http://www.pref.miyagi.jp/bunkazai/tagajyou98.html
国指定特別史跡。
この政庁には、坂上田村麻呂も赴任したらしい。
要は、東方の異民族「蝦夷」に備えるための当時の最前線基地である。
(平安朝廷と「蝦夷」とどっちがオリジナルの日本人かは議論があるらしいが。)
そこでお会いしたのが、観光ボランティアガイドの小林さん(72)である。
もと公務員で、調べ物は苦にならないそうだが、むちゃくちゃ歴史に詳しい。
んでもって笑顔が最高。この写真は笑ってないが… 残念。
この政庁の造営には、関東や愛知などから1000人が集められたそうだ。
「防人の歌」の東国版だねぇ…。
Q.この仕事を始めたきっかけは?
A.公務員を定年退職し、どうしようかと考えていたとき(観光ボランティアガイドの)制度ができて、あまり興味はなかったが先輩から声をかけられて参加することにした。現在ボランティアをやっているのは約40名。各自月に2回ぐらいこうして1日ガイドとして立っている(弁当を持参)。勉強会は月に1回。各自の研究発表もあり、勉強が必要。
Q.今日使われた資料は手作りだが、どうやって調べたのか。
A.もともと本を読むのが好き。今でも年間100冊ぐらい読んでいる。ガイドにはマニュアルがあるが、決して十分な内容ではない。説明をしているうちに「これでは足りない」と気づき、自分で調べるようになった。地元の多賀城市の資料館にもいくが、仙台にもいく。本は図書館に頼むと日本中から取り寄せができる(貸出期間は2週間)ので、いろんな説を調べて自分が正しいと思うものを使っている。家にはガイドを始めてから集めた膨大な資料がある。
Q.こうした資料は出版する予定はないのか。
A.ガイドした人から「面白いから出版してほしい」という話もあったが、出版には元手がかかる。年金生活なので、出費を増やすことにはリスクがある。
… ってことは、小林さんから情報を集め、ブログやホームページで文学部の学生や院生が発表すればいいんじゃないか。高校生だってできるんじゃないの? 地元の無形文化財・資産でしょ。
結論。
○ 住民参加にはきっかけづくりが重要。
○ アクティブシニアは重要な戦力。学習意欲のあるグループを狙え。
○ 続けられるための制度整備が必要。月1回の学習会、月2回の活動参加は妥当なレベル。
老人を家に閉じこめてはいけない。
(社会と接する機会・出番を与えないのは、閉じこめているのも同じ。)
こと地域の無形文化財の収集・保存については、誰よりも優秀な担い手のはず。
方言にも昔話にも風習や伝統行事にも強いしね。