スペイン製揺り椅子の修理

2019-08-31 | 椅子

スペインで作られた揺り椅子
40年前に東京の百貨店でご購入されたものです。
古くなって座面も痛み家具屋さんで聞いてみても座面を草で編んだ椅子はできないと断られ、でも思い出があり愛着のある椅子なので修理したいということで、うちを探し当ててくれました。
ゴッホの椅子の絵と一緒運んで来ていただきました。

 
ロッカーは板から切り出したものではなく、芯持ちの小径木を削り出しています。
このカーブのものを森でみつけて使ったのか、曲げ木で作ったものなのか?割れてはいても芯があり木目が通っているので丈夫です。
古い椅子はまたいろいろ発見があっておもしろい。

 
まずは、製材所でもらってきた帯のこ刃をグラインダーで切ってスクレーパーを作り、古い塗装をはぎます。

これを作った職人さんと対話しながらの作業いろいろ妄想しながら楽しみます。
じいさんになっても同じことやってるんだろうなぁ、たのしたのし。

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七島い編みのカビの話

2019-08-29 | 座編みこぼれ話

七島い(しちとうい)で編み上げた椅子達を除湿乾燥中。
編む時は水分を含ませ柔らかくしてから使うので編み終わった座面は湿っています。
そのままでは湿度の高いこの季節はカビが生えるので除湿乾燥します。
経験則では、この時期にうっすらと表面にカビが生えると、がさつきが無くなりいっそう座面がパーンと張ります。と同時に艶も出て表面が強くなる感じです。
編んだ後、しっかり乾燥して使い始めても2、3年は草の生命力が残っているのでしょう、少し油断するとカビは生えます。
その後は湿度の高い閉め切った部屋等においておかない限りカビの心配はなく、座面も張りが出て、触った感じもつるっとして落ち着きます。
これも経年変化として楽しんでいただければと思います。
このように自然素材はその扱いに注意する所はありますが、それも楽しむ気持ちの余裕が暮らしを豊かにするものだと思います。
お使いの椅子にカビが生えてしまってご心配の場合、風通しの良い場所に置き、エタノールをスプレーし布や刷毛で拭い取るとすぐにさらっとします。
人も気持ちのよい風通しの良い場所でお使いいただければカビの心配はありません。

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ビフォーアフター

2019-08-26 | 椅子

長年使用し、座面も椅子本体も傷んだ椅子は、古い座面を取り除き、クリーニング、欠損部分は補修し、がたつきのあるものは分解して組み直し、着色塗装、クリアワックスがけ、そして座面編みでよみがえります。

 

 

 
生まれ変わった椅子達は風格を感じます。長年の月日のなせる技です。

  
まっさらな椅子はまだ若いって感じ。
山桜スツール、銑による削り出し、国東産七島いによる封筒編み仕上げ

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Audoux-Minet アームチェア

2019-08-23 | 椅子
Audoux-Minetのアームチェア

 


編み方もおもしろいですが、椅子の構造も工夫を感じるなるほどの作りでした。

 

 
角の脚が露出しないのであらかじめコーナーを編み込んで隠してから織り編みしています。
既に古い編みは取り除いてあり、枠のみの状態だったので、写真を見て計画を立て編み進みました。

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Audoux-Minetの椅子七島いによる三つ編み織り仕上げ

2019-08-15 | 椅子

Audoux-Minetのダイニングチェア
大分県国東産七島いによる三つ編み織り仕上げ
オリジナルのアバカによる織りの仕上げとは趣が変わりますが、自分としてはいい感じと思いました。
ご依頼主にも気に入っていただいて、了解を得たのであとの椅子達も織り編み始めました。
座り心地はしっかりと弾力がありそして柔らかく優しいです。

 
まずはお風呂場でお湯に浸します。


ビニールでくるんで蒸らすことで柔らかくしなやかになり座編みの準備完了。
今の暑い湿気のある時期はこの状態にして二日間は使えます。
2、3本ずつ挿し足しながら三つ編みし座面に編み込んでいきます。
だいたいこの量でこの椅子の座面1面と背面2面が仕上がります。


今日はここまでという時はこのようにビニールでくるんで乾燥を防ぎます。
まだまだ三つ編み織りは続く

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Audoux-Minetアンティークチェアの座面織り編み

2019-08-11 | 椅子
 

初めての椅子、初めての座面の編み方
Audoux-Minetというフランスの1940年代のアンティークチェア
元の座面はアバカ織り、フィリピン等にあるバショウ科のアバカという植物の繊維です。
七島い(しちとうい)でもできないかとご相談いただきました。

 
元の椅子をお手本にして織り編みしています。
巾2センチ程の紐を作りながら織り込んでいきます。この巾を保つには約60本の七島いを三等分し、足りない分差し込みながらより合わせ、三つ編みの紐にしていきます。これは丈夫です。
織り方は単純ですが手間がかかります。

 
基本地道なコツコツ作業が好きですが、これはかなり根気が必要です。
バナナの葉の小屋掛けの下ででもできればぴったりだな。
夏は裸足、ゴムぞうりでの座編み作業が気持ちいいです。

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