【前回の続きです】
迷路を脱出した頃には、午前10時を回っていた。
ナミから先の予定が狂うじゃないかと小言を食らう。
……ならもっと早くに迎えに来てくれりゃあ良かったじゃねェか。
急いで庭を突っ切り、宮殿入口へと駆け込む。
その頃には俺達以外の観光客の姿も有り、受付で数人がパスポートを提示し入館していた。
「美術館って、何を展示してんだ?」
「今年はオランダの名画家、レンブラントの生誕400年を記念して、『オランダ文化の400年展』を開催してるんだって。ハウステンボスが所蔵するオランダ関連の貴重な資料や絵画を何回かに分けて公開するってポスターに書いてあったわ。」
「貴重な資料ねェェ…。」
「良いじゃない。普段は中々行かない美術館。この機会に行くのも良い思い出になるでしょ?ルフィも観たいって行った事だしv」
「それが不可解でしょうがねェ。ルフィ、何でお前、美術館なんて行きたいっつったんだ?」
「あの貯金箱に付いてた絵を描いた奴…エッシャーっつったか??そいつの絵も有るってナミに聞いたからだ。俺、あいつの絵、面白くて好きだ♪」
…やれやれ…俺と同じくれェ絵心無ェ奴だと思ってたんだがなァ。
美術館に入館するには、パスポート以外にも観覧料200円取られるらしい。
これも今一気の進まねェ理由の1つだ。
自分の興味無ェ事に金使うのは、どうにも理不尽に感じるもんだ。
「何ケチな事言ってんの!?たかだか200円位で!!他んトコ行ったらもっとボッタクラレるんだから!!」
こいつに「ケチ」って言われると、妙に傷付くのは何故だろう?
大体美術館なんて、美術の校外授業でくれェしか行った事無ェんだ。
他と比較出来るかっつの!!……と返そうと思ったが、賭けに負けての約束だから仕方ねェと諦める。
券売機で券買ってパスポートと合せて受付に提示する。
受付の女から右に在る扉から入るよう案内されて中へと入った。
照明を落としたフロア内は、外観を裏切らない優雅な内装だった。
「うっひゃ~~~~~~~~!!!すっげーゴージャスなシャンデリア!!!」
「騒がないのルフィ!!てゆーか注目するヵ所が違うでしょ!?」(小声)
展示フロアは1階だけでなく、2階まで続いていた。
『オランダ文化』っつう謳い文句通りに、展示品は絵や工芸品、民族・海事資料と範囲が広い。
これ全部此処で所蔵してるっつうのか?そりゃ凄ェよな。
「ポスターによると、ハウステンボスが所蔵する美術コレクションは9,000点にも上るんですって。」
「へェ、9,000点もか?」
確かに世間的な意味での『テーマパーク』とは、ちょっと違ってるよな。
フロアを示されてる順路通りに廻ってく。
…まァ、色々展示されてて、それなりに面白い、大したもんだと感じはするが、正直芸術については良く解らねェっつか、ぶっちゃけ興味が薄い。
一々解説読みながら感心して観廻ってるナミを残し、早々に2階へと進む。
それはルフィも同じだったらしく、階段上った所で如何にも退屈だって風な奴と顔を合した。
「だってほとんど知らない絵ばっかだしよ~~。正直あきちまったからもう出たいんだよなァ~~~。」
「っておめェが観たいっつって来たんだろがっっ!!」(小声)
「俺が観たかったのはエッシャーだけだ。全部観終ったからもう満足だ。」
「……ったくきっぱりと…なら最初から来ようとすんな。専門の売店が在るんだから、そこで画集でも観とけば良いだろが。」
「もっと沢山エッシャーが飾ってあると思ったんだけどな~。どうせだったら全部エッシャーだけにしてくれりゃあ良かったのに。」
「………それじゃ『オランダ文化展』じゃなくて、唯の『エッシャー展』だろうよ。」
階段手摺から下を覗いてみる。
未だナミは、入って4枚目の絵の前で止ってた。
こりゃ全部観るまで長くかかるな…。
どうする?置いてって先出ちまったらえらい怒るだろうし…。
「なァゾロ、ちょっとこの絵観てみろよ。」
「んあ?」
ルフィが指差した絵を観る。
それは男女が裸で絡み合ってる様な物だった。
解説を読むと『パリスとオエノネ』…宗教画か何かか??
「何でげーじつってはだかばっかなんだろなー??」
「そりゃお前………本当の美とは『自然のままの姿に有る』っつう意味からじゃねェか?」
「すっぽんぽんが1番きれいっつう事か?」
「まァ……そうなんじゃねェの…?ほら、『有りの侭の君が美しい』とか言うだろ?」
「そうか、『ありのまま』がきれいなのか。服着てんのはげーじつじゃないんだなー。」
「その割にはAVやストリップショーなんかに対して世間の目は厳しいけどな。」
「露出狂にも厳しいよな。」
「ありゃお前、放っといちゃ拙いだろ?社会の迷惑だ。」
「皆はだかになりゃ良いんじゃねーかな?そうすりゃ、露出しても目立たねェ。」
「って何でおめェは露出狂の肩持つんだよ??露出してェのかよ??」
「男のそれは厳しくても良いけどよォ、女のそれは許してくんねーかなと。目の保養じゃん。」
「いや、女にも許し難いのが居るだろう?腹が出てる女、あれは悪ィが御遠慮願いてェ。」
「そういやあ、この絵の女も腹出てんなー。」
「ああこりゃ妊婦だからだろう。解説に有んだろ?『ニンフ』って。」
「お?本当だ!…そうか、妊婦だからかー。」
「…って勝手にいいかげんな解釈してんじゃないっっ!!!」
「「げっっ!?ナミ!!」」
何時の間に来てたのか、振り向けばそこにナミが居た。
「『ニンフ』ってのは、ギリシャ神話に出て来る精霊よ。トロイア戦争の発端となった王子『パリス』と、その妻でニンフの『オエノネ』を主題にした作品なの、これは!」
「へー、『ニンフ』って精霊の事か~~ちっとも知らなかったぜ!!」
「妊婦を題材にするなんて、おかしいとは思ったけどな。」
「2人共さっさか進んじゃうんだもん…連れて来た甲斐が無いったら。」
落胆の溜息吐いてナミが言う…悪かったなァ、甲斐無くて。
取敢えずは全ての作品を観終わり、そこそこの満足を得たんで先へ進む事にした。
美術館を出て館内を巡る。
途中、『17世紀オランダの時代部屋』ってのを見学したり、窓から庭園を眺めたり。
芸術は解らねェが…圧巻だと感じたのは『壁画の間』だ。
広いドーム状のホールの壁一面に絵が描かれていた。
1つの物語がどんどんと繋がって行き、最後また振り出しに戻るといった構成。
天井まで隙間無く、床はモザイクで模様が造られている。
360°壮観なその眺めには、3人揃って感嘆するばかりだった。
説明を聞けば、4年の歳月をかけて、観光客の前で、直に描上げた作品らしい。
中心となって描いてた画家は、製作途中でオランダの爆弾テロに遭い、両足を失くしたんだそうだ。
それでも絵筆を置かず描き切った…見上げた心意気だと思う。
館内巡った最後に売店に出た。
絵画をモチーフにした土産品が主流で、エッシャーのポストカードなんかが置いてある。
ルフィがその内の何枚かを選んで買った。
絵の好きなウソップへの土産にするんだそうな。
木と水面浮ぶ木の葉と水中の魚でもって、1枚の絵に3つの世界を描いたっつうそれは、中々シュールで面白い絵だなと自分も感心した。
退館して、昨夜行った庭園に出てみる。
昼って事でライティングはされてなかったが、噴水を中心に配置して、植込みで文様の描かれたそこは、明るい日の下で観ても見事な造形美だった。
「18世紀の造園家、ダニエル・マローが設計した図面を元にして造った庭園なんだって、ガイドに書いてあるわ。」
「アチコチ立ってるあの像は、誰をモデルにしたもんなんだー??」
「あれはギリシャ神話の神々の彫像だって。ポセイドン、アポロン、ヘルメス、ヘラ、アテナ、アルテミス、デメテル、アフロディーテ、ゼウス、ヘラクレス、全部で10体建てられてるみたい。」
昨夜の様に緑のアーチを潜って庭園を1周する。
所々開けられた窓から宮殿を覗き観るのが結構楽しかった。
急がないと、どんどん予定が狂うとナミに急かされ、次の目的地に向う。
戻りは来る時通った並木道の方でなく、庭園脇を抜けて海沿いの道を選んだ。
潮風吹かれて、紺碧の海を眺めつつ歩くのも、気持ち良いもんだ。
休憩用のベンチが並べてあんのも気が利いてるっつか。
「…良い天気だ。雨降るとはとても思えねェけどなァ。」
「何よゾロ?私の見立てが信用出来ないっての?」
「そうは言わねェけどよ…今一ピンと来ねェっつか…どう見たって澄み切った青空じゃねェか。」
「んでもナミの読みは当るかんな~~。」
「ちょっと空見て。……あそこ、飛行機雲が出てるでしょ?」
ナミの指差した上空を見る、確かに晴れた空、白墨で弧を描いた様な雲が出ていた。
「…飛行機雲が中々消えない時は、天気が悪くなる証拠なの。」
「「へーー。」」
……いやだから、そんな説明だけじゃ、常人にゃ理解出来ねえってっっ。
坂道を下りてった先に、日の出を拝んだ桟橋と、ルフィお気に入りの帆船が見えた。
…なんて視認した途端、ルフィは眼を輝かせて走ってく。
「…まるで猫にカツブシね!」
「正に猫まっしぐらだよな。」
ナミと顔を見合わせ笑った。
【その20に続】
…ゾロ、ひょっとしなくてもルフィ以上にガイド向きキャラじゃないと見た。(汗)
や、私は『オランダ文化展』、楽しめましたよ?(汗)
写真の説明~、パレスから続く海沿いの道。
見渡す限りの大海原、絶景ですv観賞用にベンチも置いてありましたが、3月に行った時は片付けられてました。(涙)
長く伸びた桟橋の先には灯台が在りまする。
迷路を脱出した頃には、午前10時を回っていた。
ナミから先の予定が狂うじゃないかと小言を食らう。
……ならもっと早くに迎えに来てくれりゃあ良かったじゃねェか。
急いで庭を突っ切り、宮殿入口へと駆け込む。
その頃には俺達以外の観光客の姿も有り、受付で数人がパスポートを提示し入館していた。
「美術館って、何を展示してんだ?」
「今年はオランダの名画家、レンブラントの生誕400年を記念して、『オランダ文化の400年展』を開催してるんだって。ハウステンボスが所蔵するオランダ関連の貴重な資料や絵画を何回かに分けて公開するってポスターに書いてあったわ。」
「貴重な資料ねェェ…。」
「良いじゃない。普段は中々行かない美術館。この機会に行くのも良い思い出になるでしょ?ルフィも観たいって行った事だしv」
「それが不可解でしょうがねェ。ルフィ、何でお前、美術館なんて行きたいっつったんだ?」
「あの貯金箱に付いてた絵を描いた奴…エッシャーっつったか??そいつの絵も有るってナミに聞いたからだ。俺、あいつの絵、面白くて好きだ♪」
…やれやれ…俺と同じくれェ絵心無ェ奴だと思ってたんだがなァ。
美術館に入館するには、パスポート以外にも観覧料200円取られるらしい。
これも今一気の進まねェ理由の1つだ。
自分の興味無ェ事に金使うのは、どうにも理不尽に感じるもんだ。
「何ケチな事言ってんの!?たかだか200円位で!!他んトコ行ったらもっとボッタクラレるんだから!!」
こいつに「ケチ」って言われると、妙に傷付くのは何故だろう?
大体美術館なんて、美術の校外授業でくれェしか行った事無ェんだ。
他と比較出来るかっつの!!……と返そうと思ったが、賭けに負けての約束だから仕方ねェと諦める。
券売機で券買ってパスポートと合せて受付に提示する。
受付の女から右に在る扉から入るよう案内されて中へと入った。
照明を落としたフロア内は、外観を裏切らない優雅な内装だった。
「うっひゃ~~~~~~~~!!!すっげーゴージャスなシャンデリア!!!」
「騒がないのルフィ!!てゆーか注目するヵ所が違うでしょ!?」(小声)
展示フロアは1階だけでなく、2階まで続いていた。
『オランダ文化』っつう謳い文句通りに、展示品は絵や工芸品、民族・海事資料と範囲が広い。
これ全部此処で所蔵してるっつうのか?そりゃ凄ェよな。
「ポスターによると、ハウステンボスが所蔵する美術コレクションは9,000点にも上るんですって。」
「へェ、9,000点もか?」
確かに世間的な意味での『テーマパーク』とは、ちょっと違ってるよな。
フロアを示されてる順路通りに廻ってく。
…まァ、色々展示されてて、それなりに面白い、大したもんだと感じはするが、正直芸術については良く解らねェっつか、ぶっちゃけ興味が薄い。
一々解説読みながら感心して観廻ってるナミを残し、早々に2階へと進む。
それはルフィも同じだったらしく、階段上った所で如何にも退屈だって風な奴と顔を合した。
「だってほとんど知らない絵ばっかだしよ~~。正直あきちまったからもう出たいんだよなァ~~~。」
「っておめェが観たいっつって来たんだろがっっ!!」(小声)
「俺が観たかったのはエッシャーだけだ。全部観終ったからもう満足だ。」
「……ったくきっぱりと…なら最初から来ようとすんな。専門の売店が在るんだから、そこで画集でも観とけば良いだろが。」
「もっと沢山エッシャーが飾ってあると思ったんだけどな~。どうせだったら全部エッシャーだけにしてくれりゃあ良かったのに。」
「………それじゃ『オランダ文化展』じゃなくて、唯の『エッシャー展』だろうよ。」
階段手摺から下を覗いてみる。
未だナミは、入って4枚目の絵の前で止ってた。
こりゃ全部観るまで長くかかるな…。
どうする?置いてって先出ちまったらえらい怒るだろうし…。
「なァゾロ、ちょっとこの絵観てみろよ。」
「んあ?」
ルフィが指差した絵を観る。
それは男女が裸で絡み合ってる様な物だった。
解説を読むと『パリスとオエノネ』…宗教画か何かか??
「何でげーじつってはだかばっかなんだろなー??」
「そりゃお前………本当の美とは『自然のままの姿に有る』っつう意味からじゃねェか?」
「すっぽんぽんが1番きれいっつう事か?」
「まァ……そうなんじゃねェの…?ほら、『有りの侭の君が美しい』とか言うだろ?」
「そうか、『ありのまま』がきれいなのか。服着てんのはげーじつじゃないんだなー。」
「その割にはAVやストリップショーなんかに対して世間の目は厳しいけどな。」
「露出狂にも厳しいよな。」
「ありゃお前、放っといちゃ拙いだろ?社会の迷惑だ。」
「皆はだかになりゃ良いんじゃねーかな?そうすりゃ、露出しても目立たねェ。」
「って何でおめェは露出狂の肩持つんだよ??露出してェのかよ??」
「男のそれは厳しくても良いけどよォ、女のそれは許してくんねーかなと。目の保養じゃん。」
「いや、女にも許し難いのが居るだろう?腹が出てる女、あれは悪ィが御遠慮願いてェ。」
「そういやあ、この絵の女も腹出てんなー。」
「ああこりゃ妊婦だからだろう。解説に有んだろ?『ニンフ』って。」
「お?本当だ!…そうか、妊婦だからかー。」
「…って勝手にいいかげんな解釈してんじゃないっっ!!!」
「「げっっ!?ナミ!!」」
何時の間に来てたのか、振り向けばそこにナミが居た。
「『ニンフ』ってのは、ギリシャ神話に出て来る精霊よ。トロイア戦争の発端となった王子『パリス』と、その妻でニンフの『オエノネ』を主題にした作品なの、これは!」
「へー、『ニンフ』って精霊の事か~~ちっとも知らなかったぜ!!」
「妊婦を題材にするなんて、おかしいとは思ったけどな。」
「2人共さっさか進んじゃうんだもん…連れて来た甲斐が無いったら。」
落胆の溜息吐いてナミが言う…悪かったなァ、甲斐無くて。
取敢えずは全ての作品を観終わり、そこそこの満足を得たんで先へ進む事にした。
美術館を出て館内を巡る。
途中、『17世紀オランダの時代部屋』ってのを見学したり、窓から庭園を眺めたり。
芸術は解らねェが…圧巻だと感じたのは『壁画の間』だ。
広いドーム状のホールの壁一面に絵が描かれていた。
1つの物語がどんどんと繋がって行き、最後また振り出しに戻るといった構成。
天井まで隙間無く、床はモザイクで模様が造られている。
360°壮観なその眺めには、3人揃って感嘆するばかりだった。
説明を聞けば、4年の歳月をかけて、観光客の前で、直に描上げた作品らしい。
中心となって描いてた画家は、製作途中でオランダの爆弾テロに遭い、両足を失くしたんだそうだ。
それでも絵筆を置かず描き切った…見上げた心意気だと思う。
館内巡った最後に売店に出た。
絵画をモチーフにした土産品が主流で、エッシャーのポストカードなんかが置いてある。
ルフィがその内の何枚かを選んで買った。
絵の好きなウソップへの土産にするんだそうな。
木と水面浮ぶ木の葉と水中の魚でもって、1枚の絵に3つの世界を描いたっつうそれは、中々シュールで面白い絵だなと自分も感心した。
退館して、昨夜行った庭園に出てみる。
昼って事でライティングはされてなかったが、噴水を中心に配置して、植込みで文様の描かれたそこは、明るい日の下で観ても見事な造形美だった。
「18世紀の造園家、ダニエル・マローが設計した図面を元にして造った庭園なんだって、ガイドに書いてあるわ。」
「アチコチ立ってるあの像は、誰をモデルにしたもんなんだー??」
「あれはギリシャ神話の神々の彫像だって。ポセイドン、アポロン、ヘルメス、ヘラ、アテナ、アルテミス、デメテル、アフロディーテ、ゼウス、ヘラクレス、全部で10体建てられてるみたい。」
昨夜の様に緑のアーチを潜って庭園を1周する。
所々開けられた窓から宮殿を覗き観るのが結構楽しかった。
急がないと、どんどん予定が狂うとナミに急かされ、次の目的地に向う。
戻りは来る時通った並木道の方でなく、庭園脇を抜けて海沿いの道を選んだ。
潮風吹かれて、紺碧の海を眺めつつ歩くのも、気持ち良いもんだ。
休憩用のベンチが並べてあんのも気が利いてるっつか。
「…良い天気だ。雨降るとはとても思えねェけどなァ。」
「何よゾロ?私の見立てが信用出来ないっての?」
「そうは言わねェけどよ…今一ピンと来ねェっつか…どう見たって澄み切った青空じゃねェか。」
「んでもナミの読みは当るかんな~~。」
「ちょっと空見て。……あそこ、飛行機雲が出てるでしょ?」
ナミの指差した上空を見る、確かに晴れた空、白墨で弧を描いた様な雲が出ていた。
「…飛行機雲が中々消えない時は、天気が悪くなる証拠なの。」
「「へーー。」」
……いやだから、そんな説明だけじゃ、常人にゃ理解出来ねえってっっ。
坂道を下りてった先に、日の出を拝んだ桟橋と、ルフィお気に入りの帆船が見えた。
…なんて視認した途端、ルフィは眼を輝かせて走ってく。
「…まるで猫にカツブシね!」
「正に猫まっしぐらだよな。」
ナミと顔を見合わせ笑った。
【その20に続】
…ゾロ、ひょっとしなくてもルフィ以上にガイド向きキャラじゃないと見た。(汗)
や、私は『オランダ文化展』、楽しめましたよ?(汗)
写真の説明~、パレスから続く海沿いの道。
見渡す限りの大海原、絶景ですv観賞用にベンチも置いてありましたが、3月に行った時は片付けられてました。(涙)
長く伸びた桟橋の先には灯台が在りまする。