
アイスランドの火山噴火の影響が、長引いている。火山灰は、じわじわと上空に広がってきた。ロシアでも、スペインでも、飛行機が止まっている。信じられないほどの悪影響だ。
アイスランドは、極北の火山国。西暦934年の大噴火は、「人類史上最大級の火山噴火」とされている。もともと、漁業を中心とする漁師の国で、ここで取れるシシャモは、ビールのツマミに最適だ。金融バブルが破裂して、火山が大噴火。まさに踏んだり蹴ったりなのだが、地元の人々の反応は、「仕方ないさ」とノンビリしたものだとか。
だが、噴火の影響は、予想以上にシャレにならないものになる可能性もある。
18世紀の後半にも、1783年から85年にかけて、アイスランドでは火山の大噴火が起きた。このときは、大量の二酸化硫黄ガスが噴出して、太陽が血の色に染まった。なんと、有毒ガスによる呼吸困難が原因で、イギリス・フランスを中心に数千人の死者が出たという。
しかも、火山灰の影響に異常気象が重なり、冬には大寒波が到来した。寒さで、イギリスでは1万人近い死者が出たとされる。上空を覆った火山灰は、激しい雹(ひょう)を降らせ、大量の家畜が死んだ。春には、その反動で雪解けの鉄砲水が発生。ドイツでは、洪水で大量の死者が出た。
アイスランドの火山噴火をキッカケに、その後の数年間にわたって、ヨーロッパ全域で異常気象が続いた。フランスは大飢饉となり、革命の原因になったとされている。フランス革命に対抗して欧州各国の王侯貴族が立ち上がり、さらに、それに対抗する形でナポレオンが大戦争を引き起こす。欧州全域を巻き込む大戦乱が、長く続いた。戦争による死者は、200万人とされる。
影響は、欧州だけにとどまらなかった。アメリカでも、「ミシシッピ川が凍った」というから凄い。
>ベンジャミン・フランクリン(アメリカ人)の1784年の観察記録
>1783年の夏の数ヶ月、太陽が北半球を暖めるはずだった時、全ヨーロッパと北アメリカの大部分が霧に覆われていた。この霧はなかなか晴れなかった。その霧は乾燥していたため、日光が当たって雨に変わるということもほとんどないようだった。その霧を通ると、日光は非常に弱くなった。レンズで光を集めても、茶色の紙を燃やすだけの熱量にはならなかった。そのため、夏効果で地球が暖められることはほとんどなく、地面は早くから凍りついた。そのため、初雪さえ融けることがなく、雪は降り積もっていった。そのため気温はますます下がり、風も強くなり、1783年~1784年の冬は過去にないほどの厳しい寒さになった。
>この霧の原因はまだ確認されていない。あるいは、はるかアイスランドのヘクラや、その他の島の火山からもたらされた可能性もある。その煙が北半球に広がっていくことがあるのかどうかは、まだよく分かっていない。
(出典:ウィキペディア『ラキ火山』)
18世紀末の火山の大噴火は、その後の数年間に及ぶ異常気象の、最初のキッカケにすぎなかった。異常気象は、大革命や大戦争を引き起こす一因となった。そもそも、今年の地球では、噴火が起きる前から異常気象や大災害が続いている。
もちろん、気象衛星が詳細なデータを地上に送ってくる現代は、状況が大きく異なる。でも、現代の科学技術をもってしても、お天道さまには、まだ敵わない。後で振り返ってみれば、爆発する火山の轟音は、アースチェンジ(地球大変動)の号砲だったと言われるのかもしれない・・・。
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