9月7日は二十四節気の白露、その初候「草露白」(くさのつゆしろし)です。草花に降りた露が白くひかり、その色彩はいきいきと深みを増す…の時節です。夏なのか秋なのか分らなかった不安定な気象もようやく大陸の秋の高気圧のお出ましです。
この日の雲海は、荒々しく明るく素晴らしい眺めでした。音も無くゆっくりと形を変える瞬間々々全てが感動ものです。一見モノクロームの世界のようですが、それを感じさせない微妙な“色彩”が存在するように思えてなりません。太陽の動きと共に輝度の強弱がそう感じさせるのでしょうか…
山頂には kinsanただ一人、この素晴らしい空間を独り占めです。そう、世界中でこの情景を目の当たりにしてるのは一人だけ!
「タムラソウ」 田村草 キク科、多年草。 別称 タマボウキ 県・絶滅危惧種
人の名前からの名称に思われますが、その由来は判らないそうです。“アザミ”のようで“アザミ”で無い!そう言えば、この“タムラソウ”には“棘”がありません。
整った形の“蕾”がこの花の特徴であることと、キアゲハなどの蝶類が大好物のようで、暫くそっと観察してると必ずと言ってよいほど何かがやってきます。スズメガの仲間の“ヒメクロホウジャク”のホバーリングは見ていて感心しきりです。羽根の回転数が凄いのか、小さいくせに大きな羽音は低音の「ブゥ~ン♪」です。
「ホソバノヤマハハコ」 細葉の山母子 キク科、多年草。 県・準絶滅危惧種
西日本の比較的高い山地に生育します。東日本にある“ヤマハハコ”の変種だそうです。茎、葉や花に至るまで白装束で、ススキの根元の群生は一際目立ちます。西洋では“真珠の乾花”と呼ばれるそうです。
「ヒメノダケ」 姫野竹 セリ科、多年草。 別称 ツクシノダケ
“シシウド”の仲間ですが、それより細身で花序も小ぶりです。葉は羽状複葉(3出羽状複葉)で、背丈も1m以上にもなるスレンダーさんです。幾つかの他府県では絶滅危惧種に指定されてます。高原でも数株確認されるだけの超稀少種です。
「ウド」 独活 ウコギ科、多年草。
若葉は山菜料理でよく知られてます。茎は若いほどよく、葉はそれよりも永く賞味できますが、2~3mに育った頃には食用にも材木にもならない事から“独活の大木”の慣用句が生まれました。
【白山菊の風景】 「シラヤマギク」 キク科、多年草。 別称 婿菜(ムコナ)
秋の山野草観察会のお知らせ
日 時 … 9月13日(土曜日)Pm1:00~3:00
集 合 … 山の家おいし ℡(073)489‐3586 Am10:00~
参 加 … 参加費は無料です。当日“山の家おいし”にて受け付け。
天 候 … 小雨決行。状況に応じて上記“山の家おいし”へお問い合わせ下さい。
主 催 … NPO法人・生石山の大草原保存会
高原を知り尽くしたボランティアの方々の案内で散策です。
ススキも赤い穂を出し始めました。咲き残りのカワラナデシコ、オトギリソウ。今盛りのオミナエシにオトコエシ、シラヤマギクにタムラソウとシシウド、ツリガネニンジン、マツムシソウ。足元にはゲンノショウコ、ホソバノヤマハハコ等々。
硯水湿地にはサワギキョウ、サワヒヨドリ、ワレモコウ、ヒヨドリバナに咲きはじめのキクアザミ、シオガマギク、キセルアザミ等々…“さのさ節”の“♪花づくし”のようになりましたが…生石高原はまさに“花づくし”…秋の山野草を充分お楽しみ頂けます。