HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

ヤブラン(藪蘭)

2017-09-07 | 【独り言】

今日も園内のボランティアの方が盛んに分類体系の話をなさっていた。
いろいろ質問される方の中には、新しい分類体系に馴染めない…とおっしゃる方が増えたそうだ。
植物名表記板が書き換えられている事への「クレーム」…に苦慮されている。
別に分類体系が変わろうと花には変わらない…
そう考えるのも妥当なのかも知れないけれど
公然と言葉に出すのは植物園内ボランティアとしては不適だ。
『ブログに科名を書くときに、京都植物園の表記と違うのは困る』そうだけれど
京都植物園ではこう表記されていました…で良いのだと思う。
それでもやはり面倒なら書かなければ良い。








ヤブラン(藪蘭)キジカクシ
(←スズラン←ユリ)科ヤブラン属 Liriope muscari
ヒメヤブラン(姫藪蘭) Liriope minor
ハラン、スズラン、ジャノヒゲ、ナルコユリ、キチジョウソウ、オモト、ユッカ、ドラセナなど
従来のエングラー体系でユリ科に分類されていた幾つかは再編成されて馴染みのないキジカクシ科に移っている。
キジカクシ科は Asparagaceae、和名ではアスパラガス科、クサスギカズラ科とも呼ばれる…と解説されている。
これをつぶさに検証し、植物名と共に科名・属名を表記するのは至難、学者の世界だと思っている。
(2017.08.21 京都)

【再掲・独り言】 植物分類体系については、どれが正しいと言う議論は当て嵌まらないと思っている。
幾つかの系統があり、近年は従来の形態的な分類体系から、分子系統学準拠の体系も採用され始めている。
時折だが、それは学者の世界で素人はそこまでは立ち入れません…という書き込みがあったりする。
どの分類系統を使うかをいちいち明示するのは確かに面倒だし、
従来使ってきたものの方が馴染みがあるから…と言うのが理由だそうだ。

どれが正しいの議論は当て嵌まらないのだから、わざわざ面倒な書き方をする事もあるまい。
ヤブランがユリ科であっても、スズラン科であっても、キジカクシ科であっても構いはしない筈だ。
ただ、正規に刊行されている幾つかの図鑑の内、改訂版からは分子系統学準拠の体系に変更している。
また管理がしっかりなされている植物園などでは、名札を含めて変更は既に始まっている事だけは認識しておかないといけない。
だから、科名属名などは学者が必要とするもの、面倒だと考えている人は「敢えて書かないこと」が賢明だが
敢えて書くのであれば、自分の技量と相談しながら何処まで遡って修正できるかに挑戦しないといけない。
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ヤブラン ヒメヤブラン ノシラン
真夏の京都植物園1 



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