瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

2013年、クリスマスには歌を歌おう♪その9

2013年12月29日 23時03分08秒 | クリスマス

はぁい♪ミス・メリーよ♪
貴方は今年のクリスマスを誰と過したかしら?
日本でクリスマスは恋人達のイベントのイメージが強いけど、欧米でクリスマスは家族で祝うのが習慣なの。
ただアメリカでは年々離婚率が上昇していて、クリスマスでも両親揃って祝う家庭がだんだん減ってるそうよ。
今回とり上げる『クレイマー、クレイマー』――1979年アメリカで公開した映画に登場する家族も、折角のクリスマスなのに父親と息子の2人だけで祝う事になってしまったの。

「舞台はニューヨーク・マンハッタン、或る日、仕事熱心な会社員テッド・クレイマーが自宅へ帰ると、妻のジョアンナが突然彼に別れを告げて出て行った。
 最初は一過性のヒステリーだと取り合わずに居たテッドだが、ジョアンナは家を出た日から戻らず、テッドと息子ビリーの生活は一変する。

 テッドは5歳の息子ビリーと戸惑いながらも、父子2人きりの生活を始める。
 息子の分まで朝食を作り、学校まで送った後、自らは急いでタクシーで会社へ向かう。
 会社の仕事も家まで持ち帰る羽目になり、構って貰えない寂しさからビリーは彼の仕事を邪魔するかの様に振舞う。
 父と母親べったりだった息子とはまるで噛み合わず、事有れば『ママのやり方』を持ち出すビリーにテッドは苛つく。
 親子なのに暫くぎごちない生活が続いたが、次第に協力して一緒に生活するリズムを掴み、男2人の絆は深まって行った。

 ジョアンナが出奔してから1年半の間、家事と育児に精を出すテッド。
 ビリーとの関係は以前より親密になる反面、会社での評価は下降線を辿って行った。
 息子に気を取られ仕事に身が入らないテッドは、会社から解雇されてしまう。
 そこへ1年以上連絡の無かったジョアンナが、カルフォルニアへの出奔中に成立させた離婚で、息子の養育権はテッドに渡すと認めたにも拘らず、取り決めを反故にすべく、母性を盾に養育権の奪還を裁判所に申し立てた。
 テッドは弁護士を雇って相談するが、失業中の彼が養育権を勝ち取る見込みは殆ど無いと言う。
 焦ったテッドは就職活動をして、裁判前に漸く仕事にありつける。
 だが殆どの会社がクリスマス休暇に入ってた為、良い就職先が見付からず、彼の給与は以前より遥かに少なく決った。
 一方のジョアンナは出奔中に高収入の職を得ており、夫婦だった頃『ろくに社会で働けない』と妻を侮っていたテッドは、衝撃を受ける。
 ジョアンナ側の『それまで仕事ばかりで、家庭を顧みなかった』という主張に反論出来ず、裁判で苦戦を強いられるテッド。

 結局テッドは『子の最良の利益(best interest of the child)』の原則により敗訴、ビリーの養育権はジョアンナの手に移る事となった。
 ビリーをジョアンナに引き渡す日の朝、テッドは最初の頃失敗してたフレンチトーストを、息子とともに難無く作り上げ、父子最後の朝食をとった。
 ジョアンナが来るのを待つ2人。
 彼女から電話がかかる。
 テッドが階下に降りると、彼女は思いつめた様な表情で呟いた。
 『ビリーは連れて行かない。あの子の家はここよ・・・上に行ってビリーと話してもいい?』
 エレベーターに乗り込むジョアンナを、テッドは黙って見守るのだった・・・」

監督:ロバート・ベントン
脚本:ロバート・ベントン
原作:アヴェリー・コーマンの小説、原題は「Kramer vs. Kramer(原告クレイマー対被告クレイマー裁判の意味)」
製作:スタンリー・R・ジャッフェ
音楽:ヘンリー・パーセル、アントニオ・ヴィヴァルディ
撮影:ネストール・アルメンドロス
編集:ジェリー・グリーンバーグ
キャスト:ダスティン・ホフマン(ビリーの父親、テッド・クレイマー)
     メリル・ストリープ(ビリーの母親、ジョアンナ・クレイマー)
     ジャスティン・ヘンリー(2人の息子、ビリー・クレイマー)
     ジェーン・アレクサンダー(夫婦共通の親友、マーガレット・フェルプス)

(↑ウィキペディアより)

名優ダスティン・ホフマンの代表作であり、アメリカ外でも評価の高い映画、日本でも多くの人に知られているわよね。
テッドが慣れないフレンチトーストを息子の為に焼いて失敗するシーンは、傑作映画の特番なんかで必ず採り上げられる程有名。
最初は失敗したフレンチトーストを、ラストで上手に焼くシーンには、涙うるうる来ちゃった。
「クレイマー、クレイマー」を観て、フレンチトーストを食べたいと思った人は、少なくないんじゃないかしら?

ジョアンナと夫婦だった頃のテッドは、そーとーな関白亭主だったみたいね。
映画はテッド側の視点で追ってく為、観客はテッドに同情しがちだけど、ジョアンナ側の視点でドラマを追ってったら、彼女の言い分も理解出来そうだわ。
家庭の仕事を一切やらない夫に文句を言って、「働いてもいないくせに偉そうな事言うな!」なんて返されたら、メリーだって切れて家庭を放り出したくなるわ!
2人の共通の親友のマーガレットも、だから最初はジョアンナの味方をしていたの。
彼女自身も離婚調停中の身で、夫と別居し子供を引取ってたから、離婚を迷ってたジョアンナの相談役だったんでしょうね。
けれど息子ビリーの世話をしながら、仕事に奮闘するテッドの姿を見てる内、マーガレットはだんだんと彼に同情するようになるの。
裁判でマーガレットはテッド側につき、ジョアンナに「昔の彼とは変ったのよ」って訴えたわ。

この映画の中でクリスマスシーンは短いけど、とっても印象的。
テッドが仕事の得意先より、ジャングルジムから転落し大怪我を負ってしまったビリーを優先させた為、会社からクビを言い渡されたのが12/22前、人々が喜び祝うクリスマス休暇中に主人公は無職になってしまうの。
弁護士から「失業すれば裁判で養育権を勝ち取れる見込みは0」と言われ、テッドは必死に次の職を探すけど面接すら募集してない会社が殆ど、アメリカのクリスマス休暇って長いものね。
息子と別れたくない為に前の会社よりも遥かに低収入の会社で面接を受けたテッドは、合否の結果を待つ間クリスマスパーティが開かれてる別室で待たされるの。
浮かれ騒ぐパーティー参加者達の中、ぽつんと取り残される様に座るテッド・・・あまりに酷い構図だわ!!
会社から採用OKを貰った瞬間、彼は正に地獄から天国へ昇ったかの様な心地がしたでしょうね。

明けて次の年の1/9にビリーの養育権を争う裁判が開廷、クレイマー一家のターニングポイントにクリスマスをあてたのは、監督の意図有っての事だとメリー思うわ。
だってクリスマスは年の終りと始まりのターニングポイントだもの。
クリスマスを境に家族の暮らしが終り、そして新たな家族の暮らしが始まる、その事を暗喩してるんじゃないかしら?

ラストも意味深な演出で、観た人それぞれ違う道を思い浮べるでしょうね。
原作では電話でジョアンナが泣きながら「ビリーは引き取らない。時々会っても良いか?破綻の原因は自分に有る」と話す所で終わってるそうだけど、映画ではジョアンナが「ビリーは連れて行かない」とテッドに言って息子と話し合いに行くシーンで終るの。
結末については語らない、でもラスト前にマーガレットが復縁した事を、テッドに伝えるシーンが有るの。
一度別れた夫婦が再び一緒になる可能性を観せる事で、スタッフは観客に希望を持たせてくれてる。
貴方はこの一家の結末をどんな風に想像するかしら?

それじゃあここで9曲目のクリスマスソングを紹介、切ない映画には切ない歌を――イギリスのジョージ・マイケルとアンドリュー・リッジリーが組んで結成したデュオ「Wham!(ワム!)」、彼らが1984年に発表した「Last Christmas(ラスト・クリスマス)」!
毎年クリスマスが訪れると街中で必ず流れる、クリスマスソングのロングセラーね!


【Last Christmas(ラスト・クリスマス)】





Last Christmas I gave you my heart♪
But the very next day you gave it away♪
This year, to save me from tears♪
I'll give it to someone special♪

Last Christmas I gave you my heart♪
But the very next day you gave it away♪
This year, to save me from tears♪
I'll give it to someone special♪


Once bitten and twice shy♪
I keep my distance but you still catch my eye♪
Tell me baby do you recognize me♪
Well it's been a year, it doesn't surprise me♪

「Happy Christmas!」

I wrapped it up and sent it♪
With a note saying "I Love You" I meant it♪
Now I know what a fool I've been♪
But if you kissed me now I know you'd fool me again♪

Last Christmas I gave you my heart♪
But the very next day you gave it away♪
This year, to save me from tears♪
I'll give it to someone special♪

Last Christmas I gave you my heart♪
But the very next day you gave it away♪
This year, to save me from tears♪
I'll give it to someone special♪

(Oh・・・♪Oh Baby・・・♪)


A crowded room, friends with tired eyes♪
I'm hiding from you and your soul of ice♪
My God I thought you were someone to rely on♪
Me!I guess I was a shoulder to cry on♪

A face on a lover with a fire in his heart♪
A man undercover but you tore me apart♪
Oooh~♪Oooh~♪
Now I've found a real love you'll never fool me again♪

Last Christmas I gave you my heart♪
But the very next day you gave it away♪
This year, to save me from tears♪
I'll give it to someone special♪

Last Christmas I gave you my heart♪
But the very next day you gave it away♪
This year, to save me from tears♪
I'll give it to someone special♪

A face on a lover with a fire in his heart♪
(Gave you my heart~~~♪)
A man undercover but you tore me apart♪

「Next year・・・!」
I'll give it to someone, I'll give it to someone special♪
(special)
someone・・・・・・♪


【訳】

去年のクリスマス、君に僕の心をあげた
でもその翌日には、もう要らないって
今年は涙を流さない為に
僕の心をあげるのは誰か特別の人に

去年のクリスマス、君に僕の心をあげた
でもその翌日には、もう要らないって
今年は涙を流さない為に
僕の心をあげるのは誰か特別の人に


あつものに懲りて――というやつで
距離を置いてみるけれど やはり君に目が行ってしまう
ねえ君、僕のこと眼中に有る?
1年経つけど、そんなの僕には驚く事じゃない

「ハッピー・クリスマス!」

これ包んで送ったんだけど
メモの「愛してる」は、僕のほんとの気持ち
解っているんだ、なんて馬鹿な奴だって事
でももし君がキスしてくれたら、また騙されるだろうね

去年のクリスマス、君に僕の心をあげた
でもその翌日には、もう要らないって
今年は、涙を流さない為に
僕の心をあげるのは誰か特別の人に

去年のクリスマス、君に僕の心をあげた
でもその翌日には、もう要らないって
今年は、涙を流さない為に
僕の心をあげるのは誰か特別の人に


人でいっぱいの部屋、友達の目は疲れ気味
会わないようにしよう、氷みたいな心の君には
ああ、君は支えになるような人だと思っていた
じゃあ僕はといえば、君の泣き顔を埋める肩だと思っていた

恋している男の顔、めらめらハートが燃えて
密かに想っている男、でも君にズタズタにされて
あああ
今、本当の恋って何かが解った、もう君は僕を騙せない

去年のクリスマス、君に僕の心をあげた
でもその翌日には、もう要らないって
今年は、涙を流さない為に
僕の心をあげるのは誰か特別の人に

去年のクリスマス、君に僕の心をあげた
でもその翌日には、もう要らないって
今年は、涙を流さない為に
僕の心をあげるのは誰か特別の人に

恋している男の顔、めらめらハートが燃えて
(君に僕の心をあげた)
密かに想っている男、でも君にズタズタにされて

「来年・・・!」
これは誰かにあげよう、これは誰か特別の人に
(特別の)
誰か・・・・・・


・・・こんばんは、びょりです。
「切ない映画には切ない歌を」って、ミス・メリー、この歌聴いたらテッドとジョアンナが別れるエンドしか思い浮かばんよ。(汗)
どんな歌か知らない人は少ないでしょうが、毎度ようつべをご参考ください。
でもラストクリスマスの歌詞って、言っちゃ悪いけど女々しいね。

お互いの弁護士が「非は向うに有る!」と口撃するのを聞いてる間、テッドとジョアンナ共に「自分にも悪い点が有ったんじゃ・・・」って反省するのが面白い。
他者同士が代理戦争するお陰で、冷静に省みる事が出来たのだなと。
ドキュメント映画っぽい演出も斬新、リアリティが生れて、実話かと思わせられる。
一昔前の映画って演出が洒落てるもの多いんだよなぁ~。(タイトルの出方が先ず洒落てる)

今回の写真は丸の内ストリートに並ぶ某ブティックのショーウィンドゥ。
丸の内マイプラザの無料コンサートを聴きに行った際に撮影、街路樹は今年もシャンパンゴールドの光に輝きました。
(丸の内マイプラザの無料コンサート→http://myplaza-concert.jp/about.html)

    

↓もう季節外れちゃったけど、皇居前の紅葉写真もアップ。

    

    


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2 コメント

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名作です! (もりぴ。)
2013-12-30 21:45:57
こんばんは、ミス・メリー~もりぴです。

今夜も名作ですね
~と言うか、ここまでミス・メリーが撰んでくれてる作品は見た事あるもので、感動したり、切なくて号泣したりしたものばかりです。

今回の“クレイマー・クレイマー”も実際に見たのはかなり昔になりますが、作品の事だけでなく、当時の自分自身の事まで想い出しています(笑)
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はぁい♪もりぴさん♪ (ミス・メリー)
2013-12-30 23:54:32
何時もコメントくださって有難う♪
ここまで全て観ているなんて、映画が大好きなのね!
良い映画は何時までも思い出に残るわ。
そして時には自分の人生に照らし合わせてみたりするのよね。
メリーも「クレイマー・クレイマー」を観る度に涙が止まらないの。
どうかどんな道を選ぶとしても、あの親子が幸福でありますように…!
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