正々堂々blog

衆議院議員川内博史の日記。

教育基本法質疑

2006年06月02日 | Weblog
政府提出の「教育基本法案」に対して、今日午後2時30分から3時30分まで、質疑をさせていただきました。

教育の現場で起きている、様々な課題が、教育基本法を改正することで解決できるのだろうか?という問題意識で聞かせていただきました。

なぜなら、「現状の課題」があり、その「原因」を明らかにし、そして、解決のための「目標」を立て、それに至るプロセスを「法律」という形で制度化するのが、「政治」の役目だからです。

小坂文部科学大臣(以下大臣と略す)は、私の質問の意図が明確に理解していただけなかったようで、答弁が教育勅語的・詩的な言葉に彩られていました。

以下、概要です。

川「教育基本法は、教育の課題を解決する為に改正されるのか?」

大臣「そうだ」

川「では、義務教育における課題は何か?」

大臣「いじめ、不登校、学級崩壊、公徳心の欠如、学力低下問題、様々だ」

川「様々な課題の中で、学力低下問題について問う。如何なる学力が、如何なる低下をしているのか?」

大臣「種々の調査によれば、理数系の学力、読解力の低下が見受けられる」

川「その原因は?」

大臣「私が子どもの頃は、色々なものに好奇心をもって接していた。」

川「大臣の個人的な経験を聞いているのではなく、科学的な根拠のある原因を聞いている」

大臣「細かいことはわからない」

川「細かいことではない。理数系の学力、読解力の低下が、学力の問題であると政府として認識していると答弁したのだから、その原因についても適切に答弁することが大臣としてあるべき姿である」(文科省の官僚から資料が大臣に)

大臣「学びの意欲が、OECD諸国の子供たちに比べると低くなっている」

川「『義務教育』の課題のひとつである、学力問題に対して政府の現状認識、そしてその要因の分析については分かった。それでは、理数系の学力、読解力の低下
について解決の方策をどうするのか、何という名前の法律をどう改正することが、解決につながるのか?」

大臣「今も色々やっている。そしてこれからもがんばる」

川「何を言っているのか分からない。それらは、教育基本法を改正しなければできないことなのか?」

大臣「教育基本法の改正が、ただちに問題の解決につながるわけではない」


川「今、ただちに解決していかなければならない教育現場の問題を論じることなく、現場につながらない教育基本法の改正案を論じることに如何程の意味があるのか?」

大臣「・・・・・」

川「『いじめ』『不登校』『学級崩壊』等も、原因と目標と解決策、さらにそれが基本法を改正しなければできないことなのか、そして『義務教育』だけでなく、他の教育の分野についてもそれぞれ課題があると思う。『みんな頑張れ』式議論ではなく、具体的な議論をすべきである」


と、今日は大体こんな感じでした。

来週も、また大臣と議論するチャンスがありそうですので、引き続き色々と聞かせていただこうと思います。





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10 コメント

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Unknown (Unknown)
2006-06-02 20:26:54
どんな質疑答弁があったのか読んで分かりやすいです、これからもやり取りの内容読みたいです、頑張ってください
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愛国心教育は (カーク)
2006-06-02 20:51:41
与党、政府、官僚の職務放棄で有ると思います。

安全で住みやすい国、子供に対して夢を与えられる国などは、政治家や官僚の仕事だと思います。それをせずに子供に愛国心を教えることって彼らの職務放棄ではないでしょうか?
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Unknown (Unknown)
2006-06-02 21:03:22
一昨日のPSE質問、今日の質問と基礎資料を丹念集めて読み込み、現場のリアリティを伴った鋭いものを感じます。

現場を知らない無能な会社上層部と現場の信頼厚い実戦部隊のリーダーの闘いを見ているようでもあります。

最近国会で、なかなか見られなかったように思います。

これからも良識と正論を戦略を以て貫いて下さい。



お疲れ様でした。





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駐車違反の罰則強化の問題も (Unknown)
2006-06-02 21:46:56
PSE問題をはじめとする日々の活動お疲れ様です。

また、見過ごせない法律が動き出しました。

6/1からの駐車禁止に対する罰則強化です。



違法駐車は確かに良くありません。

コインパークはいくらでもありますしそちらに停めればよい話ですが、問題点はそこではありません。



自動車は、四輪だけではありません。

現在、二輪用の駐輪場はほとんどありません。

四輪用の駐車場は断られます。立体駐車場にも入れられません。

都内では整備が進み始めているようですが地方都市にはほとんどありません。

(例えば私の住んでいる神戸市では中央区三宮に一箇所対応可能なものがあるのみです)



停める場所が事実上ない状態で法施行されてしまったため、二輪自動車の運用が極めて困難な状況になってしまいました。

(これに関しては二輪利用者にしか感覚が判らないかもしれませんが、そこが盲点とも言えます)





色々な問題に対処していただいている中、さらにお頼みするのもどうかと思うのですが、

議員が最も信頼できると思いましての投稿です。質疑に出すなどをご検討いただければと思います。





※少し現実を見ても特に運送業者にしわ寄せがいっているように見えます。

街の空気も(人々の周りを見る視線)普段より悪く感じました。

また、同じく荷物を運ぶ仕事でも郵政のみお咎めなしというのは問題かと思います。

四輪配送車両はまだ駐車場が存在はしますが、バイク便は全く停める場所が存在しないのが現実です。





(長々と申し訳ありませんでした)
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教育勅語なら我家にもあるが (鮎川さとる)
2006-06-02 23:34:33
『教育ニ關スル勅語』以下「妥協」して(「教育勅語」)なら我家にある。ありゃ名文だ。明治23年の10月30日に当時の日本人が持てる精神力の全てをかけて書いた文書だ。だからこそ私は今時の若い人たちに問いたい。「あなた方は明治23年に比してどの程度「進歩」していますか。」当時の日本人の多くはは「未来は確実に現在より良くなる。」と考えていた。断言してよい。(単純な「進歩史観」)2006年-1890年=116年間。まさか逆戻りしようとは思ってもいまい。私は自分自身に問いたい。「貴様は116年後に何を残すのか?」答(子供だよ。さあ今夜もはげもうぜ!)失礼しました。
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ひとつ実を結んだようですね。 ()
2006-06-05 11:30:37
川内先生。

日々、お疲れ様です。

ブログは毎日覗かせて頂いておりますので、更新は欠かさず拝見しております。

書き込みは久しぶりです。



黒豚さんの件は、先生が目指された方向で農水省も動くようですね。

私の認識が間違っていなければ。



本当にお疲れ様です。



ところで、上にも書き込みがございますが、

私もこの度の道交法の改悪に疑問がございます。

もちろん、多くの人と同じ意見なのは、無謀な駐車違反が減少することに関しては、なんの反対もございません。

ただし、抵抗を感じるのは、まず第一に旧法下で確立してきたシステムで動いている、流通等の職業車に関して、何の配慮もされていない点です。

ラジオでこんな話をききました。

介護タクシーをされている運転手さんは、車椅子のお客さんを迎えにいくのに、車を離れざるを得ない。云々。という話です。

(J-wave JAM THE WORLD 6月1日放送分、リスナーからの投稿)

他にも、引越し、宅配等の配送、仕入れ、回収、出張工事、、、、枚挙に暇がありませんが、いずれの「民間」会社も、交通違反対策のためだけに、人を一人多くつける等という事は、100%不可能です。

「特例」を認めろ、というのではなく、「除外」を認めなくてはいけないと思うのです。

やはり、この法改も、充分に議論された結果の施工とは、とても思えないのです。



そして、なにより、確実に増収になるであろう、徴収された罰則金が「どこで、どの様に使われるのか」という事を考えると、疑心暗鬼を生じえません。



ここにも、天下りのニオイがプンプンしますね。

厳しくするのは、構わない。

が、平行して駐車場の確保や値段の検討、補助など充分な対策をした上での話しです。

徴収した罰則金を財源にした駐車場の整備は、行政の当然の義務だと思います。



もし、除外車が細かに検討・議論され、罰則金の使途が明確に打ち出されるのであれば、大賛成なんですけどね。



追伸;PSE法は、なにかもう一息、な印象もありますが、それは素人の楽観視なのでしょうか?



お体にお気をつけて、益々のご活躍、心よりお祈り申し上げます。
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医療改革法案 (Unknown)
2006-06-05 16:21:48
医療改革法案について気になることが。

http://blog.mag2.com/m/log/0000154606/107345881?page=1#107345881
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Unknown (Unknown)
2006-06-05 19:46:04
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20060605-02-0101.html



2006年6月5日

共謀罪の陰に目立たず通った探偵業法案



「探偵」といえばシャーロック・ホームズや明智小五郎。だが謎を解き「真犯人はこの中にいる」なんていうのは本の世界だ。現実の探偵は、素行調査や浮気現場などプライバシーを密かに探るお仕事だ。

 業界団体である日本調査業協会(吉田悦美会長)によると国内に探偵業者は3000社余りあるが、協会に加盟しているのは550社。アウトサイダーによる料金トラブルや情報の悪用などが起きがちだという。そこで「業法の制定を国会に働きかけていた」。

 衆議院で5月25日、探偵業法案が通過した。長年の悲願が実る業界関係者は期待を膨らますが、「報道の自由を侵しかねない」との声がメディア業界から上がっている。

 法案は他人の依頼を受けて特定個人の行動を調査する行為を規制する。探偵業の届けがない者が、例えば誰かを尾行したり無断で写真を撮ったりすると逮捕される。探偵の話かと思っていたら取材規制か、とメディアが騒ぎ出したのは3月になってからだ。

「9・11以降広がった人権より治安を優先する動きの一環」と民放連は指摘する。国会で紛糾している共謀罪は、犯罪謀議の疑いがあれば逮捕できる。探偵業法は情報活動を取り締まる足がかり、というのだ。

 審議の中で「報道機関の依頼による行為」は対象外とする「除外規定」が盛り込まれた。しかし「フリーのジャーナリスト、作家など著述業に対する除外規定が明示されていない」と日本雑誌協会は緊急声明で訴えた。

 個人情報保護法で事件の固有名詞は警察の判断で伏せられるようになった。探偵業法は公安委員会への活動報告を義務づけている。民間の探偵業者が警察庁の翼下にはいり、違反の取り締まりには警察があたる構図だ。

 メディアは、時として人を傷つける。弱い立場の人に辛い思いをさせてはいけないが、権力者を相手にする時は、多少のリスクは覚悟して踏み込まなければならないことがある。猟犬のようなフリーライターがいい仕事をすることは珍しくない。

 大手は除外され、立場の弱いフリーライターが微妙な立場にさらされる。いつの時代も「はじめの一歩はこっそりと」だった。

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公教育の意味 (めもりぃ)
2006-06-06 19:26:27
>教育の現場で起きている、様々な課題が、

>教育基本法を改正することで解決できるの

>だろうか?



私もそう思っております。

教育基本法も重要です。

制定されてから改正されていないことは

不思議に思います。



ただ、現場の教師の方々で、日々、教育基

本法を心にとめていらっしゃる方は、どの

位いらっしゃるのでしょうか。

教員免許を取得するために、教育基本法の

勉強はしますし、重要性も認識しているこ

とでしょう。

でも、教育の現場では、教育基本法を心に

とめておける余裕はありません。

日々の問題、課題に対処しなくてはならない

時間は膨大です。



教育現場に身を置く者のひとりとして、今

いちばん気がかりな問題は、「公教育の格差」「公教育の不公平感」です。



公教育のある意味は、特に義務教育におい

ては、「国民が平等に教育を受ける権利」を

守るためにあると思っております。

ところが、教育行政の自由化が進み、各地で

「教育特区」は設けられ、教育の質に格差が

生じてきています。

「その学校、その地域の特色を出すこと」が

重要だと、競争させるようなことをおっしゃる有識者の方々もいらっしゃいます。



少子化も問題ですが、その少なくなってしま

った子供たちに、しっかりと教育という財産

を身につけさせてあげるのは、私たち大人の

責任だと思います。



教育は財産です。教育は投資です。将来の日本は教育にかかっていると思います。



貴重な国会の時間をさいて基本法について

議論をするよりも、優先順位の高い問題が

沢山あるように思います。



川内先生はいかが思われますか。
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改正案16条について (Unknown)
2006-06-06 21:07:01
 先日、新聞の投書欄にこんな記載があり、私自身、問題意識を喚起されたので、その方の真摯な声が国会にも届くことを願い、転載します。



=====

 養護学校の教員をしている私にとって憲法や教育基本法の問題はひとごとではなく、国会情勢に毎日聞き耳を立てています。今回の改正論議は大いに疑問があります。強い憤りを禁じ得ません。

 教育基本法は前文で、「(憲法の)この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである」とうたっています。「恒久平和」と「民主的で文化的な国家」づくり、そして「世界の平和と人類の福祉」への貢献という「理想の実現」のために、教育基本法は制定されたのです。(略)

 「教育行政」の条文(改正案では第16条)から「国民全体に対し直接に責任を負って」という記述を削除してしまったのは問題です。私は国の責任でどんな子供でも平等に教育を受けられる仕組みが壊されてしまうのではないかと、大きな危機感を感じています。

 今の教育基本法は「教育の機会均等」を国の義務として規定しています。すべての子供達が9年間の義務教育をうけられるように、きちんと必要なお金を出したり、校舎を造ったり、教員を配置したりすることを決めているのです。ここにこそ、障害児教育がまともに存在する為の、国としての在り方が記されていると考えています。

 実は、障害児教育の分野で「義務教育」が完成したのは、やっと1979年のことでした。それまで障害の思い子供たちの教育は「就学猶予」「就学免除」という逃げ道をつくって、国の義務を果たさないできたのです。つまり障害児にとって、教育基本法に規定された教育を受ける権利が保障されるようになってから、まだ30年もたっていないことになります。しかもそれは、国が簡単にやってくれたのではなく、私たち教職員と保護者達たちが一緒になって、

粘り強く運動してきた長い長い歴史の結果でした。もし黙っていたら、意まあでも障害児教育の義務化はなかったかもしれないのです。 

 今では、どんなに重い障害があっても学校教育が受けられます。希望するすべての障害児が、高等部での教育が受けられます。日常的に「医療的ケア」が必要な子供たちも、学校に看護師や医師が訪問し、一定程度安心して学校に通えます。これらもすべて教育基本法に「国の責任で教育条件整備をしなければならない」とあるからこそ、実現できたことです。私たちが長い年月をかけ積み上げてきた障害児教育は、憲法と教育基本法があったからこそ発展できたのです。

 いま一度、現行の教育基本法を読み直し、はたしてこれまでしっかりと実現されて来たのかどうかをチェックする必要があるのではないでしょうか。改正するかどうかを議論するのは、それからでも決して遅くはありません。



ーーーーーーー

よろしく御願いします。

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