山はしろがね

ロシア文学/スキー@稚内(~2017.3)

アルタイの至宝展

2005-06-16 01:48:56 | アート・文化
 妻ののところに,『アルタイの至宝展』の図録が送られてきたので見せてもらった(妻がそのロシア語テクストを翻訳したのである)。  石器時代から現代までアルタイ地方に展開された諸文化を紹介した展覧会。  旧石器や土器,グリフィンをかたどった装飾品やシャーマンの用具なども興味深いが,マンモスの骨格標本とか刺青の入ったミイラとか派手な展示物もある。  それらは北海道を含む極東の北方文化とのつながりも . . . 本文を読む

クーチクの『オード』

2005-06-14 02:48:11 | トラウマの果ての声(新世紀のロシア文学)
 ちょっと必要があって,たなかあきみつさんがロシア語から訳された詩集を読み直していた。  『アイギ詩集』書肆山田,1997年。 クーチク『オード』群像社,1998年。 ブロツキイ『ローマ悲歌』群像社,1999年。 ジダーノフ『太陽の場所』書肆山田,2001年。  自ら詩作もなさっているたなかさんの訳は独特のもので,過去に読みづらいと思ったこともない訳ではなかった。しかし,まとめて読んでみると, . . . 本文を読む

小津のスキー映画

2005-06-09 03:14:48 | スキー
 現存する小津安二郎の映画のうち,最も古いものである『若き日』(1929)を見た。 早稲田の学生2人がなけなしの金をはたいてスキーを手に入れ,妙高赤倉に行く。彼らが恋する女性がスキーに行くというので,後を追ったのだ。スキー場で彼女と再会した2人は,青空のもと,猛烈な争奪戦を繰り広げる。しかし,彼女はスキー部の学生と見合いをしてしまったため,2人は吹雪の中,すごすご東京に戻る,という内容のコメディー . . . 本文を読む

大仏破壊

2005-06-07 00:33:45 | 本と雑誌
 授業で学生に『ハワイ・マレー沖海戦』を見せた。真珠湾攻撃を描いた戦時中の日本映画だ。円谷英二が見事な特撮を行っていることで知られている。もっとも真珠湾攻撃を見事に描かれたところで,あまり後味も良くないのだけれど。真珠湾攻撃の新聞写真を見て,その海の青さを思った小林秀雄のことが思い出されたりもする。  授業を終えてPCに向かったら,高木徹さんからメールが来ていた。高木さんはNHKのディレクターだ。 . . . 本文を読む

ジェーネシキナを読みながら

2005-06-06 00:44:17 | トラウマの果ての声(新世紀のロシア文学)
 吉岡ゆきさんの訳でジェーネシキナの作品集が出たことを,5日の読売の書評欄で知った。出版社のサイトで調べたら,4月の末に出ていたらしい。 イリーナ・ジェーネシキナ『恋をしたら,ぜんぶ欲しい!』吉岡ゆき訳,草思社。 まだ,手に入れていないので正確なところは不明だが,たぶんジェーネシキナの短編集"Dai mne"から6編を選んだのだろう(原書は11編を収録)。原書の最後にある"Isupov"という短め . . . 本文を読む