山はしろがね

ロシア文学/スキー@稚内(~2017.3)

ナボコフのゴーリキイ

2005-08-23 17:25:13 | トラウマの果ての声(新世紀のロシア文学)
 日本ナボコフ協会の会報に,小文を掲載した。  岩本和久「ナボコフのゴーリキイ」『Krug』Vol.VI, No.2, pp.15-17.  ナボコフの『ロシア文学講義』について,ナボコフの専門家でない立場から何か,と依頼していただいて書いた文章。話があったのが年度末で,締切りが年度初めだった(しかも,並行して査読誌に投稿する学術論文を1本書いていた)という関係で,調べに甘いところがあって少し . . . 本文を読む

北の黒牛弁当

2005-08-22 22:45:25 | 日記・エッセイ・コラム
 福岡から札幌経由で家に戻ってきた。  札幌駅で,これまで食べる機会のなかった「北の黒牛弁当」を買ってみた。宗谷丘陵で飼育されている「宗谷黒牛」を使った弁当。自宅から遠くない場所で生産されている牛肉の用いられた弁当を,遠い旅先で買うというのも不思議な気分なのだけれど,この弁当は札幌駅でしか売っていない。なかなかおいしかった。日本の果ての牛が,こういう形で多くの人々に知ってもらえるといいなと思う。 . . . 本文を読む
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福岡市美術館

2005-08-20 17:56:29 | アート・文化
 「アール・デコ」展を見るため,福岡市美術館に行った。  午後2時から「アール・デコの時代--パリ」と題した今橋映子さんの記念セミナーがあった。都市改造を目指した建築家ル・コルビュジェと,都市の周縁や細部を撮影した写真家ケルテスを対比させながら(そしてベンヤミンを参照しつつ),1920年代~30年代にパリがどのように見られていたか,という問題を考察した講演。無料だったので30分くらいかと思って気楽 . . . 本文を読む

本当に好きな映画

2005-08-18 15:27:41 | 日記・エッセイ・コラム
 『キル・ビル』や『仁義なき戦い』の話ばかりしていると誤解されそうなのだが,アクション映画や任侠映画を特に好んで見ているわけではない。そういうジャンルが嫌いなわけではないが,タランティーノよりはサム・ペキンパーやクリント・イーストウッドの方が好きだったりするし。  では,本当はどういう映画が好きなのですか,と問われると,それはアブラム・ロームの『ベッドとソファ』(第3メシチャンスカヤ通り,192 . . . 本文を読む

硫黄マッチ

2005-08-13 01:42:56 | ロシア
 ロシアの昔の小説を翻訳していると,変なところでつまづいてしまう。最近,つまづいていたのが「硫黄マッチ」だ。  マッチの歴史というのは,簡単に言うと,以下のようになるらしい。1827年にイギリスのウォーカーが塩素酸カリウムと硫化アンチモンを頭薬に用い,摩擦により発火するマッチを発明した。1830年代には頭薬に黄燐を用い,発火を容易にした「黄燐マッチ」が誕生したが,人体に有害なガスが出る危険なもので . . . 本文を読む
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日本語から引く知っておきたいロシア語

2005-08-11 03:16:14 | ロシア
 中澤英彦さんの編集で『プログレッシブ単語帳 日本語から引く知っておきたいロシア語』が小学館から刊行された。タイトル通り,日本語を見出しにした単語帳で,分野別に7000語が収録されている。  この種の単語集は昔からいろいろと刊行されているのだけれども,時代に対応した新しい単語をいかに取り入れるか,という点が現代においては特に重視されているようだ。本書の場合も,たとえば「文字化け」,「カルト集団」 . . . 本文を読む

トロッコ王国

2005-08-01 00:19:20 | 日記・エッセイ・コラム
 村上春樹の『羊をめぐる冒険』の主人公が最後に乗る列車は,美幸線がモデルではないかという説がある。美幸線は1985年に廃線となった国鉄の路線で,美深と仁宇布(にうぷ)を結んでいた。確かに主人公が乗り換える駅の描写は,実際の美深駅によく似ている。  全長わずか20キロのうち,仁宇布までの5キロの区間にはまだ線路が残されていて,「トロッコ王国」に使われている。保線用の小さなエンジン付き車両(軌道自転車 . . . 本文を読む