瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

06年、ハウステンボスでのクリスマスその18

2006年12月12日 22時01分31秒 | ハウステンボス冬の旅行記
前回紹介した『ローズガーデン』は、今はもう見頃を過ぎてしまい、薔薇は散ってしまったでしょう。↑
来年5月頃まで、暫くお休みなさ~い。


…といった所で昨日の続き。



パレスハウステンボス前庭右側には『ローズガーデン』。
対称的に左側には、植込みで造られた迷路が在ります。
「新結婚式場『ホワイトシンフォニー(式場の情報は公式サイトにて)』が出来る」と聞いた時、此処が潰されるのかと勘違いして蒼くなったのですが…
…今回確認しに行ったら、ちゃんとその場に在ったんで安心しました。(笑)

迷路は好きだ。
先が見えないのが面白い。
先が見えない=不思議、謎。
謎無くして、人生楽しめず。(なんちゃって)

小さい迷路ではありますが、極偶に迷う人も居る。
聞いた限り自分の友人含めて3人は迷った事が有るらしい。(笑)
まるで八幡の藪知らず…油断大敵、御用心為されよ。



↑迷路を抜けた前に、新結婚式場の姿が。
本当に側に造られたんだなぁ。



↑緑の芝生が敷詰められた前庭は、広々としていて美しい。
秋は紅葉の名所、所々に用意されたベンチに座り、紅葉狩りを楽しむなんて如何か。



↑前庭をうろついてる内に、開館時間となりました。
午前9時はハウステンボスが開園する時間でもある。
場内のカロヨンが一斉にカランコロンと鳴って時を告げます。
それを聴いて、館の出入口へと入って行きました。

クリスマスリースの飾られた白い扉を開け、受付にパスポートを渡して御挨拶。
これで今日から2日間、パスポートが有効となる。
パレス入館だけならパスポートを見せるだけでOK。
但しパレス美術館にも入館するなら、それ以外に現金が必要です。
パスを利用して入る場合は200円、利用しない場合は500円…観覧料としてはかなりお安いかと。
入館チケットは受付側に在る券売機で購入するようなってます。
チケットを受付で捥いで貰ったら、右に進んで重い扉を開き中へ。

パレス美術館はパレスハウステンボス右側1~2階に位置します。
フローリングの床に豪奢なシャンデリア、如何にも宮殿内といった気品漂う空間。

~07年1/8(月)迄は『ヴェネツィアン・ビーズとコスチュームジュエリー展』を開催。
硝子工芸の都市ヴェネツィアで生まれたビーズの歴史を辿る美術展です。
宝石を観るのが好きな女性には特にお勧め。
たかがビーズと侮れない、最早『宝石』と呼ぶに値する程、素晴らしい煌きの数々が展示されておりますよ。
いやあ……人間の手って凄いなあと感心するばかりでして。

残念ながらパレス美術館内は写真撮影禁止な為、こっからは文字のみの紹介とさせて頂きまする。

ヴェネツィアでは古代ローマ&イスラム圏の技法を採り入れ、千年以上も前に硝子器が発展、国の財政を支えて来ました。
13世紀末、ヴェネツィア共和国政府は他国への技術流出と本島での火災を恐れて、国内に居た全硝子職人とその家族をムラーノ島に移住させ、隔離までしたとの事。
硝子職人の男性は『マエストロ』と呼ばれ、貴族お抱えで、腕が良ければ自身も貴族の称号を得たりもしてたそう。
その影で硝子ビーズも発展を見せた訳ですが…こちらは芸術として認められる事は無く、精々観光土産程度の価値しか見出されなかったらしい。

16~20世紀に発展し、今日迄現存するヴェネツィアン・ビーズの殆どが、制作者不明だそうな。
『スピアルーメ』と呼ばれたビーズ細工師達…殆どが女性だったそうですが、彼女達には地位も名誉も与えられる事は無かった。
それでも彼女達は、ひたすら己の美意識を満足させる為、より美しいビーズを生み出す事に励んだという…。
…こういう無名の芸術に自分は弱い。

や、だって……本当に凄いよ。

直径僅か1㎜以下の硝子棒溶かしてレースみたくな模様を入れたり、
まるで織物の如く様々な色のビーズで編んであったり、
芥子粒大のビーズに顕微鏡使わなきゃ見えないくらいの模様が入ってて、見てみたら薔薇の花の細工がしてあるんですよ。(汗)

………どうやって造ったのか想像もつかない。

こういう直径僅か3~6mmの表面に薔薇等の装飾が入れられてるビーズを、『指焦がしのビーズ』と呼ぶそうな。
なんでも細工師の指が焦げる程、ランプの火に近付いて細工するからだそうで……想像するだに熱そう。(汗)
そんな芥子粒大のビーズに針と糸通せる人間も凄いかと。

現在ではこうしたビーズ制作の技術は全く廃れちゃったそうです。

長く観光土産程度の地位しか貰えなかったビーズですが…1806年、硝子職人組合が解体し、職人が国外へ続々と流出、あわやヴェネツィア財政破綻かと思われた折、その危機を救ったのがビーズ職人だったというのも、皮肉めいてて面白い話かと。
ヴェネツィアン・ビーズのピークは19世紀、この頃海外への輸出も相次ぐ程人気を呼んだそうな。
そいった歴史を観て学べる…中々興味深い美術展だと思いますよ。

…なぞとメモしながらじーっと観て廻ってたら、係員の方に「1階売店の方で今回美術展の図録が売られています。宜しければお買い求め下さい」と言われてしまった。(恥笑)

2階フロアにはビーズ・ワーク・ショップが併設されています。
数種類のビーズ製作キットの中より好きなのを選んで、アクセサリー作りを体験出来る。
料金は2,500円~、子供用コーナーは無料で楽しめるらしいです。
こまい作業なら任せとけっつう方はレッツ・チャレンジ。
12/16~12/18、1/6~1/8は講師の指導付で行われるとの事。

他に毎土曜15時~学芸員の方が30分程度、展示作品についてガイドをしてくれるらしいです。

堪能後2階出口より3階上って、窓から庭園を眺めたり、
途中在る17世紀豪商の一間を再現した時代部屋を覗いたり、
『壁画の間』を鑑賞したり、

この『壁画の間』がまた凄い。
オープン時から客の目の前で4年の歳月掛けて完成した、日本最大のドーム壁画。
制作したのはオランダのアーティスト『ロブ・スフォルテ氏』と、40人のアシスタントの皆様。
制作途中でロブ・スフォルテ氏は一旦オランダに帰国致しまして、その際爆弾テロに遭い、両足を失くしてしまったんだそうです。
それでも制作を止めずに描き上げられた魂の傑作。
アクリル絵の具を使い、360°で表現された世界は、絵心の無い自分には正直理解出来ませんが(汗)…しかし迫力は伝わって来ます。
信号機のシャンデリアがシュールで面白い。(←情緒無い意見)

壁画も凄いですが、床のモザイクがまた凄い。
イタリアのモザイク工房『アルテ・ムジーア』が制作を請負った物だそうで。
約100万個の大理石と色硝子を使って羅針盤をイメージしている。
足元にも要注目で御座います。

1階に下りて売店へ。
此処では開催中の展覧会の図録や関連グッズが販売されています。
私が来た時には殆ど手芸ショップの趣に変っていました。(笑)
常時販売されてる物は奥のスペースに移動させられてましたよ。
綺麗な模様のビーズが、種類毎に試験管サイズの小瓶に詰められ、ズラリ並んでおった。
値段を見たら『400円』とのラベルが貼ってある。
「お、こんだけ綺麗なビーズが1瓶400円なんて安いじゃん。買ってくか。」と思ったら――ビーズ1粒の値段が400円でした…

そりゃそうだ……そりゃそうだ……そりゃそうだ!(笑)

芸術品だもんなぁ…1粒1,500円以上する物まで有りましたよ…ちょっと手が出せんわ~と考え諦めました。(苦笑)
けどピカピカ綺麗で可愛い物ばかりだった。
クリスマスプレゼントにもぴったりかも。
『星のリース』製作キットとか…今でも後ろ髪引かれてなくも無いという。(女だねぇ、自分も)(照笑)

12/16(土)~12/24(日)迄、イタリアのロッテル・マウリツィオ氏による実演販売を此処で実施するそうな。
期間中来場予定の方はお見逃し無く。

ああそれと…06年12月15(金)~07年1月14日(日)迄、『有田和之原画展 Be Happy!』なる企画展を、ハウステンボス美術館3階展示室にて行うそうです。
有田和之氏については、自分申し訳無いがよく知らんのですが(汗)…絵を見る限りメルヘン調…という感じですね。

店内見学後、後庭に下りてぐるりと巡る。
オランダバロック式庭園で、設計図のみ残されていたのを現代の造園技術駆使して実現した物です。
ハウステンボス来たからには、1回は此処へ寄らんと。
緑に覆われた回廊潜らんと。
刈り込まれて開けられた窓から、噴水や宮殿覗かんと。
写真UPはまた後日…待て、暫し。

1周したら宮殿内抜け、今度は海の観える道下りて、港街迄戻る。
晴れたり曇ったり…此処までの天気は一定してない。
まぁ雨降らなきゃ良い訳で…しかし折角傘持って出たのに、降らずに終ったら悔しくも有る訳で。
時折覗く陽に反射して、キラキラ輝く海が綺麗だった。

新結婚式場、観光丸、ホテル・デンハーグを横切り、磁器の美術館『ポルセレイン・ミュージアム』へ。
受付のお姉さんにパスポート渡して入館。
此処は写真撮影OKなんで、遠慮無くバシバシ撮る。



↑先ず目に付くのが19世紀ドイツ、マイセン作のシャンデリア。
この館で私が1番気に入ってる物だったり。
青味がかった色、精緻な花飾り…溜息の漏れる美しさで御座います。



↑続いて『磁器の間』、この美術館最大の見所にして目玉。
初代プロシア王フリードリッヒⅠ世(1657~1713)が、東洋の磁器を熱愛した妻ゾフィー・シャルロッテの為に建てた夏の離宮『シャルロッテンブルグ宮殿(現ベルリン)』内の1室を再現した部屋で御座います。
17~18世紀、『シノアズリー(中国趣味)』がヨーロッパ王侯貴族の間で一大センセーションを呼んだそうで。
中国や日本の壷や皿、徳利等をインテリアとして飾るのが流行ったらしい。



↑皿や壷や徳利が約3千点、黄金色した壁に隙間無く埋められ、鏡の演出でそれらが無限に続いて見える様は……何つうかもう……悪夢の様だなっつう。(笑)
江戸川乱歩が見たら泣いて喜ぶ眺めかも。
悪趣味が醸し出す夢幻の空間に酔え。(笑)



↑柿右衛門を展示する第2室、幕末・明治の伊万里を展示した第3室を過ぎ…



↑最後は子供が入れそうな程でっかい花瓶(何を活けろと??)に見送られて出口へ。

美術館出口は、そのまま焼物・焼酎・海産物加工品をメインに売ってる土産店『ぜーランド』へと続いています。
焼酎の品揃えが特に凄い。
長崎カステラの老舗『松翁軒』のカステラも売ってますよ。



…そんな所でまた次回~。

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2 コメント

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撮影OKだったんですね! (March)
2006-12-14 20:37:51
『ポルセレイン・ミュージアム』久しぶり見ると新鮮ですね!1年くらい行ってないから今度見学に行ってみようかなぁ
ここ撮影OKだったんですね!知らなかったぁ!ダメなのかと思って撮影がまんしていたので今度思いっきり撮影してきます!!
ヴェネツィアン・ビーズ欲しいと思ったのが1500円して諦めました作るとしても私のお小遣いではトップとして使う位しかできそうにないぁ。。
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ギヤマンもOKだそうな。 (びょり)
2006-12-14 22:13:50
ハウステンボス内の美術館は、結構撮影OKな所が多いようです。(確認は常に取った方が良いでしょうが)
ポルセレインにギヤマン、テディ、オルゴール、カロヨン等々…
絶対×なのはパレス美術館くらい??(ハウステンボス外の所有権が働くからではと…)

普通、美術館は撮影×な所多いじゃないですか。
…太っ腹だよなぁ~と思う。(笑)

高かったですよね~ビーズ。(汗)
綺麗だし1個くらい買ってこうかとも考えたんですが…ビーズ1個だけじゃどうしょもないしと、結局買わずに終りました。(苦笑)

コメントどうも有難う御座いました~!
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