地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

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福井総裁~まだまだ続くよ

2006-06-27 02:42:31 | ライブドア問題
京都の芸妓 しんこ さんの日記にて拙BLOGをリンクしていただき、さらにコメント欄に頂いた平河総合研究所のメルマガなんかを読むに付け、ますます私の論調自体は間違っていないことを確信して来た。
如何にマスコミがずれた報道をしているのか、今日は各社の社説を改めてじっくりと読んでみたけれど、正直ライブドアの時と全く一緒、長いものには巻かれろ的な大衆迎合そのまんまで、ほんとじっくりなんて読まなきゃ良かった。
さすがに日経だけは割りとまともな論調であって、特にこの部分は他社もしっかり考えるべきだ。

~~~以下日経6月21日社説より引用~~~
『日銀の服務規定は総裁に就任した日から自分が責任を持つ事項であり、今まで変えなかったことに問題はないかという思いも禁じ得ない。しかしルール違反はしていないし、社会常識に著しく反しているかどうかは意見の分かれるところだろう。
 一方、投資の利益が昨年末までに評価益を含め1473万円にのぼる事実を公表した。金融緩和策で預金金利が極めて低い時期に自らは巨額の利益を得ていたのは問題だという声もある。だが、ファンドへの拠出は元本割れのリスクが伴うことなども考えれば、そうした批判は必ずしも当を得ていない面がある。
 総じていえば、野党のように「辞任に値する」と断じるほどの根拠は現時点ではないのではないか。』
~~~引用終わり~~~

最後の部分で「現時点では」なんて言い方でリスクヘッジをしているのが少々気に入らないが、他社の論説読むに付け、まあまともだわなぁ、と。

サンケイの論調はみんな問題視しているけれど、正直酷いもんだ。
引用なんてしないけれど、彼らの言い分
「日銀は平成10年の日銀法改正で世界の中央銀行でもトップ級の独立性が保障された。その象徴が、首相といえども解任できない日銀総裁の地位であり、それを担保するのは、公正性・中立性だ。当然、誰よりも自己を厳しく律する精神が求められる。」
な~んて書きながら、今回の問題をわざわざ

「国民の信頼を取り戻すどころか、日銀の中立性・公正性を毀損(きそん)しているのが現実ではないか。」
な~んて書き方をして、

「市場などには、日銀のゼロ金利解除時期をめぐり、憶測が流れ始めた。逆風に抗するため、解除を早めにするのではないか。あるいは逆に、福井氏を擁護する政府に配慮し、解除を遅らせるのではないかというのである。
 9月には自民党総裁選、来夏には参院選がある。政治の日銀への圧力が強まることは予想される。そのたびに、村上ファンド問題が蒸し返され、同様の憶測が交わされる可能性は高い。」
な~んて感じに〆にかかって、首相といえども解任出来ない、って言っておきながらも、政治の圧力を匂わせるような書き方は正直どうよ?
大体市場にほんとにそんな憶測が流れているのか?少なくとも舞台になっている株式市場にはそんな噂のかけらも無いぞ。
そういう噂を捏造してる、風説の流布を平気でして居るのは何を隠そうマスコミの皆様ではあるまいかねぇ・・・と。

そこで今日面白い記事を発見したのでそれをここに載せよう。
元の記事は英語で、それを訳した記事が以下のものである。私が訳したのでは無いので念のため(笑)。

~~~以下ブルーンバーグニュース6月26日付け、より引用~~~
『次期米財務長官に指名されているヘンリー・ポールソン氏(60)は、最高経営責任者(CEO)を務めるゴールドマン・サックス・グループを、ウォール街第一のリスクテーカーに変貌させた。一方、自身の個人資産については、安全志向の投資スタイルをとっているもようだ。
 米政府倫理局(OGE)への届け出によると、同氏の資産は4億8000万ドル(約560億円)相当のゴールドマン株を除いて、最大1億6000万ドル。そのうち最大で3分の1が、現金、マネー・マーケット・ファンド(MMF)、米国債だという。最大2500万ドルの地方債ファンドも保有している。
 サンフランシスコの資産運用会社コチス・フィッツ・トレーシー・フィッツヒュー・アンド・ゴットのサンドラ・ブラガー氏は「7500万ドルを地方債と米国債に投資しているのは、ずいぶん慎重だと思われる」と語る。
 ポールソン氏の下でゴールドマンは、他社に先駆けて代替投資の分野に進出した。LBO(レバレッジドバイアウト)の助言やヘッジファンド向けの証券引き受けで上位を占めるばかりでなく、自らも、資産210億ドルを運用する世界最大のヘッジファンド運用会社となっている。
 ポールソン氏はまた、ゴールドマンのトップとして在職した8年間に、同社の自己勘定トレーディングを増やし、第2四半期(3-5月)の1日当たりのVaR(バリュー・アット・リスク、最大損失可能額)は今までで最大の1億1200万ドルに達した。
 ポールソン氏の資産はほかに、銀行預金やフロリダ州にオフィススペースを持つ不動産会社など。投資ファンド2900万ドルも保有している。ヘッジファンド投資は510万ドルのみ。
原題:Paulson Liked Hedge Funds for Goldman, Treasuries for Himself』

~~~以上引用終わり~~~

アメリカの次期財務長官になるポールソン氏のご自身の運用内容である。
日銀の総裁とは立場が異なるけれど、この資産運用に関してこの原文の英語記事は、単に事実をトツトツと書いているのみで、やれ資産がありすぎだのどうのなんて事には触れていない。
投資ファンドに2900万ドル、ヘッジファンドに510万ドルも入ってて、さて彼が財務長官に無事就任される暁には、これらの運用をぜ~~んぶキレイさっぱり止めて、せいぜい銀行預金に変えるのだろうか???
ありえないでしょう。だってこれはきちんと倫理委員会に出した報告で、それでもってあちらの国では株式運用を「汚れている、穢れている」なんて発想は無いだろうし、どこぞの国のように「身ぎれいに」なんて事を言われるはずも無い。
ましてや「こんなに自分の資産運用を好き勝手にやっている人が財務長官なんて、これはブッシュ政権打倒の持って来いのチャンスだ!」なんて叫ぶ3流政治家諸氏も居なければ、それを天からの使者の如く迎合するようなマスコミも居ないだろうって。

いや別にアメリカが良いとかそんな低レベルの話をしているのではないよ、あくまでも福井総裁は何ら臆することなく職務をきちんと全うされるべきだ、と言っているのです。
ここで下手に辞めたりしたら、それこそ野党は鬼の首を取ったようになるだろうけれど、そんなことしたら本当に世界の笑い者になるだけだ、って事が言いたい。

公明党の「そうはい神崎」代表
『日本銀行の福井俊彦総裁が村上ファンドに出資して多額の運用益を得ていた問題について、「庶民感情からは納得できないものだ」と指摘した上で、「日銀は独立
性が認められており、政治家が『辞めろ』と言うことは慎むべきだが、自らが自らの責任で出処進退を判断すべきだ」と述べ、自発的な辞任が望ましいとの考えを示唆した。
 同党の冬柴幹事長も26日の政府・与党協議会で同様の考えを示しており、公明党として問題の早期決着を求めて動き出したとの見方が出ている。来年の参院選や統一地方選への影響を懸念したと見られる。』

これって「辞めろ」って政治家が言ってるんでしょうが。
慎むべきなら何も言わないのが本当であって、自分で決めるべきだ、って言ってるんならこの記事の記者も「自発的な辞任が望ましいとの考えを示唆した」なんて言って、さり気なく世間を誘導するなっちゅーの。
このような事が選挙に影響するとか言う前に、もっとちゃんとしようよ、政治家の先生方。


ちなみに引用記事の英文が必要な方はコメント欄でおっしゃって下さい、お送りしますので。


2 コメント

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庶民の威を駆る・・・ (dullboy)
2006-06-27 09:13:00
おはようございます。いや、LDN時間だからまだお休み中か。

「お前がい神崎代表」の言葉で感化できないのが庶民感情が云々。



これぞ政治家がやってはならない人民煽動に基づく公平でないjudgeあるいは誘導。

宝くじが当たった人をうらやみ、ともすると妬み、陥れようとするのが庶民感情なんだって。

財務長官の話でも、就任前に預金に替えたとしてその後に市況が暴落したらどうせ「有利な立場に基づいて預金にした」とか言うんでしょうか?

金融資産を一切もつなと言うことでしょうか?

頭おかしいです、日本の報道。

こと金融、資産運用などに関しては、意識面での後進国と言う感が否めない。だから年金が崩壊して保険が吹き飛んでいるのに、それらを非難する割には自衛のための投資や運用すら拒否する国民・・・。

かといってお上の運用を信用しているでなし。文句は言う、否定はする、でも自分ではやらないと来た日にはいったい何がしたいのかと。

国民も自己の発言に対して責任を持つことが必要。

自己責任は損益に責任を持つだけでなく、発言と行動が一致する責をも負うと言うこと。



これで辞任などしようものなら、世界の物笑いの種になるだけでなく悪しき前例を作ることになり日本国民が投資分野で10年遅れるだけ!



他人の財布を除いて妬み嫉みなんぞは、女子供のすること!(by掟ポルシェ)
こんな記事もありました (Mole)
2006-06-27 22:28:19
NIKKEI NET



米次期財務長官、ゴールドマン株売却へ

 【ワシントン支局】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は22日、ホワイトハウス関係者の話として、次期財務長官に指名された米大手投資銀行、ゴールドマン・サックスのヘンリー・ポールソン会長兼最高経営責任者(CEO)が、保有するゴールドマン株すべてを売却すると報じた。公職との利益相反を避けるための連邦政府ルールに基づく措置。ポールソン氏は現在、323万株のゴールドマン株を保有しており、時価換算では4億8000万ドル(約550億円)強になる。



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連邦政府ルールがどうなっているのか知りたいところです。

アメリカの公聴会ですから、他人の財布を覗くような話も出るんじゃないでしょうか。