泉君。
僕の要求に実に迅速に応えてくれてます。
ネタが多い為、仕事量は相当なものだと思います。
僕の描いていたものに限りなく近づかせてくれて、
あるいは想像を超えるような出来のシーンを作ってくれたりで、
彼らの仕事ぶりには大変満足させられております。
明日の初日、益々楽しみになりました。

さて、例のシリーズ<役者紹介>のコーナーです。
今日からはいよいよ女性陣。
トップバッターは山素由湖さん(by方南ぐみ)です。

同じ方南ぐみの幸野と違い、出会いは割と最近です。
最初に会話を交わしたのなんて2,3年前の事ではないでしょうか。
付き合いを深める決定的な出来事があったのは、去年の暮れの事でした。

舞台を間近に控え忙しい時を過ごしていた僕に、
一通のメールが届きました。
シャンソンのコンサートを開催するという、ある知人からのお誘いでした。
忙しいし、疲れも溜まっていたので
お断りしようかと思っていたのですが、
一つのワードが僕の心を捉えました。

「愛の讃歌」をやるという一言。

その時点ではまだ今回の公演の具体的な内容も決まっておらず、
「愛の讃歌」のような素晴らしい歌をモチーフにした芝居を作れたらなという程度の
漠然とした状態でした。
ただ僕の興味を引くものとして「愛の讃歌」というワードは最上級でした。
何とかスケジュールをやり繰りして、赤坂のとあるライブハウスのような所に
出向きました。

結果、そこには僕の期待していたような「愛の讃歌」はありませんでした。
落胆、そして軽い憤りを胸に会場を後にしようとした所、
そこに見た顔があるではありませんか。
由湖さんでした。

それまで挨拶程度しか言葉を交わした事が無かったのですが、
怒りでテンションが上がっていたせいか、由湖さんに聞いてみたのです。
「今の<愛の讃歌>どうでした?」
「正直、期待してたのと違うわねぇ。」
「ですよね。というか俺が描いてたのは音がもっと前に出てる感じで、、、
あー、何か説明するの面倒くさっ!由湖さん、カラオケ行きません?」
「え、いつ?」
「今から。」

その後僕らは新宿に向かい、あるカラオケボックスに入りました。
まず僕が、自分の求める感じのニュアンスで「愛の讃歌」を歌ってみました。
「なるほど。何となくイメージは分かりました。歌ってみます。」
由湖さんが歌い始めました。
その瞬間、ブルッと来ました。
まさにイメージ通りだったのです。

しかし、キャスティングがすんなり由湖さんに決まったわけではありません。
実は紆余曲折があったのです。
その要因として、このプロジェクトには当初、”1劇団1人”という縛りを設けていました。
方南ぐみからは、何故だか(笑)幸野のキャスティングの方が先に決まっちゃっていたのです。
由湖さんは今回のスナックのママという役のイメージにピッタリではあったのですが、
そういう理由で僕の頭の中にあったキャスティング表からは削除されていました。
しかし紆余曲折があり”1劇団1人”という縛りをご破算にしてまでも
由湖さんにやってもらいたいという気持ちが高まってしまいました。

そんな折、ちょうど方南ぐみの公演があり、由湖さんは出演はしてなかったものの
お手伝いで劇場にいらっしゃいました。
その場でいきなりその時点で決まってるキャスト表を見せ、
出演のオファーを致しました。
由湖さんは最初は驚いていたものの、
「このメンバーとなら是非やらせていただきたい!」
とおっしゃってくれました。

そうして難航していたママの役が決まったのです。
今回の最大の見せ場の一つである”あの”シーンの主役です。
どうか劇場でご確認ください。
あの日の僕のように皆さんもきっと”ブルッと”なる事
間違いないでしょう。


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橋本達也の巻

2006-05-30 02:06:26 | Weblog
本日、小屋入り致しました。
何も無かった空間に、一日にして素敵なセットの出来上がりです。
舞台監督の筒井によって描かれた絵が見事な形で再現されました。
素晴らしいセットです。
筒井!ごくろうさん!

明日は場当たりです。
いよいよ完成に向けての仕上げの作業に入るわけです。
役者だけをやってる頃は、場当たりは結構好きな時間でした。
稽古場で作ってきたものが初めて、本番と同じ音と明かりの元で行えるのです。
今はまだ誰もいない客席に、お客様を感じながら、イメージしながら
どんどん本番へ向かっていく感じが結構好きでした。

けれど明日は演出、そしてプロデューサーとして様々な観点から
色んな事をチェックせねばなりません。
アンテナの感度をマックスにする必要があります。
楽しいだけでは済まされないでしょう。
なので本当は早目に睡眠を取って、明日に備えなければならないのですが、
頑張って<役者紹介シリーズ>の更新もしてみたいと思います。

というわけで、本日は橋本達也(by TOON BULLETS!)です。
橋本との出会いも実はあんまりよく覚えていません。
もしかしたら、僕がBQMAPに客演した時の終演後の飲み会だったかもしれません。
全然違ってるかもしれません。
とにかく強烈に覚えているのは、「いちいちタバコの葉を自分で巻いて吸ってる男
がいる」という事でした。

それが橋本でした。
「何てこだわりのある男なんだろう。」
と思ったような気もします。
けれど今現在はとんとそんな光景は見なくなったので、
単に彼の中で一瞬流行っただけなのかもしれません。
それでも彼の持つ”こだわり臭”と言いますか、”おたく臭”と言いますか、
とにかく”広く浅く”というより、”狭く深く”のタイプの人間である事は
間違いないような気がします。

クリエイティブな能力にも長けております。
今回実現には至らなかったのですが、オープニングを映像でという
プランがありました。
そこで軽い感じで彼に打診してみると、パイロット版とはいえ
中々のクオリティのあるものを作ってくるではありませんか。
結局その他の諸事情により今回は断念しましたが、
また機会があれば彼にお願いしようかと思っている程です。

勿論役者としてのセンスもあります。
どういう音を出せば、あるいは、どういうニュアンスを出せば面白くなるかを
分かってます。
もしかしたら分かってなくてやってるのかもしれません。
だとすれば、天才肌とも言えるでしょう。

とにかく今回の彼は、自分のポジションを的確に把握し、
自分の仕事をきっちりこなしております。
そして実に楽しそうです。
まあ、時々とんでもない事をやらかしますけどね。

蛇足ではありますが、
最近僕の中で意味も無く橋本を呼びつける行為が流行っております。

そんなくだらない遊びに、いやな顔一つせず付き合ってくれる橋本よ。
ありがとう。
おかげでいい息抜きになってる。



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幸野友之の巻

2006-05-29 01:33:59 | Weblog
今日は稽古最終日。いよいよ明日は小屋入りです。
本当に今日まで色々ありました。
実は今日も色々ありました。
しかし、昨日も書きましたが感傷に浸ってる暇はありません。
すごいものを世に出そうとしてるわけですから、そりゃ色々あります。

早速ですが役者紹介です。今回は幸野友之(方南ぐみ)です。
彼との付き合いも随分古いです。
いつ、どこで出会ったかは残念ながら全く覚えていません。
一番遠い記憶で覚えているのは、明大前の「つけめん大王」という店に
一緒に入った事です。
何を食おうかと店内を見回した所、ものすごいインパクトのある名前の
メニューが目に飛び込んで来ました。

<激定食 700円>

え?激定食?何それ?
その定食に二人して心を鷲掴みにされ、それを頼まざるを得ない状況になりました。
頼んでみたら何てこたあない、ちょいと辛目の肉野菜定食でした。
まあでも、そういうおもしろ体験を共有すると
何かしら戦友のような、妙な連帯感が生まれたりするわけで。
その帰り道
「今度、激定ブラザーズってユニットでも作るか!」
などとバカな話で盛り上がったりしたわけです。

その事が僕の頭に残っていたのでしょうか。
今回キャスティングするに当たって、彼の名前は割りと早い内に出てました。
彼にはほのめかす程度にしか伝えてませんでしたが。
彼も不安に感じてたのでしょう。
何ヶ月かに一遍
「プロデュース公演の話は本当なのでしょうか?」
などと聞いてくる始末。
彼に参加してもらうのは僕の中では決まっていたのですが、
ちょっと面白くなってしまい
「本当にやるけど。あれ?お前関係あるんだっけ?」
などと返したりしてました。
幸野よ。もてあそんですまなかった!

めでたく参加となったわけですが、正直最初はどうなるかと思いました。
本読みの時点で「これは時間かかりそうだ」と覚悟しました。
今回、達者な役者が揃ってるだけに余計に目につきました。
たしかに器用な男ではありません。
技術があるわけではありません。

けれど、演劇というものを愛してるんでしょうね。
実は一番最初に本を放したのは彼でした。
本読みの翌日くらいにはもうセリフを入れて来てたんです。
完璧に入っていたわけではありません。
けれど彼の心意気は、とても僕を嬉しくさせました。

そして最近、何だか変な味みたいなものも出てきました。
芝居的には全然駄目なんだけど、それも許せてしまう何かが出てきたんです。
その証拠に、彼はよく”やらかす”のですが、
それに対して怒る者は誰もおらず、むしろ稽古場の空気を和やかにさせたりすらしているのです。
彼が真面目に取り組んでる事を皆が分かっているからです。

どんどん良い味が出てきた幸野、また<激定食>食いに行こうな!


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臼井琢也の巻

2006-05-28 03:48:52 | Weblog
早いものです。
いよいよ稽古はあと明日一日となりました。
あの台本授与式から1ヶ月。あっという間でした。
楽しい時間は早く過ぎると言いますが、全くもってその通りです。
あまりに早く、そしてあまりに濃密な1ヶ月でした。

感傷に浸るのは終わってからにします。
早速ですが役者紹介にいきます。今回は臼井琢也です。
彼はBQMAPという劇団に所属しています。
僕とBQMAPとの関わりも深く、今まで3回程客演させてもらってます。
「風雲天狗 妖乱」という作品では織田信長の役をやらせていただきました。
信長といったら、歴史上の人物で僕が一番演じてみたかった人物です。
ちなみに今回の座組、信長をやった事のある人間が何と3人もいます(僕と大和と橋本)。
そのオファーが来た時は非常に嬉しかった覚えがあります。
(地毛で髷が結えるよう、1年かけて髪を伸ばしたりもしました)
その位思い入れのある役でしたが、一番からみが多かったのが
その時主役をやってた臼井でした。

けれど臼井との出会いは、その時が初めてではありません。
実は西ノ園が所属する劇団「TEAM 発砲・B・ZIN」の
「センゴクプー」という作品に客演させてもらった時が最初でした。

第一印象は、
「何てうすい(シャレではない)涼しげな顔をしてるんだろう。」
でした。

正直、あまり強い印象は残っていません。
せいぜい、臼井という字が白井という字に似てたので、
「白井君」と呼んでたくらいのプチエピソードしか覚えておりません。
ちなみに今回の彼の役名は「白井」です(ネタバレ)。

それが、何年後かにBQで共演した時には随分印象が変わりました。
主役とかやってるせいか、すごくちゃんとしてました。
芝居への取り組み方も意外な程マジメで、実に真摯な態度で稽古に臨んでいたのです。
彼に対する見方が大きく変わりました。

そして彼は色々と武器を持っています。
彼に限らず、今回様々な武器を持った役者を集めております。
それぞれの見せ場があったりします。
その中でも臼井のあのシーン(ここはネタバレ禁止ポイント)は
実に素晴らしい。

この作品をエンターテイメントとしてのグレードを上げてる要因になってます。
そんな素晴らしいシーンをBQMAPのファンの皆様、そして臼井のファンの皆様、
決して見逃すことのないように!

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森田ガンツの巻

2006-05-26 03:29:38 | Weblog
うわあ、ブログ全然更新出来てねえっす!
ブログ更新どころか、寝る時間の確保もままならねえっす!
一日中稽古して、稽古以外にも営業活動やら何やら。
幸いにして稽古場が楽しく、ダレた空気を出すものが一人もない状態でやれてる為か、
今の所何とか乗り切れています。
しっかしテレビを点ける時間すらないですなあ。

けれど、せっかく始めたシリーズ「役者紹介」。
何とか本番終わるまでには全員紹介したいとは思っているのですが、
このペースでいくと到底間に合わない気も、、、。
なので行ける時に出来るだけ行けたらなと思います。

順番からいうと森田ガンツ(BY猫のホテル)ですな。
ガンツ、、、名前から既に奇怪な感じを漂わせております。
その名の通り、実に奇妙な、そして独特な、
それでいてどことなく憎めない可愛らしさを持ち合わせているという
実に貴重な人種であります(いや、むしろ哺乳類かどうかも怪しい)。

猫のホテルという劇団には深い関わりがあり、主宰の千葉雅子さん(通称まちゃこ)を始め、
ほとんどの劇団員と仲が良く、同時に草野球においては僕らのチーム(球団ゼッツ)の
良きライバルチームであるという側面も持ち合わせております。
僕が面白いと感じるお芝居を生産している数少ない劇団の内の一つです。
僕の企画には絶対に猫ホテのどなたかは参加してもらいたかったし、
今後もこの劇団には声をかけていくことになるでしょう。

その精鋭集団の中から、今回参加していただいたのが前述のガンツさんです。
猫ホテの誰に出てもらおうか考えてた時、ガンツさんが蝶ネクタイをしている絵がふと浮かんで来ました。
半袖のシャツに蝶ネクタイです。
ピンときました。

ガンツさん=バOテン(ほぼネタバレ)

ガンツさんとは麻雀仲間でもあります。
麻雀というのは実にその人となりが出る遊びであります。
何時間か話をするより、何時間か麻雀をやった方が
その人間の人となりを把握するのが早かったりします。
(温厚だと思ってた人が実はものすごく短気だったり)

何回か麻雀をやってる内に、ガンツさんの持ってる面白さをどんどん発見しました。
あと、口癖も(セリフで使わせてもらってます)。
ガンツさんにこれをやらせたら面白そうだというネタがどんどん浮かんできて、
それを台本に反映させてもらいました。
結構見せ場があります。

その独特の”ガンツワールド”により稽古場が癒され、皆のマスコットボーイ的
存在にもなっております。
一歩間違えれば紙一重的な危うい感じの存在が、今回の座組の良いスパイス
となってます。

本当に愛すべき素敵なメガネです。
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西ノ園達大の巻

2006-05-22 03:07:44 | Weblog
今日は実に良い天気でした。
稽古場の窓を開けた時に入ってくる風は、実に心地の良いものでした。
昨日の鮮やかな虹といい、稽古の合間に見る外の風景は色んな顔を持ち合わせており、
休憩中の僕らを楽しませ、そして癒してくれています。

まるで詩人のエッセイのような書き出しで始まったわけですが、
そんな事とは無関係に稽古は大詰めの段階を迎えております。
いよいよ明日は初めての通し稽古です。

不思議な事に不安は一切なく、楽しみで楽しみで仕方がないのです。
おそらく、いや、間違いなくこの芝居を一番観ているのは、この僕です。
何故か毎日同じシーンを観ても一向に飽きません。
それどころか、むしろ日に日に面白くなっているのです。
その全てのシーンを明日一遍に観れるのです。
こんなに楽しみな事はないのです。

それはさておき、役者紹介第二弾。
今日は西ノ園達大にスポットを当ててみましょう。
 
今回のキャストの中では一番付き合いが長い人間になります。
あれはおそらく10年程前、今の事務所(豪勢堂)に入って初めての仕事の現場で
彼と出会いました。ラジオCMのナレーションの仕事だったと思います。

「何て爽やかな男なんだろう。」

それが彼の第一印象でした。
不思議な事に十年経った今でもその印象は無くなっていません。
その第一印象で受けとったものが、今回彼にやってもらってる役に
大いに反映されております。

このお芝居にはやたらキャラの濃い人達が出てきます。
いや、むしろ全員です。
そこにはどうしても”清涼剤”のような存在が必要だったのです。
真っ先に彼の顔が浮かびました。
爽やかで、熱血漢で、何物にも染まってない感じ。
(本当はどうだか知りません)
この役は彼以外思いつきませんでした。

話の中心にいて、ほぼ出ずっぱり。そしてセリフの量も半端じゃない。
そんな大変なポジションを、持ち前の責任感で全うしようとしてくれてます。
他の全ての濃いキャラ達が、彼というフィルターを通して初めて
鑑賞に堪え得るものになってると言っても過言ではありません。

TEAM 発砲・B ZINファンの皆様、そして西ノ園達大ファンの皆様、
こんなに彼を観続ける事が出来る事は中々ないと思います。
どうかお見逃しなく!

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山中たかシの巻

2006-05-20 04:08:17 | Weblog
今日は稽古は休みでした。
稽古休みといってもがっつり休めるわけではありません。
むしろ稽古がある時より忙しかったりします。
夕方までに公演に関する用事をいくつか済ませた後、
夜はお世話になってる劇団、扉座さんの公演に足を運びました。

やる事は沢山あったし、疲れも相当溜まっていたので
正直観に行こうかどうか迷いました。
眠気もひどかったので、もし面白くなかったりしたら大半を寝て過ごす事になるのも分かっていたし。

結果、その心配は杞憂に終わりました。
とりたて派手な事件が起こるわけではないのですが、
繊細な演出、芝居心を持ち合わせてる役者さん達の緻密な演技の積み重ねにより、
全く飽きずに一時間半を過ごす事が出来ました(もちろん寝ませんでした)。

事務所の先輩の岡森さんと麻雀仲間の有馬さんとの見応えのある緊迫したやり取り。
同じく麻雀仲間の高橋麻里の凛とした存在感。
中原三千代さんは芝居にいいアクセントをつけてたし、犬飼や岩本もきっちり自分の仕事をこなしてました。
役者全員が素晴らしかったです(もちろん茅野さんの演出も)。
改めて扉座の役者の質の高さを感じました。

そんな素敵な劇団扉座から、今回僕の座組に「山中たかシ」という素敵な役者が参加してくれてます。
今回一番最初に決まったキャストは実は彼です。

半年ぐらい前だったと思います。
どこでやるのか、誰が出るのか、どんな話なのか、
あらゆる事がまだ何一つ具体化してなかった頃、
何気なく彼に話を振ってみました。

「色んな所から面白い連中を集めて、小劇場界のオールスター戦のようなユニットを立ち上げてみようと思ってるんだ。」
「へえ、面白そうっすね。」
「とりあえず、、、出てみない?」
「え!俺っすか?」
「うん、具体的な事は何一つ決まってないけどね。」
「やります。ちょうどそういうのやりたいと思ってたんです。」

即答でした。
「ちょっと考えさせてください。」とか「ギャラいくらっすか?」
とか彼の口からは一切出てきませんでした。
ちょうど同時期に劇団の公演があるのは分かっていたのにです(今日拝見させていただいた公演)。

彼の男気が、まだ迷いのあった僕の背中を押してくれた事は間違いありません。
彼の参加決定は、このプロジェクトが本格的に動き出す大きなきっかけとなりました。

現在の彼はと言うと、やはり物凄いモチベーションで稽古に臨んでくれてます。
僕が観たかぎり、最近彼は舞台では主役が多く、話の筋を転がす役目を担う役が多いような気がしてました。
今回彼にはそういうポジションではなく、アクの強い濃い感じの脇役をやらせたいなと思いました。(基本的にはみんなそうなんですけど、、、)

その結果、あんなキャラクターが出来上がってしまいました。
(是非劇場で確認してください。正直ひどいです。もちろん最高にいい意味で。)
あの、とんでもないキャラを実に楽しそうに嬉々と演じてくれてます。
僕の注文に対し即座に対応してくれるので、よりハードルの高い注文を出す事が出来、役の幅がどんどん広がっております。
そして多分、役の進化は千秋楽が終わるまで続く事でしょう。

今回おそらく、今まで見た事のない「山中たかシ」を目撃する事が出来るはずです。
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一日が終わる頃にはほぼ廃人

2006-05-16 03:30:52 | Weblog
いやあ、昼夜稽古に入ってしまうとやはり更新が滞りがちですなあ。
稽古中は集中しているのでそうでもないのですが、
終わると同時にひどい頭痛と共に猛烈な疲労感が襲って来ます。

演出するという行為は役者だけやってる時とは違った形の
集中力が必要とされます。
同時に何人もの人間の芝居を見なければなりません。
それは見るというよりも感じるといった感覚に近いかもしれません。
アンテナの張り具合が半端ではありません。
感度を最大限に上げておかないととても追いつかないのです。
自分の受信状況をマックスに設定するので、
ちょっとした雑音も全て拾ってしまいます。
近くで音を立てられたり、芝居と関係ないオーラを出されたりすると
著しく集中を削がれるのです。
あまりにひどいと切れそうになるほどです。

この稽古場にはたった一つだけ”掟”があります。
「用意、スタート!」から止めるまで、
つまり芝居中の私語は一切禁止という”掟”です。
その”掟”が守られている事により、基本的には笑いの耐えない楽しい空間に程良い緊張感が同居するという、
まさに稽古場において僕が理想と考える最高の雰囲気が実現しているのです。

今まで十何年芝居に関わり、何十本の舞台に出演したか分かりませんが、
稽古場の雰囲気は史上最高である事は間違いありません。
この空気感で面白くないものが出来るはずがありません。

役者の皆さんにはまだ言っておりませんが、
実は僕はこう考えております。

観た人全員とは言いません。
勿論それぞれの好みというものがありますから。
ただ、大勢の人からこう言われるような作品を創ろうとはしています。

「今まで観たお芝居の中で一番面白かった。」

次回の更新より、いよいよ役者各々の紹介をしていきたいと思います。



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役者揃い踏み!

2006-05-11 01:34:51 | Weblog
昨日より保村大和が合流し、いよいよ全員揃いました。
昨日は最初で最後の全員揃った形での本読み、
そして今日は大和の登場シーンからの立ち稽古。
そこはさすが日本で一番セリフ覚えが早いと言われてる保村大和(ちなみに二番は多分僕、いや、嘘)。
勿論台本は放しております。

以前書いたかもしれませんが、良い役者の必須条件として<対応力>が
挙げられるのではないかと思っております。
つまり、言われた事を即座に自分の中に取り込み、それをすぐ的確に表現に移せる力とでもいいますか。
それがあるかどうかによって稽古の進み方も全然違うし、
何より演出家のストレス度も変わってくるわけです。
(同じ事を何度も言わなくちゃならないのは結構ストレス溜まります)
今回のカンパニーには<対応力>を持ってる役者が多いとは思いますが、
やはり保村大和は際立っておりました。
僕の注文に即座に対応し、的確にそれを体現してくれます。
そして一度取り込んでしまえば、忠実に再現してくれます。
これは演出家にとっては本当にありがたい事ですし、絶対の信頼に繋がるわけです。
より細かい注文を遠慮なく出せるわけです。

というわけで、ますます稽古場が熱気を帯び、刺激的な空気に満ち溢れ、
とんでもなく面白いものが産まれそうな雰囲気が、より漂ってまいりました。
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相乗効果!

2006-05-07 02:05:08 | Weblog
自分の劇団の本公演を終えた臼井琢也と青山千洋が合流して2日目。
彼らもやはり、もう本を放しております。
それどころか、ちゃんと自分らの役どころを捉え
早くも自分のものにしようとしています。

多分参加初日に何かを感じたのでしょう。
殆どの人が本を放し、役もつかみつつあり、
各々が早くも面白い芝居をし始めてるわけです。
あまりのんびり構えてられないと瞬間的に察したのでしょう。
昨日の稽古休みを利用し、相当自分の役と向かい合ったという形跡は
今日充分に見受けられました。

彼らの頑張りに触発されたのか、面白い事に他の連中の芝居も総体的に
ぐっと上がった気がしました。
明らかに”相乗効果”ってやつです。
こうなると稽古場の雰囲気も面白い方に転がる一方です。
休憩を取るタイミングが中々見つからない程でした。

振り返ると、

そういえば今の所良い事しか書いてないような気がしてきました。
演出家がプロデューサーでもあるから
「さては情報操作か?」
「ホントはもっとどろどろしてるんじゃないのか?」
「実は殴り合ったりしてるんじゃないのか?」
などの疑惑の声があがってたりするのかもしれません。

でも、

ホントなんです、、、。
ホントにいい雰囲気なんです、、、。
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