My One and Only Song #56 UA『HORIZON』
「My One and Only Song」
僕が独断と偏見でチョイスした唯一無二の一曲
大好きな曲、思い入れのある曲、泣ける一曲などを心をこめて
一曲入魂でお届けするコーナー
第56回目に紹介したのは、UA『HORIZON』(1995)
UAがブレイクしたのは『情熱』がきっかけ
北海道ではFMノースウェーブがMEGA PLAYに選び広く知られるようになった
しかし、僕が彼女の声を初めて聴いたのは
藤原ヒロシがリリースした『NATURAL BORN DUB』だった
当時、まだ無名状態だった彼女をクレジットなしでヴォーカルに起用し
クラブシーンでは「あのヴォーカルは一体誰だ?」と
僕もその頃クラブDJをしていたので、よくプレイしていた側なのだが
それから間もなくして、本当の衝撃がやってきた
それが彼女のデビュー・シングル『HORIZON』である
藤原ヒロシのプロデュースによるクラブ系サウンドに、ソウル・フィーリングたっぷりの歌声
アーティスト名は「UA(ウーア)」という不思議な響き
スワヒリ語で「花」と「殺す」という意味を併せ持つという妖しさ
そのどれもが個性的でまさに衝撃的だった
その後、朝本浩文や大沢伸一のプロデュースを受け
R&B女性ヴォーカリストブームの先駆け的存在の1人となったが
その音楽性は常に変化し、浅井健一らとAJICOを結成し初のバンド活動をしたかと思えば
NHK教育で歌のお姉さん「ううあ」としてレギュラー出演し『うたううあ』をリリースし
数々の童謡や愛唱歌をオルタナティヴに再現して聴かせた
古今東西の様々な音色を響かせ、唯一無二の個性的なアーティストとなったUA
次は何をするのか・・・誰にも予測がつかない
UA『HORIZON』(1995)
水曜日の太陽から目を伏せ
あの日想い空気の泡にまみれる
汗ばむ背中2人重ねたまま
勇気のかけら深く沈むの見てた
貴方を見つけた今日から私昨日忘れて
もっともっと貴方探したよ見えなくなるまで
そうねもしこの世に言葉なんてなければ
私たちずっと一緒にいれたよね
探してた永遠は時の影
空と海溶け合う日を夢見る
見つけたはずの形あどけなく
記憶の壁に落書きされてる
理解って欲しい気持ちが無駄に唇動かしていた
言葉の数だけじゃ心通うはずないのに
そうねもし今貴方と初めて
逢えたなら時間も怖くはない
追いかける想いの行方はまだ
色褪せた笑顔抱きしめたまま
そうねもしこの世に言葉なんてなければ
私たちずっと一緒にいれたのに
探してた永遠は永遠に
空と海溶け合う日を夢見てた
作詞/UA 作曲/藤原ヒロシ 歌/UA
UA『HORIZON』ライブ
PETIT | |
UA | |
ビクターエンタテインメント |
95年にリリースされた、6曲入りデビュー・ミニ・アルバム。プロデュースは藤原ヒロシ。プリミティヴな感触を持つ、独特のヴォーカリゼーションはリスナーに鮮烈な印象を与えた。
【UA】
UAとは、スワヒリ語で「花」という意味を持つ言葉。
1995年6月デビュー。当時から、その個性的なルックスと存在感のある歌声で注目を集める。
『情熱』『悲しみジョニー』『ミルクティー』などのヒット曲を持ち、AJICOやUA×菊地成孔といったコラボ作品もリリース。
また、NHK教育『ドレミノテレビ』(2003) に歌うお姉さん“ううあ”としてレギュラー出演。翌年リリースの、童謡・愛唱歌集『うたううあ』(2004)はロングセールスを記録。
さらに、『水の女』(2002/テサロニキ国際映画祭グランプリ)での初主演を皮切りに、『大日本人』(2007)、『eatrip』(2009/モントリオール世界映画祭正式出品)等映画出演も多数。その活動は多岐に渡る。
2010年4月、キャリア初の公開レコーディングライブアルバム『ハルトライブ』をリリース。6月にはデビュー15周年企画カバーアルバム『KABA』を発表。