きらせん

仙台のきらめき










東北大学公共政策大学院准教授
佐分利 応貴

 「オゾン層保護月間」

2007-09-16 23:21:35 | Weblog
  9月16日は「オゾン層保護デー」。

  1987年9月16日に、人類の金字塔と言われる「モントリオール議定書」が採択されたことによる。だから9月は日本では「オゾン層保護対策推進月間」とされている。
 http://www.env.go.jp/earth/ozone/month/index.html
 http://www.meti.go.jp/press/20070831005/20070831005.html

  「モントリオール議定書」は、オゾン層の破壊という人類共通の危機に対し、世界が一致して対策(フロンの生産規制)に合意したもの。その道のりは長く険しかった。一つの産業を潰すという決断なのだから、当然といえば当然。

  日本では、オゾン層保護対策に一番がんばっていたのは、環境庁(当時)ではなく通産省(当時)だという自負していた。(自分の就任していた時は。) 担当者も通産省8人に対し、環境庁は4人だったし。業界やNPOとの調整も一生懸命やっていた。

  ただ、善意や情熱だけではダメなんだな。
  当時の室としてのミッションは、むしろ途上国対策におくべきであった。戦略が足りなかった。足下でフロンの回収を増やしても、地球規模の問題は解決できない(もちろんフロン回収も、市民がこの問題に関心をもってもらうためのシンボルとしては重要だが)。いかに国際的なレジーム(枠組み)の蛇口を閉めるか、日本としてイニシアチブを発揮すべきであった。

  昔の自分をアホだと思えるということは、少しは成長しているのだろうか。
  でないと困るが… (社会の迷惑。)