HAYASHI-NO-KO

北岳と甲斐駒ヶ岳

ムラサキケマン(紫華鬘)

2017-05-27 | 草 果実・種子

去年は何枚も花画像を残した。
今年は殆ど花は終わっていた。
ところが何年か前に撮った果実が弾けて種を飛ばした後の姿を思い出した。
草むらを歩いていて何かが弾ける音を聞いたことがある。
それがムラサキケマンの果実だったことを思い出した。

次々…と言うわけでは無いけれど、何枚も撮っていた。




▲ 果実は茎に対して上向きに付く。



▲ 種子を飛ばす早業はどの植物も同じだろうと思う。
持てるバネの力を精一杯使って出来るだけ遠くへ種子を飛ばそうとするのだが
時々飛ばし損ねた種子が残っていたりもする。▼




▲ やや下向きだった果実が乾燥して種子が充分に熟すと上向きになる。
果実の下から上に向かって果皮が二つに勢いよく裂ける際に、果皮がバネの役割で瞬時に丸まる。
この時、果実の中にあった種子は勢いよく弾き飛ばされる。
後には見事に丸まった果皮が二枚、臍の緒の役割を果たし終えたものが果柄に残る。▼

▲ よく見ると勢いよく弾き飛ばされた種子について行くはずのエライオソームが残されていることも多い。
その部分に黒光りしている種子が付いていた…と言うことになる。▼




▲ この姿だけからは、果実も種子の旅立ちも想像しにくい。
ゲンノショウコだってそうかも知れない。▼









▲ 黒光りしている種子、右横に見えている白いものはエライオソーム、種子を運んで貰う為のご馳走。
下の種子ではすぐしたに付いている。▼







ムラサキケマン(紫華鬘)
ケシ科キケマン属 Corydalis incisa
(2017.05.19 森林植物園)


花期

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去年のムラサキケマン ミヤマキケマン 果実



6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
何と素敵な・・・ (こいも)
2019-05-11 02:00:11
林の子さん
もう・・・感動です。
何と素敵なのでしょう~
何度も何度もスクロールしてしまいます。
エライオソーム・・・
種子を手にした時に白いものは何かしら?
疑問には思ったのですが…そう言うことだったのですね。
また一つ知ることができました。
と~っても嬉しいです。
本当にありがとうございました。
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そういうことですね。 (林の子)
2019-05-11 10:31:21
スミレなどの種子に付いているエライオソームの事は意外なほどに知られているのですがケシ類の種子にも付いています。
種子が小さなものには無いことが普通でしょうが
この程度のものでは、これは何かな?と思った時に調べると答えは出てきます。
これは何かな?、そう感じなければ無理ですけれど、幾つもの些細な部分は
少し興味があればどこかに似たような姿もあるので次々と広がる気がします。
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美しい種子 (こいも)
2019-05-11 11:19:36
林の子さん
小さな美しい種子を勢いよく飛ばす
すべを知っているかのようでした。
良く見ていても目にも止まらぬ速さです。
もう種子を受け止めようと考えました。
やっと上手く手に乗った種子をよく見ると白いものが・・・
運んでもらうために種子にはさらにエライオソームが・・・
何と素敵なの~~~♪
植物って偉いですね。
スミレの種子にもついているのですね。
気をつけて見てみたいと思います。
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植物は自力では動けない。 (林の子)
2019-05-11 12:43:12
そこで幾つもの「種子散布」の方法が独特の知恵であみ出されるのでしょうね。
樹木は高い木の上から、風に乗せて少しは遠くに種子を散布したり、
鳥などが果実を食べて、遠くに運んで貰えるのでしょうが
草は背丈も無いので、散歩する動物に運んで貰ったり
中にはカタバミのように少しでも遠くに…と懸命にはじき飛ばしたり。
種子を運んで貰う目的でエライオソームと名付けられた物質を付けたものも面白いですね。
少し高いかも知れませんが多田多恵子さんの「実とタネ図鑑」という本が
誠文堂新光社から二年前に出版されています。
図鑑と言うより全編イラストなので、読み物として面白いのでご紹介します。
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ありがとうございます (こいも)
2019-05-12 09:27:49
林の子さん
ありがとうございます・:*:・(*´ー`*人)。・:*:・
書店に行ってみたいと思います。
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Unknown (林の子)
2019-05-12 10:34:45
今、米原で新快速に乗り換えて名古屋に向かってます。同期の山仲間との恒例になってる一泊の集まり。もう15年になるかなぁ。今年は奥蓼科で集まります。動ける間はやはり外の空気吸っているのが一番ですね。ご紹介した本を持参して読み直してます。
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