朝鮮総連本部ビルを落札した“怪僧”

　
北朝鮮が、ますます凄いことになっている。もちろん、あの国が異常なのは今に始まったことじゃないのだが、今回は格別だという声が多い。「韓国とは、すでに戦争状態にある」と宣言して在韓外国人に国外退去を通告してみたり、「アメリカを核攻撃する」と言い出したり、もはや断末魔のアガキと化している。中国の人民解放軍は、有事に備えて中朝国境に大軍を集結させているという。いったい、どう動くつもりなのだろうか？
　　
そんな中、最大の資金源・日本での活動拠点だった東京都千代田区の朝鮮総連本部ビルが、売りに出された。落札したのは、かの“怪僧”・池口恵観氏。

落札価格は、45億1900万円。この資金を、恵観氏が法主をつとめる鹿児島の宗教法人「最福寺」が、どうやって捻出するのかにも注目が集まっている。恵観氏は、鹿児島県の、人口7000人ほどの町で生まれた。といっても、「室町時代から500年続くという修験者の家系」というから、生まれからして「並の人じゃないな？」って感じ。鹿児島のお寺を再建し、真言密教を極めた人間だけに与えられる「高野山真言宗大僧正」の肩書きも持っている。

清原和博や金本知憲といった有名スポーツ選手にも信奉者が多く、スランプで悩んだ彼らは、一心不乱に護摩を焚いて、お経を唱えていた。

政界とは、さらにつながりが深い。福田赳夫・三塚博・森喜朗といった、自民党の名門派閥・清和会の歴代領袖たちが信奉者で、その関係から、小泉純一郎・元首相や、今の安倍首相とも強い関係を持っている。このため、「永田町のラスプーチン」とも呼ばれているらしい。財界人にも、信奉者が多いという。

かつては体調不良で政権を投げ出した安倍晋三氏が、首相に返り咲いて元気ハツラツなのも、恵観氏の加持祈祷のおかげなんだとか。自民党の総裁選のときも当選が難しいとされる中、「運気は負けてない」と叱咤激励し、精神的にも支えていたという。

そんな、安倍首相とも強いパイプを持つ怪僧が、どうして朝鮮総連の本部ビルを落札したのか。一説には、「国交のない北朝鮮との交渉のパイプを残しておきたかった、安倍首相の意向」とも言われている。つまり、恵観氏は、安倍首相だけでなく、北朝鮮ともそれだけ強いパイプを持っている・・・ということ。

池口恵観氏は、何年か前に初訪朝した。「日本人戦没者の遺骨を集めて、靖国神社に祀るため」だったという。その後、何度も訪朝を重ねるうちに、北朝鮮政府とも次第に親しくなり、「金日成主席観世音菩薩像」という、あやしげな名前の観音様を贈呈したところ、北朝鮮側もありがたがって、由緒あるお寺に奉納してくれたそうな。その後、池口氏は「金正日千手観音像」も贈った。

すっかり親しくなった頃、恵観氏は、北朝鮮政府の高官から相談を受けたという。「週刊ポスト」の記事によると、こんな相談だった。

＞「総連本部がなくなってしまうのは、日朝関係において良くない。私たちは、朝鮮総連は大使館だと思っています。それをなくしてしまうのは、戦争と同じ状態です」。

つまり北朝鮮としては、朝鮮総連の本部ビルを売却して、とにかくお金に換えたかったのだが、知らない不動産業者その他に買い取られたのでは、引き続き本部として使えるかどうか分からない。ここは、私たちが信じられる人でなければ。つきましては、怪僧・池口恵観さん、アナタが買い取ってくれませんか・・・ということだったようだ。

国交のない日朝関係。北朝鮮にとって、朝鮮総連の本部こそが、大使館みたいなものだったのだ。日本にとっては、実に怪しい話だけど、北朝鮮もそれだけ必死なのだろう。

それにしても気になるのは、どうやって恵観氏が45億もの資金を捻出するのかということ。「売買契約したけど、資金が用意できなかったので決済できず、契約は破棄してお流れ」ってのが、不動産の取引ではよくあることだけど、この件もそうなるのか。それとも、無事に決済できるのか。

「週刊新潮」の記事によると、

＞恵観さんは当初、「本部や寺を担保に、誰もが知ってる金融機関から借りるんだ」と説明していました。・・・が、メガバンクに聞いてみても、「総連が入居するのならコンプライアンス上、無理」、地銀や信組も「ウチの体力ではちょっと・・・」という反応。しかも、恵観さんの説明も「ファンドで募る」などとコロコロ変わる。融資なんて認められるのか、疑わしい限りです。

そのため、永田町や公安関係者の間では、「裏に本当の金主がいるんじゃないか？」という話が、燎原の火のように広がったという。いろんな名前が取り沙汰されている。「高野山の関係者だ」という説、「大物の在日商工人が用立てた」という説。はたまた、「北に45億円の投資をしないか？・・・と資金集めしているブローカーがいた」というウワサが出てみたり、あの「村上ファンド」が関与している、と言われてみたり。

そんな中で、さらなるビッグネームが浮上した。記事にいわく、

＞「鳩山由紀夫さんです」と、さる公安関係者。

＞恵観さんが安倍首相をはじめ、多くの政治家と親しいのはよく知られた話ですが、鳩山家とはとりわけ近い。（中略）・・・具体的には、最福寺が既に納めた約５億の保証金を提供したのではないか、と言われています。

もっとも、鳩山事務所は、「そんな事実は一切ない」と否定している。恵観サイドの人も、「あんなケチな人が、そんな大金を出すワケがないじゃないですか！」と一蹴したという。もっとも、そんな恵観氏の関係者が言うには、

＞とにかく、この件はいろんな人が出てくるんです。先日もアントニオ猪木さんから「頑張ってください！｝といきなり電話があったり、織田無道さんからは「どんなことでも手伝うから金を出させてくれ！」とＦＡＸがあったりした。もちろんお断りしましたけど。

・・・だそうな。まったく、どこまで怪しいのか、北朝鮮とその関係者たち・・・。