HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

アオギリ(青桐、梧桐)

2018-09-07 | 秋 樹木 果実・葉

植物の画像だけを撮っている人には難しい構造など無用だそうだ。
その一つ一つ解析することなど、何の意味があるのだろう…と問われる。
きれいなものをきれいに撮る、それだけで充分なのだとおっしゃる

それぞれの植物に向き合うスタンス、押しつけたりするものでも無いし
ましてや、それを知ったところで無関心な人には意味も無い。
それでも興味がある人は何度も同じ場所で
アオギリの果実の頃を撮っている。

そろそろシワシワの種子をつけて飛び始める頃だろうか
そう思って出掛けた場所では惨憺たる光景が広がっていた。


▲ 夜半に姫路を通過した台風20号の強風で折れたアオギリ、園内一のニワウルシも根元から倒れてしまった。

▲ 主幹の上部だけではなく、太い枝も折れていた。▼





▲ 袋状になっていた果実は裂けて種子が見えている。
本来はこの状態で秋頃まで樹にとどまり、やがてカラカラに乾いて飛び立つ…筈だった。


▲ ところが、途中で枝が折れてしまった為に水分が断たれた果実は
そのまま先端部分が離れて五つに分かれ、種も皺が目立ち始めている。▼




▲ いつもは樹上に見上げる果実だけれど、樹下に落ちているから観察しやすい。▼

▲ 一つ一つの袋には水が溜まっていて、中にある種子は緑色をしているのだが
その水分も涸れ、種子は少しだけ緑を残してシワシワになりかけている。▼



▲ 落ちて時間が経っていない種子はまだシワシワにはなっていない。▼



▲ 大きな翼(果皮)は乾燥すると軽くなり、その周囲についた種子と一緒に風に運ばれる。▼



アオギリ(青桐、梧桐)
 アオイ(←アオギリ)科アオギリ属 Firmiana simplex
APG分類体系では、アオギリ科、シナノキ科、パンヤ科はアオイ科に分類変更されている。
(2018.08.29  明石西公園)


▲ できたての果実は一塊、しばらくすると5つに分果する。熟すに従って果実はやがて先端部が離れる。
この状態からさらに熟して乾燥が進むと上の画像になり、やがて果実についた翼(果皮)と一緒に種子が風によって散布される。

▲ アオギリ、花の頃 アオギリは雌雄同株・異花、中央に雄花、その右が雌花。
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春の花盛り 夏の果実 冬姿 冬芽・葉痕



2 コメント

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また来年は・・・? (こいも)
2024-03-21 15:09:32
林の子さん
また来年と楽しみにしていたアオギリが
今年は無くなってしまいました。
こんなに悲しいことってあるのですね。
本当に、出逢ったその時を大切にしなければと・・・思いました。
同じ場所では無理でも。 (林の子)
2024-03-21 15:35:17
「アオギリ」は生命力の強い樹木で、原爆を落とされた広島でも
次の年にしっかりと新しい芽吹きがあったそうで
関西の小・中学生が修学旅行などで広島に行った折には「被爆アオギリ」の名前で
学校に持ち帰って植えたりもしたそうです。
今ではかなりの高木になって学校の森の中に育つ場所もあります。
どこかでまた出会えるといいですね。

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