瀬戸際の暇人

今年も偶に更新します(汗)

幾千の海と幾万の薔薇10

2011年07月05日 21時37分59秒 | ハウステンボス初夏の旅行記
ってな訳で本日2度目の更新。
「逃走中」…何時も思うんだが、ハウステンボスでロケした事を言って欲しい。
これはフィクションでーす♪って、いや確かに番組の内容はフィクションで、実際のハウステンボスはあんな怪しい所じゃないけどっつか、名探偵コナンに続いて何故か風車に隠されるのだった。

番組の件はさて置き、七夕が近いという事で商店街に短冊が吊るされた笹が飾られるようになりました。
今一商業に結び付け難いという理由で、一時は廃れる事を心配されてた行事っすが、ここ数年復興しつつあるような。
ハウステンボスでも七夕シーズン限定のイベントを開催中。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/event/earlysummer2011/index.html#tanabata)
七夕期間限定、星をイメージしたメニューが可愛いvどうせなら旧七夕の8/7迄引っ張ればと思う。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/gourmet/topics/001156.html)

宣伝し終えたところで前回の続き、今週は比較的余裕有るんで、レポをさくさく進められそうです。



サニー号を降りて昼食を食べに行く途中、ポルセレインミュージアム前で有田焼のセールをやっているのを見つけ、寄ってく事にした。
お椀・湯呑み・マグカップ・一輪挿し等が1,000円~(↑)、ハウステンボスが在る県は長崎だけど、地図で見ると佐賀と長崎の中間位に位置してる。
そういう理由からか佐賀の工芸・名産品等も売ってます。

そしてポルセレインミュージアムは名前の通り磁器の博物館。
諸事情により暫く休館中だったのですが、ラブコールを受けて最近復活致しましてな。
まだ昼食時間には間が有った為、中に入る事にしました。

【第1室:輸出時代の伊万里】

「有田は、1659年にVOC(オランダ連合東インド会社)から大量注文を受けて以来、ヨーロッパをはじめとする各地から期待された磁器生産地であり、17世紀後半から18世紀初めにかけては、磁器輸出が最も盛んに行われた時期でした。
 この時期には、柿右衛門様式と古伊万里様式の製品が輸出の花形的存在と言えます。
 柿右衛門様式は、1670年頃に様式が確立され、東洋的雰囲気を持つ作風は、ヨーロッパの人々を魅了しました。
 元禄時代(1688~1703)前後には、新しい色絵の染錦手を中心とする古伊万里様式が柿右衛門様式にとってかわり、当時ヨーロッパで一世を風靡していたバロック文化に受容されて流行しました。」

母親は器好きで特に有田焼の愛好家なんすが、自分はぶっちゃけ器には興味薄かったりします。
そんななんでこの館に入るまでは陶器と磁器の違いも明確に解らなかった。(汗)
説明によると陶土で形作り、釉薬をかけて低い温度で焼いた物が陶器、磁器に比べ焼締りが弱く、吸水性が有って不透明。
磁器用土で形作り、釉薬をかけて1,300度位の高温で焼いた物が磁器、吸水性が殆ど無く、素地がガラス化していて半透明。
土も違えば焼く温度も違うと。
自分の中の判断基準は重さだったり…持ってみると磁器はやたら重いから。

柿右衛門様式ってのは有田の陶芸家「酒井田柿右衛門」が確立し、以後代々その子孫が継承してる焼物の様式、花鳥図を鮮やかな暖色系の色彩で描いてるのが特徴。
ちなみに当代は第14代でご健在(だよねぇ?)、その作品はハウステンボスのパサージュ内、柿右衛門ギャラリーで鑑賞できる。
ハウステンボス限定、チューリップを描いた大皿なんて、お土産に買ってったら泣いて喜ばれる事間違い無!(家宝物(果報者)だよ…)



↑第1室、輸出時代の伊万里を収集したコーナーに入ると、先ずこの磁器のシャンデリアに目を奪われる。
マイセン作だったか?日本や中国の磁器から色濃く影響を受けてる事が解る。
硝子の様に繊細な花の細工、透ける様な薄い色付け方が素晴しい。
日本では主に器にして用立てる事が多い焼物だけど、向うではインテリア扱いな点に異文化を感じさせる。
浮世絵や現代の漫画やアニメやフィギュアといった物も、外国の方がむしろ価値を認めて蒐集してるからなぁ。
反面、日本は自国の文化にあまり価値を認めず、外国からの評価を受けて再認識する場合が多い。
日本の工芸美術品は外国の博物館・美術館で多く所蔵されているというのを聞く度、勿体無いなぁと感じてしまうのです。



「輸出された器もバラエティに富み、食器類の他に人物や動物を形取った置物、ヨーロッパの金属製コーヒーポットやガラス瓶から形取ったもの、観賞用の壷と瓶のセット(ガーニチャー)など様々な種類の磁器が作り出されました。」



↑外国人による陶磁器の美術品扱いを圧倒的に感じさせるのが、この磁器の間。

「この部屋は、ドイツ・ベルリンに現存するシャルロッテンブルグ宮殿の「磁器の間」を再現しています。
 1706年に完成したこの部屋は、中国磁器、伊万里(有田焼)それに若干のデルフト陶器で構成されていますが、ここハウステンボスでは器形・文様に至るまで忠実に写した現代の有田焼約3,000点で再現しています。
 18世紀初頭まで磁器を作る技術が無かったヨーロッパでは、東洋の磁器が大変珍重されていました。
 オランダ東インド会社により長い航海を経て運ばれてくる中国や日本の磁器は、食器としてだけではなくインテリアとしても愛好されました。
 磁器による室内装飾は、オランダを中心として始まり、ヨーロッパ各地へ広まりましたが、特にドイツなどでこのような磁器の間として発達しました。
 壁面に白磁の観音像や布袋、丼を被った中国人像が置かれ、壁の下方には中国の美人図を描いたパネルが嵌められるなど、シノアズリー(中国趣味)の流行を窺わせる飾り付けになっています。
 バロック様式の室内にシノアズリーを採り入れ、磁器による装飾がより効果的に演出されています。」

この磁器の間こそ館のメインコーナー!
ここを鑑賞できるだけでも、入館料払って良かったなと思えますよ。(とくとくチケット対象施設です)
元の間を造った初代プロシア王フリードリッヒⅠ世(その妻ゾフィー・シャルロッテが東洋の磁器をこよなく愛してたらしい)も凄いけどさ、器形・文様まで忠実に写した現代の有田焼約3,000点でもって再現したハウステンボスも凄いよ。(金メチャクチャかかったろうな~)
更に鏡張りにして反射させる事により、壁を埋める磁器と黄金色の煌きが無限に続いてる様に見えるのです。
有難い事に(ハウステンボス所蔵の為か)撮影OKなので、入館の際は是非記念にお撮り下さい。



↑ちなみに天井画も負けず劣らず芸術的、まるで聖堂の宗教画みたい。

「天井画は八頭立ての戦車に乗った曙の女神エオスが中心に描かれ、その周囲にヘリオス(太陽神)、セレネ(月の女神)、クロノス(農業神)等が配されています。」

館の為にわざわざ描いて貰ったとの事、徹底具合に感心してしまう。

第2室…は残念ながら展示品が無くなってた。
以前は伊万里最盛期と言われる元禄期の作品80点を展示してたと記憶してるのですが。
一部はパレス美術館の方で展示してるのを時折見受ける。

伊万里焼は佐賀県有田地方で産する磁器の総称、伊万里港から積み出された事が名称の由来だそうな。
ウィキによると「有田焼」とは佐賀県有田町で生産される磁器を指し、「伊万里焼」は三川内焼や波佐見焼を含め備前磁器全般を指すという考え方も有る――「伊万里」の名の方が外国で高評価受けてるから、ちゃっかり含めちゃえ~という考えが読めなくもない。(笑)
ちなみに三川内焼・波佐見焼こそ長崎で生産される陶磁器で、ハウステンボスでもビネンスタッド地区、ホーランドハウスや島等で扱ってるもよう。
白磁に藍で絵付けするのが特徴で、評価としては有田焼より低く見られてる。
その分安価で売られてるから手に入り易いです。
「古伊万里」とは伊万里焼の初期の物、江戸期の柿右衛門作品を指す場合が多いよう。

個人的には香蘭社(佐賀県有田町に本社・工場を置く世界的に有名な磁器メーカー)作の磁器が好き。
ハウステンボスでも商品を並べてる。
昔買ったチューリップカップ(頁下の写真)、未だ大事に仕舞ったまま使ってない。(意味無い)

    

【第3室:幕末明治の伊万里】

「18世紀中頃になると、オランダ東インド会社の日本からの公式輸出が止まり、中国窯業の復興とヨーロッパにおいて磁器生産が盛んになった事も影響して、伊万里は世界の桧舞台から暫く影を潜めました。
 しかし、文久2年(1862)ロンドンで開催された万国博覧会において、駐日総領事オールコックによる伊万里を含む日本の美術工芸品の紹介を始めとして、世界各国で開催された万国博覧会に伊万里が出品され、脚光を浴びるようになりました。
 明治時代に入ると、技術革新や原材料の改良などにより、以前よりも大きく鮮やかな色彩の文様に彩られた磁器が多く作られるようになり、伊万里は再び海外で高い評価を受けるとともに盛んに輸出されるようになりました。」

人の身長程も有る大きな花瓶(?)が並んだコーナー。
第3室を最後にUターンし、出入口に戻って外に出た。



↑美術鑑賞後は港町の花屋「キューケンホフ」によって花観賞。
ここの店前にも綺麗な薔薇の鉢植えが沢山並んでました。



↑お昼はフォレストパークのトロティネで取る事を決めてたのだけど、まだ開店まで間が有った為その周囲のフォレストガーデンを散歩する事に。

                   

              湖畔のレストラン前に広がる絵画の様な風景、フォレストガーデン。

    

記念撮影するお客の為に、湖の前には赤い薔薇と共に、ベンチが並べてあった。
非常に人気の高い撮影場所で、ひっきりなく人が来て、しかも長時間居座る。
この2枚の写真は実は昼食後、人が退いたのを見て、素早く撮った物だったり。
セッティングしたスタッフは甲斐が有ったと、さぞ喜んでる事でしょう。

    

トロティネ前のガーデンには主に香り高い薔薇を植えてるとの事。
薔薇以外にも、ホタルブクロ等の可憐な小花が、繁みの中、顔を覗かせてる。

    

通り道を塞ぐ様に咲き乱れる初夏の花。

    

極力踏まないよう気を付けながら、湖岸の細い路を歩いて行くと、湖の中の島に架かる橋が見える。

    

ウェルネスセンタープール近くには、シェフズ・ガーデンと呼ばれる畑が広がる。
先代のローランシェフがこよなく愛してた、ハーブや野菜を植えてる畑。
ローランシェフが居なくなっても大事にしてある様で嬉しい。
右写真はベルガモット、左写真はアーティーチョーク。

                   

                   ↑カボチャの花も咲いていた。

ここの畑で収穫した野菜やハーブはトロティネ等で使われるそうな。
だから大事にしなければならない、でないと自分が場内レストランで、それを食べる破目になるかもしれず。(汗)



↑橋を渡り、島からフォレストガーデンと、ウェルネスセンターを眺める。
折り良く鴨が横並びで湖面を滑って行った。
高台の森に隠された地区の為、場内で最も静けさが守られている(筈)。
水鳥達にとっても過し易い場所なのです。
そういやウェルネスセンターのプール、今夏は営業しないんだってね~、どうせ夏行けないけど残念だ~。
あれだけ贅沢で洒落たプールは国内でも珍しいと思うので残して欲しいのだけど…。
それとも温泉でも掘って大浴場にしようって計画が密かに立ち上がってるんだろうか?

    

以前ほどではないけど、フォレストヴィラコテージの周囲にも、花は咲いております。
百合や、右写真の花は…何だろね?
訪れた時は丁度満開、遠目で観ると、枝に雪が降り積もっている様だった。



↑ホテル・アムステルダム同様、フォレストヴィラも改装工事をしとりました。
禁煙デラックスルームが誕生したそうな、機会が有ったら泊ってみたい。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/stay/fv/)
ちなみにホテル・アムステルダムの方は、改装してこんな風な部屋になりました。
(→http://www.huistenbosch.co.jp/stay/am/lar.html)
正直こちらに関しては元のまんまのデザインの方が好みだ。
ローラアシュレイってブランド、そんなに人気高いのかね?
どっちも7/15~宿泊可能らしい。





※「」内の文章はポルセレイン・ミュージアム内の説明文から引用しました。

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2 コメント

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Unknown (ありす)
2011-07-08 15:35:12
こんにちは!この時期のハウステンボスは暑いだろうなーと昨年海の日に行ったわたしは思うわけです。ほんとに暑かった・・・。さて、陶器の間、私大好きだったんで6月帰国の時いそいそと行って来ました(^^)。展示が減ってましたよね、それが寂しかったのだけど、陶器の間に再び入れたのは嬉しい。フォレストヴィラのデラックスルーム、私も機会があれば泊まってみたいです。アムステルダムは・・どうでしょうね?ローラアシュレイってかつて人気があったような・・・でも日本でそんなに有名でしたっけ?あまり記憶が・・・。
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暑かったですよね~。 (びょり)
2011-07-08 23:40:12
真夏よりも6月の方が陽射しは強いでしょうね、夏至に当りますし。
あの部屋は磁器を主に集めてる事で、磁器の間と呼ばれるそうです。
とはいえ(デルフト)陶器も少し加えてあるのだとか。
いずれにしろ、丼や皿をあんな風に壁に飾るセンスは、日本人の目には奇異に映りますよね。(笑)

ローラアシュレイルーム、何処かのペンションでも売り物にしてたような。
プリンセス気分でお泊りできると女の子人気を集めるかもしれない。
でも自分はそれならフォレストヴィラの方が良いかな?
しかし独りだと宿泊難しいんだよなぁ、あそこ…。
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